不思議多根

オムソル

エピソード1(脚本)

不思議多根

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〇渋谷のスクランブル交差点
  午前11時
  街中でぶつぶつと独り言を言いながら歩いている一人の男がいた。
謎の男「くそっ、まだ競馬でまけちまったぜ」
  男の名前はホリュウ、24歳。
  大学を卒業し、そこそこ名のしれた中小企業に就職したが職場に馴染めず入社して3ヶ月で会社を辞めてしまった。
  今は実家に暮らしながらハローワークにでかけている。
  ・・・というのは表向きの話で実際は親の金を使いギャンブルに明け暮れる日々をおくっていた。
「ん?あれは?」
  ホリュウは道路の向こう側に俺そっくりのもう一人の俺がいるのを見つけた。
ホリュウ「なんだあいつ・・・・・・俺・・・か?」
  ホリュウは思わずその男のもとへ近づいて後から声をかけた。
ホリュウ「あのーちょっといいですか?・・・・・・・・・」
  ・・・・・・男の返事がない。聞こえなかったのだろうか。
  今度はその男の肩を軽く2回手でたたきながら声をかけてみた。
ホリュウ「すみません、少しいいですか?」
  ・・・・・・男の返事がない
  再び返事がなかったのでホリュウは無視されていると思い、おもわず男に強く当たってしまった。
ホリュウ「あの、気づいてますよね?」
  すると男はホリュウの方を向き、少し残念そうな顔で話だした。
謎の男「はぁー残念です。あなたには失望しました」
  男はホリュウとそっくりな声でようやく返事をした。
  いきなりそんなことを言われて腹がたったが、それよりも声まで自分にそっくりだったことの方に私は驚きを隠せなかった。
ホリュウ「というか、あなたは誰なんですか?どうして私とそっくりな姿をしているのですか」
謎の男「それは私はあなただからですよ」
  男はさらりと答えた。
ホリュウ「・・・え?」
謎の男「だから私はあなたですよ」
ホリュウ「あの、言っている意味がわからないんですけど」
謎の男「正確にいうと裏の世界、つまり別の世界からやってきたんです」
ホリュウ「別の世界?(何を言ってんだこいつ?)」
  ホリュウには言っている意味が分からなかった。当然のことだ。
  そんなことが現実世界においてありえるはずがないからだ。
ホリュウ「何ふざけたことを言っているんだお前! 警察を呼ぶぞ!」
謎の男「そんなことをしたら困るのはあなたですよ”ホリュウ”さん」
ホリュウ「おい・・・なんで俺の名前知ってんだよ。一度もお前に名乗ってもないのに」
謎の男「だからさっきも言ったじゃないですか」
謎の男「”私はあなた”だと──」
ホリュウ「(くっ)」
謎の男「さてと、無駄話はここまでにしてそろそろ本題に入りますか」
ホリュウ「本題?」
謎の男「単刀直入に言います」
謎の男「今からあなたは私が元いた世界・・・ つまり”裏世界”に行ってもらいます」
ホリュウ「はぁ!? お前なにいって──」
ホリュウ「・・・・・・あれっ? 頭が重いっ・・・お前っ一体何をし・・・た」
謎の男「それでは私がもといた世界で頑張ってください」
  ホリュウの目の前が真っ暗になった。

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