叫んじゃうほど愛おしい

無知の無知

エピソード1 「お喋りしてみたい!」前編(脚本)

叫んじゃうほど愛おしい

無知の無知

今すぐ読む

叫んじゃうほど愛おしい
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇教室
南沢 香(みなみさわ かおり) 「んん~~~っ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「はぁ、やっとお昼休み。 風、お昼にしよっ」
東条 風(とうじょう ふう)「ああああぁぁぁぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「風、どしたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「ぁぁぁぁぁぁ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「うわぁぁぁぁああああ!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「な、泣いてるっ!?」
東条 風(とうじょう ふう)「・・・数学、全然わかんなかった」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・そんなことだと思った」
東条 風(とうじょう ふう)「数学だけじゃない・・・、」
東条 風(とうじょう ふう)「化学も理解出来なかった・・・、」
東条 風(とうじょう ふう)「世界史もまるで覚えれなかった・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「現代文に至っては全部寝てましたぁっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それは、起きてなさい」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「まぁ気にしないで、ご飯にしよ。 お腹空いちゃった」
東条 風(とうじょう ふう)「ご飯・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「うん、ご飯にしよっ!  学校、唯一の楽しみ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「あ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「どしたの?」
東条 風(とうじょう ふう)「水筒無い!!  お弁当忘れたぁぁぁぁああああ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あらら・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「私は、なんのために学校に来たんだぁぁぁああああ!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ん~・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「午後の授業を、」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「頑張るためじゃない?」
東条 風(とうじょう ふう)「うぅ、頑張りますぅ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「頑張りますぅぅぅぅぅぅっっっっっっ!!!!!!!!!!!!」

〇教室
東条 風(とうじょう ふう)「お弁当無い・・・ 餓死しちゃう・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「死なないって、それぐらいじゃ」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私、部活用に菓子パン買ってるから、あげるよ」
東条 風(とうじょう ふう)「かおりぃ・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「ありがどぅぅぅぅううう!!!!!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「もう、声、大きすぎ。 ほら、あげるから」
東条 風(とうじょう ふう)「おいしい、おいしいよぉ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「泣きながら食べてる・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「昔から変わってなくてごめんねぇ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「いや、別に気にしないけど・・・」
東条 風(とうじょう ふう)「世話ばかりかけちゃってごめんねぇ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それは大丈夫。 世話焼き、好きだから」
東条 風(とうじょう ふう)「でも、私、決めた! 香にだけに迷惑かけないように、友達いっぱい作る!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「それ、私じゃなくて他の人に世話してもらってるだけだよね?」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「でも、友達は作りたいよね。 まだ高校入学してすぐだから、 友達も全然いないし」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私なんて、風と喋ってばっかりで」
東条 風(とうじょう ふう)「私も! だから、今から友達になれそうな人を探しますっ!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「頑張れー」
モブ子1「あ、可愛いぬいぐるみ! これ、どうしたの?」
西條 園(さいじょう その)「手芸部で見せるんだ~! 私の自信作!」
モブ子2「へぇ、園ちゃんって、凄いね!」
西條 園(さいじょう その)「こういうの、好きなの!」
東条 風(とうじょう ふう)「香、発見しました!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「お、誰?」
東条 風(とうじょう ふう)「西條、園ちゃん! めっちゃ可愛い!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あ、園ちゃん、可愛いよね」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「今まで喋ってきたこと無いタイプなんだよねぇ」
東条 風(とうじょう ふう)「ね、すっごく可愛い」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「あんな可愛い系の人と、 友達になれるかなぁ」
東条 風(とうじょう ふう)「だよね、めちゃくちゃ可愛い・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「・・・風、聞いてる?」
東条 風(とうじょう ふう)「ほんっ、とうに可愛いなぁ・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「駄目だ、もう全然聞いてない。 完全に虜・・・」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「ってか、そんな園ちゃんのこと凝視してたら、変態だと思われるよ?」
東条 風(とうじょう ふう)「香、園ちゃん、めちゃくちゃ可愛いよ!!」
東条 風(とうじょう ふう)「一緒に見よっ!!!!」
南沢 香(みなみさわ かおり) 「私まで変態にしないでっ!!!!」

〇教室
北原 そら(きたはら そら)「あれ、お主、まだ学校にいたのか」
西條 園(さいじょう その)「あれ、そら? まだ帰ってなかったの?」
北原 そら(きたはら そら)「忘れ物をしてしまった。 お主は今日、部活だったか?」
西條 園(さいじょう その)「ううん。 でも、部活のためにぬいぐるみ作りを頑張ろうかなって思って~」
北原 そら(きたはら そら)「家でやれ」
西條 園(さいじょう その)「うぅ、冷た・・・」
北原 そら(きたはら そら)「そういえば、昼休みもぬいぐるみ抱えて へらへらしていたな」
西條 園(さいじょう その)「ニコニコ、してたの! 可愛い女子って思われるために!」
北原 そら(きたはら そら)「可愛い女子・・・。 お主は中学時代から変わらないなぁ。 ずっと女子力を磨いておる」
西條 園(さいじょう その)「うん! みんなには可愛いって思われたいの!」
北原 そら(きたはら そら)「あ~、可愛い可愛い」
西條 園(さいじょう その)「知ってる~」
北原 そら(きたはら そら)「あ~、あざといあざとい」
西條 園(さいじょう その)「あざとくは、ないよ!」
西條 園(さいじょう その)「多分・・・」
北原 そら(きたはら そら)「自信、無くなってやんの」
西條 園(さいじょう その)「中学時代もモテたけど、 高校ではもっとモテたいなって」
北原 そら(きたはら そら)「そして、女子から嫌われると」
西條 園(さいじょう その)「女子は、どうでもいいかなぁ」
北原 そら(きたはら そら)「思いきりがすごい」
西條 園(さいじょう その)「それに環境も変わったし、また一から頑張らないと」
北原 そら(きたはら そら)「恋奴隷100人できるかな、って所か」
西條 園(さいじょう その)「言い方の悪意っ!!」
西條 園(さいじょう その)「だってさぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「好きな人には自分のことを好きになってもらいたいじゃん」
西條 園(さいじょう その)「好きになってから努力しても、 遅いん、ですっ!!」
北原 そら(きたはら そら)「その理屈は少し納得」
西條 園(さいじょう その)「だから、私に好きな人が出来た時は、」
西條 園(さいじょう その)「協力してね、そら☆」
北原 そら(きたはら そら)「報酬次第だな。 金をくれればやる」
西條 園(さいじょう その)「そらも、中学時代から変わらないなぁ・・・」

〇教室
北原 そら(きたはら そら)「ちなみに、気になる人はいた?」
西條 園(さいじょう その)「うーん、グラウンドで部活している人を見てたんだけど・・・」
北原 そら(きたはら そら)「まさかお主、それが目的で教室に残ってたのか?」
西條 園(さいじょう その)「それも、あったかも」
北原 そら(きたはら そら)「うわぁ・・・」
西條 園(さいじょう その)「あ、ついでに、ついでにだからね!」
北原 そら(きたはら そら)「ついでに、ぬいぐるみ作りか。 それで、気になる人は?」
西條 園(さいじょう その)「それがねぇ、見て、あそこ!」
北原 そら(きたはら そら)「どれどれ」

〇白い校舎
東条 風(とうじょう ふう)「ふーっ、ふーっ・・・」
  コーチ「ほら、もう一球!」
東条 風(とうじょう ふう)「はいっ!!」

〇教室
西條 園(さいじょう その)「同じクラスの、風ちゃん!!」
北原 そら(きたはら そら)「あぁ、東条さんか」
北原 そら(きたはら そら)「部活に集中してる姿は、かっこいいな」
西條 園(さいじょう その)「でしょ! 他の男子も見てたんだけど、風ちゃんが一番かっこいいなぁって思っちゃった!」
北原 そら(きたはら そら)「まぁ、わからなくもないが・・・」
北原 そら(きたはら そら)「東条さんは女子だが、大丈夫か?」
北原 そら(きたはら そら)「お主、女子はどうでもいいって言ってたが」
西條 園(さいじょう その)「・・・どうでも、よくなかった」
北原 そら(きたはら そら)「手の平クルクル、 頭クルクルパーだな」
西條 園(さいじょう その)「いいの、今から頑張る! 仲良くなれるよう、最大限頑張る!!」
西條 園(さいじょう その)「あとは風ちゃんが、あざとい女子が平気であることを願う!」
北原 そら(きたはら そら)「自分があざといってことを認めたな」
北原 そら(きたはら そら)「東条さんがあざと女子を平気かどうか、 神様に託すしかないってことか」
西條 園(さいじょう その)「神様なんて信じられないよっ!! 信じられるのは自分だけっ!!!!」
北原 そら(きたはら そら)「頼もしい~」
  後編に続く

次のエピソード:エピソード1 「お喋りしてみたい!」後編

コメント

  • この個性豊かな面々の会話、見ていて楽しくなりますねー。効果音ラッシュも、女子高生特有の騒々しさとマッチしていて華やぎますね!

  • アニメの声優さんが話したらすごく賑やかになりそうな会話の連続でした。一番の理解者として風には香、園にはそらがいるのに、お互いに惹かれ合うのは風と園なんだなあ。そのあたりの不思議な心模様がよく描かれてますね。

成分キーワード

ページTOPへ