〇闇の要塞
「真犯人が分かったですって!?」

〇貴族の応接間
三島夏帆「うん。この美少女名探偵が謎を全部解いちゃったよ、刑事さん」
井上啓二「いや、私は交通課勤務で刑事じゃないんですが・・・」
三島夏帆「もお。名前が啓二なんだから良いでしょ。細かいことにこだわらないの」
明智耕助「フッ馬鹿な！この名探偵明智耕助でも解けない謎を、お前みたいな小娘が!?」
三島夏帆「あんたが名探偵なのは名前だけじゃん。仕事は探偵事務所のチラシ配りでしょーが!!」
井上啓二「まあまあ。話を整理しますと、昨晩この屋敷でパーティが開かれ、招待客はみんな宿泊しました」
明智耕助「そして今朝、主の鹿鳴館秀麿氏が亡くなっていた。この屋敷は陸の孤島なので侵入は不可」
三島夏帆「そう。間違いなく犯人は招待客の中にいる」
井上啓二「いや・・・そもそも殺人じゃなく病死の疑いが濃厚ですが・・・」
三島夏帆「だからあ。細かいことにこだわっちゃ駄目だって!!」
井上啓二「別に細かいことでは・・・」
明智耕助「じゃあ、小娘の推理を聞かせてもらおうか」
三島夏帆「エヘヘ。それは明日のお楽しみ」
明智耕助「なんだと!?」
三島夏帆「さあ招待客の容疑者のみなさん！明日の朝まで時間をあげます！あたしが「犯人はお前だ！」って指さす前に」
三島夏帆「自白すれば罪は軽くなります」
井上啓二「ちょっと、勝手にそんなことは・・・」
三島夏帆「言っとくけど、警察や探偵事務所に勤めてるお二人も、容疑者には変わらないからね」
明智耕助「フン。小娘、お前もな」

〇貴族の部屋
「失礼します」
三島夏帆「どうぞ」
君嶋菜月「紅茶をお持ちしました」
三島夏帆「ありがとう。エヘヘ。もしメイドちゃんが真犯人だったら、この紅茶に毒が入ってたりして」
君嶋菜月「そんなご冗談を・・・」
三島夏帆「いただきます・・・ うっ・・・あぁ・・・」
三島夏帆「ガクッ・・・」
三島夏帆「・・・」
君嶋菜月「ですから、そういうご冗談はおやめください・・・」
三島夏帆「エヘヘ・・・」
君嶋菜月「ですが、本当に真犯人がお分かりなんですか？」
三島夏帆「エッ!?分かるわけないじゃん」
君嶋菜月「ハイ？」
三島夏帆「ほら、ああ言っとけば真犯人は自白してくるっしょ」
君嶋菜月「はあ・・・」
三島夏帆「ああ楽しみだなあ」
君嶋菜月「それであの、大変申し上げにくいのですが・・・」
君嶋菜月「実は貴方にお話があるという方がいらっしゃいまして・・・お通ししてよろしいでしょうか？」
三島夏帆「エッ!?早く言ってよ！やっぱ犯人が自白しに来たんじゃん！」
君嶋菜月「それがその・・・お一人ではなく、招待客のほぼ全てなんですが・・・」
三島夏帆「エッ!?どゆこと？」

〇宇宙空間

〇貴族の部屋
容疑者Ａ「私が犯人です。実は鹿鳴館さんにお持ちしたお土産のうどんは蕎麦と同じ釜で茹でておりまして・・・」
容疑者Ａ「それで蕎麦アレルギーの鹿鳴館さんはアナフィラキシーショックを起こしたのだと・・・」
三島夏帆「は、はあ・・・」
容疑者Ｂ「私が犯人です。鹿鳴館さんが読んでる途中のミステリーの真犯人をつい情報漏洩してしまって・・・」
容疑者Ｂ「きっとそのショックで心臓麻痺を・・・」
三島夏帆「は、はあ・・・」
容疑者Ｃ「あいつを殺したのは俺だ！俺なんだ！うわああああああん・・・」
三島夏帆「あっ、あの・・・」
容疑者Ｃ「あいつは右斜め45度で写真撮られるのが好きなのに・・・俺は左斜め60度で撮った写真をネットに挙げてしまった・・・」
容疑者Ｃ「それがショックであいつは・・・俺は取り返しのつかないことを・・・」
三島夏帆「もう何が何だか・・・」
三島夏帆「ふうっー・・・」
君嶋菜月「お加減大丈夫ですか？」
三島夏帆「無理。39人の容疑者の自白聞いてクラクラする・・・」
君嶋菜月「あの・・・大変申し上げにくいのですが・・・40人でございます」
三島夏帆「はいー・・・？」
君嶋菜月「真犯人は私です」
君嶋菜月「ご主人様がいつもお休み前にお飲みになってる持病のお薬があるのですが・・・」
君嶋菜月「私、薬と一緒に水と間違えて紅茶を渡してしまいまして・・・」
君嶋菜月「きっと紅茶と一緒に薬を飲んだから効き目が無くなって持病が悪化したんでしょう・・・」
君嶋菜月「私・・・どうしたら良いのか・・・」
三島夏帆「どうしたら良いか分かんないのはあたしだよお・・・」
三島夏帆「明日、なんて説明すれば良いのか・・・」