No-Bake Cheesecake (脚本)
〇レストランの個室
おもち「『またレアチーズケーキですか』」
おもち「って思ってるでしょ」
おもち「当たり?」
あの・・・その格好は・・・
おもち「セーフク」
それはわかりますけど
おもち「制服デートが憧れって」
おもち「キミが言ってたから」
言ってた・・・かな?
おもち「どやっ、パイセンの制服姿は〜?」
おもち「高校の。まだ着れますよー」
うーん
20代半ば・・・賞味期限はもう・・・
おもち「ん〜?」
おもち「へ〜えぇ〜〜そぉ〜かぁ〜」
おもち「すみませーん」
おもち「ドンペリくださいっ」
ウエイター「かしこまりました」
ちょっ!先輩ぃぃ──!?
おもち「え?今日は奢りでしょ?ケチなの?」
ぐぅ・・・
薄給なの知ってて──
おもち「それで〜?」
おもち「賞味期限切れの先輩に話とは何?」
おもち「賞味期限。 切れててもよければ聞きますけど?」
おもち「賞味期限ッ──」
先輩ッ!ドンペリで勘弁してー!
おもち「ん・・・あとで埋め合わせね?」
・・・それですよ先輩
おもち「?」
話したいこと
おもち「つまりー?」
いつまで続けるのかなって・・・この関係
おもち「この関係というのは」
おもち「『キミが』←」
おもち「一人はやっぱり怖いからって──」
おもち「一緒にラーメン屋さんに行ったり?」
ん?
おもち「一人で映画館は恥ずかしいからって──」
おもち「一緒に観に行ったり?」
んん?
おもち「一人で眠るのは寂しいからって」
おもち「一緒にっ──」
先輩ッ・・・センッッパイッッ
逆です・・・『先輩が』ですッ
おもち「どこを切り取っても」
おもち「キミは嬉しそうに見えたのに」
おもち「・・・やめたいんだ?この関係」
やめたいわけない
おもち「えっ?」
僕は・・・先輩のこと・・・
おもち「・・・」
おもち「ま、まぁ、こんな美女と添い寝でき──」
先輩は──
からかってるだけでしょ?
僕のことは・・・
おもち「ちょっ、何を──」
みんな噂してます
法務のタツモトさん。
先輩といい仲じゃないかって──
おもち「・・・あぁ〜」
おもち「そういうことかぁ」
おもち「ふーん」
みんな言ってますよ
先輩とタツモトさんはお似合いだって
おもち「タツモトさんかぁ」
おもち「イケメンだしー、高学歴だしー」
おもち「それでいてイヤミがなくてさー」
おもち「女の子の扱いもスマートだろうね〜」
ぐぅ・・・
おもち「ふふっ」
おもち「キミには言ってなかったけど・・・」
おもち「実はタツモトさんと先日、食事しました」
な──ッ!?
おもち「妬いちゃう?」
そ、そそ、それで・・・
おもち「さっき言った通り」
おもち「スマートすぎて逆に怖かった・・・」
え?
おもち「・・・」
おもち「ねえ、知ってる?」
おもち「このお店には、 チーズケーキが2種類あるの」
おもち「レアチーズケーキとバスクチーズケーキ」
おもち「バスクの方はね、メディアで紹介されるくらい人気があるんだってさ」
・・・先輩はいつも、レアですね?
おもち「みんな勧めるの。 バスクの方がいいよって」
おもち「でも私が選ぶのは──」
おもち「この優しい口溶けも」
おもち「甘酸っぱい香りも」
おもち「私は好きだから」
先輩・・・
おもち「埋め合わせ・・・」
おもち「期待してるからね」
やっぱり
先輩はズルいな──
あっ、これは本気のキュンなやつですね。しかし添い寝?添い寝だと…おもち先輩ィィィィ!
レアチーズのお預けが過ぎますよ!
うわー、ずっとニヤけてしまってました!
最初に提示されたレアチーズケーキが巧みにラストへと、、おもち先輩に惚れそうです!
コメント欄の高校ジャージエピソードで、何倍も好きになりました!
サクサクしてるのに中身なふんわりしてる口当たりのとても良い作品でした…