格好良い女

孫一

格好いい女(脚本)

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〇森の中
田中「やっぱり良くない。夜は出歩き禁止だ」
綿貫「いや、生の魔獣を見たい」
田中「魔獣に遭遇して大丈夫なのはハンターくらいだろ」
橋本「魔獣ハンター、憧れるな」
田中「お前運動神経悪いだろ」
綿貫「そもそもハンターなんて魔獣を素手でボコれる特別な人しかなれない」
橋本「後方支援部隊になる」
おっちゃん「お前ら何してる! 夜は魔獣が出るぞ!」
おっちゃん「周りを見ろ! 踏み潰された木の根! 噛み砕かれた幹! 動物の腐乱臭!」
おっちゃん「よく平気でいられるな!」
橋本「そういや臭いな」
田中「喋ってて気付かなかった」
おっちゃん「来い、逃げるぞ!」
綿貫「え、マジでヤバい?」
  来た道を振り返った四人。そこには。
魔獣「ギャオォ!」
「そっち!?」
田中「普通森の奥から来るだろ! 何で振り返ったらいるんだ!」
おっちゃん「逃げ道が!」
橋本「森に逃げます?」
おっちゃん「それも危険だ」
綿貫「・・・・・・」
綿貫「うわあ! 魔獣だ!」
田中「遅っ!」
魔獣「ギャガッ!」
田中「綿貫の悲鳴で興奮した! ヤバい!」
ユリ「だっしゃい!」
魔獣「グァッ!」
田中「何だ!?」
綿貫「魔獣がぶっ飛んだ!」
ユリ「全員無事!? ちょっと待ってて!」
ユリ「タイプM-28。ってことは」
ユリ「あと30体はいる」
「グギャァア!」
「うわぁ!」
ユリ「どりゃ!」
橋本(蹴りで大木が折れた!)
田中(それを掴んで)
ユリ「どっせぇい!」
「ガッ・・・・・・」
田中(周りの木々諸共薙ぎ倒した!)
ユリ「環境破壊ごめんなさい! でもこれで視界良好! かかって来い!」
魔獣「グゥ・・・・・・」
田中「豪快な戦法にドン引きして帰ったみたい」
ユリ「聞こえてるぞ少年」
おっちゃん「助かった、ありがとう。あんたハンターか」
ユリ「ハンターの中でも最上位クラスのスーパーハンターさ」
(名前ダサっ)
橋本「格好良い! スーパーハンター最高!」
ユリ「そう? スーパーはダサいと思うけど」
田中(思うんだ!)
橋本「あの、ありがとうございました!」
橋本「俺、ハンターに憧れていたけどお姉さんのガチファンになりました!」
橋本「いつか後方支援部隊に入ってお姉さんを手伝います!」
ユリ「最初から後方支援部隊を目指すとは渋いね」
ユリ「君が来るまで私も頑張るよ!」
ユリ「ところでおっちゃん、夜に子供を出歩かせたら駄目だろ〜」
おっちゃん「俺は近所の住人だ。灯りと人影が見えたから連れ戻しに来た」
おっちゃん「お前ら中町の子供だろ。内緒にしてやるから早く帰れ」
「すみませんでした」
ユリ「君達は私が送ろう。おっちゃん、ありがとう」
おっちゃん「あんたも気を付けて」
ユリ「さてと」
ユリ「君達には私が格好良く見えただろう」
ユリ「でも今日のMVPはおっちゃんだ」
ユリ「君達を見捨てず連れ戻しに来た」
ユリ「それがどれだけ勇気のある行動か、忘れないで。今度昼間に遊びに行きな」
「はい!」
ユリ「お、町の灯りだ。魔獣の気配も無し」
ユリ「私も帰るね! 寄り道するなよ~」
ユリ「バイバイ!」
田中「跳んだ、いや飛んでる?」
綿貫「すげぇ!」
橋本「格好良い!」
  人と違う自分に悩んだ。
  魔獣と戦うのも怖い。
  でも踏み留まる。震えを堪えて立ち上がる。
  だってその方が格好良いからね!

コメント

  • 気持ちのいいワンシーンストーリーですね!
    ユリさんの掛け声がスマートでないところがより親近感を覚えます。別次元の強さだとしても、親しまれ憧れられるヒーローという感じがステキですね!

  • ゆりさんかっこよくて尊敬します👏
    30体もの魔獣を短時間で1人で倒しちゃうし
    子供達にも優しくて逞しくて、おじさんも勿論素晴らしいんですけど、圧倒的にゆりさんが一番強いのに、おじさんが一番だと言える謙虚さも素敵だと思いました☺️

  • 勇気のある真の功労者がおっちゃんであることをちゃんと子供たちに告げるユリは、人間性も含めて全方位でかっこいいスーパーなハンターですね。最初から後方支援部隊一択の橋本くんも渋くていい味出してました。

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