読切(脚本)
〇女の子の部屋
麻子「明日は7時起きかぁ。睡眠時間足りなさすぎだよ」
麻子「一人暮らし始めたはいいけど、仕事も定時で終わらないし疲れて家事すらしなくなってきたなあ。ぐっすり昼まで寝たいなあ」
麻子「目覚まし早めにセットすると二度寝しちゃうしギリギリだと何かしらでトラブって遅れたら上司からチョップだし」
麻子「やっぱギリギリでいいや。10時だし寝よ」
〇女の子の部屋
麻子「もう朝か~。時間通りに起きれたから第一関門突破。続け様に難敵、布団からの脱出を試みる。けどダルい。3分必要」
麻子「会社ダルい。マジダルい。行きたくない。辞めたい。就活やりたくない。金欲しい」
麻子「やはり3分じゃ足らんな。後2分したら強硬脱出するから。神様ちょっとだけ勇気を下さい」
麻子「神よ、ありがとう。さてトイレして顔洗って。洗濯は終末に、と。 ご飯はゼリーで30秒。歯磨きも30秒。 ここまでは順調!」
麻子「いつも思うけど。貴重な朝の時間に。ストレスは体に良くないから考えたくないけど」
麻子「なんで義務教育で教わらない化粧をしなきゃいけないのよ。安月給の上、時間外労働ですかって話よ。化粧代もバカにならないし」
麻子「キレイになったら痴漢に遭いやすくなるし」
麻子「義務でやる化粧なんて楽しくないのに」
麻子「今日も手抜き5分メイクしゅーりょー。 後は脱ぎっぱなしのスーツを着て完成」
麻子「2分予定よりミッション早く終わったわね。さすが私はできる女ね。2分余裕を持って駅に向かうとしましょう」
〇市街地の交差点
麻子「走らずにゆっくり駅に向かえるってなんて優雅、ってアワっ」
麻子「やっぱヒール歩きにくいなあ。ハイヒール考えた人間もこれを履かせたがる会社も何なのかしらね」
麻子「紐で結ぶ黒革靴でなんでダメなのかな」
麻子「社長が高身長の女が趣味なだけか」
麻子「むしろヒールがどれだけ辛いか分かってないだけか。外反母趾にもなりやすくなるし健康損なう恐れがありますってのに」
〇電車の座席
麻子「今日も満員電車6駅分頑張るか」
麻子「老いも若きも方舟に詰められて。私も満員電車歴、中堅所にはなってきたのかしら」
麻子「中堅になっても慣れるもんじゃないけど。こう毎日だとせめて通勤ラッシュ手当もらいたいところね」
麻子「痴漢とスリにとってのパラダイスね。それを取り締まるのが私の本業」
麻子「捕まえた相手を脅してたんまり貰わなきゃね」
んー、とてもデジャヴュな朝の光景ですw 詮なき愚痴を口にしてしまうところまでも一緒でw
それから日常の出勤光景が続くと思ったところのオチ、凶悪ですね…
私もとても朝が弱くて起きるの苦手なので気持ちがわかります🥹
でも彼女は、なんだかんだ言いながらもちゃんと起きて時間に間に合わせているので偉いなあと思います。
私も明日から頑張ろう!
化粧をして「キレイになったら痴漢に遭いやすくなる」という台詞は伏線だったんだ。まさかそれが目的だったとは。朝が苦手でも、痴漢から「通勤手当」もらえるかも、で早起きがんばれたのか・・。一撃必殺のラストにやられました。