〇田舎駅のホーム
ハル「アオ、バイト帰りにごめんね」
アオ「・・・」
ハル「この格好、びっくりした？」
アオ「ああ」
アオ「ボトム、短すぎじゃね？」
ハル「気になるところ、そこなんだ？」
アオ「上りの電車が来るまで３分か」
アオ「ハル」
アオ「それに乗って、帰らないつもりだろ」
ハル「なんでわかるの」
アオ「わかるよ」
アオ「田舎って、色々と面倒だもんな」
ハル「・・・」
ハル「アオには本当のこと言わないと、心配させると思って」
アオ「するよ。めちゃくちゃ」
ハル「だよねー」
ハル「ぼくね」
ハル「アオのこと、好きだったよ」
アオ「過去形かよ」
ハル「・・・そうだね、過去形じゃないよ」
ハル「アオの恋愛対象は、女の子だよね」
アオ「ああ」
ハル「だから、これでさよならしよう」
ハル「ぼくは友達だけじゃもう、ダメだから」
アオ「・・・どこまで行くんだ」
ハル「とりあえず、都会」
アオ「・・・わかった」
アオ「俺は見送らない」
ハル「うん」
ハル「いいよ、行って」
ハル「・・・」
ハル「ふ・・・うっ」
ハル「・・・アオ？」
アオ「チャージしてきた」
ハル「え・・・なんで？」
アオ「見送らないって言ったろ」
アオ「俺にハルと離れる理由はない」
ハル「でも、アオは女の子が好きで、ぼくは・・・」
アオ「女の子だろ」
アオ「知ってたよ。お前が中身は女の子だって」
アオ「電車、一緒に乗ろう」
ハル「ア・・・オ」
　　すきだよ。