-ガラテア-

ザクロ

エピソード4 「パーティーと、血肉」(脚本)

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〇洋館の一室
  ウィルファの強襲と、外の低気温で疲れ切った心身を睡眠で取りおえて時計を見ると・・・
  「20時41分」、この洋館で開催されるダンスパーティーの開始時刻19分前・・・慌てて起き上がり一階の中央広間へ向かう

〇王妃謁見の間
シルク「もうそろそろ始まるぞアイツは一体なにしているのだ・・・」
  腕を組み、立ったまま貧乏ゆすりをし焦りと文句が止まらないシルク
シルク「・・・やっときたか・・・遅いぞ・・・」
  深く頭を下げて広間にいる人達へ謝罪する
シルク「やめておけ、空気が悪くなるだけだぞ」
  ちいさな声で注意する
  すると、2人のもとにメイドが近づいてくる
メルト「ガラテア様!シルク様!今日もお疲れ様ですっ!」
シルク「お疲れ様、君はもうやることは終わったのか?」
メルト「はいっ!もうご奉仕も何もかも終わっています!」
シルク「わかった、じゃあ君ふくめ他のメイドと執事も少し休んでからパーティーを楽しもう」
メルト「お気遣い感謝いたします!それでは失礼いたします」
シルク「あと10分・・・まだ時間があるな」
シルク「ん?お前、そのキーホルダーはなんだ?そんなのどこから・・・」
  手話で友達からもらったということを伝える
シルク「なるほどな、いい友達を持てたんだな」
ガラテア「♪」
シルク「(一度でも褒めると調子に乗るやつだったな・・・)」
シルク「それにしてもお母様とお父様はいつまでたってもお元気だ・・・」
シルク「さすがだ・・・」
  父、母のかわらぬ健常な姿に感心しているとガラテアがメルトのそばに近寄っていく
メルト「わっ!どうしたんですか」
  メルトにキーホルダーを見せると、どんな反応してくれるかキラキラした目で待つ
メルト「これすごいかわいいですね・・・!しかもこれって非売品だったような」
メルト「とても運がいいですね、ガラテアお嬢様!」
  姉妹みたいに仲がいい2人
シルク「ガラテア、メルト、2人とも「やること」は確認し終えたかい?あと6分で始まるからな」
  2人とも大きくうなずく
シルク「そうか、ならいいな」
シルク「ご来客がいらっしゃったね、さあ2人とも出迎えよう」
  ガラテアは落ち着かない様子のまま、シルクたちについていく
シルク「お待ちしておりました、本日はお足元の悪いなかご来館いただき誠にありがとうございます」
  紳士のようなお辞儀をし、気持ちよく客を出迎える
メルト「皆様にご満足いただけるよう私共も頑張らせていただきますね!」
  目を瞑ってスカートをすねがあらわになるぐらいにまでたくし上げて、足を交差させる
  ガラテアはその場しのぎで見よう見まねでメルトの真似をする
  客もお辞儀をし、上品な足取りで洋館のホールへ歩いて行く
シルク「それでは、私たちもホールへ行こう」
シルク「・・・と、そのまえにわたしは忘れ物をしたので取りに行ってくる」
メルト「かしこまりましたわ〜焦らなくて大丈夫ですので!」
シルク「あぁ、じゃあ行ってくる」

〇書斎
シルク「一応、ガラテアが意思を伝えられるよう紙とペンを用意しておこう」
シルク「メモでもいいか、しかしどこへやったか・・・ん?あったあった」
シルク「よし、これとあと日記は〜・・・やっぱりいいか」
シルク「そういえばあの子供はいま何をしているんだろうか・・・今になって逃げられたのが悔しいな・・・」
シルク「しかもガラテアを狙っていたのも気になるなアイツ1人じゃ何もできないからな・・・不安だ」
シルク「ゆっくりと考えている場合じゃないな、血筋のためにものんのんとしてられん」
メルト「忍び込めたわ・・・無事に」
  なんとメルトは、メイドに化けたゼルヴァであり、シルクのあとをストーカーが追跡するみたいにいつのまにか忍び込んでいたのだ
ゼルヴァ「アイツはガラテアと何かしら一番近い関係を持っていそうだな、じっくり話を聞くとするか」

〇王妃謁見の間
  メルトも、シルクもいなくなって不安が絶えずあたりをキョロキョロしてしまう
  すると、父親のカルシャが頭をぽんぽんと優しく叩いてくれる
カルシャ「はっはっはっ!そう不安がることはないさお父さんもお母さんもいつまでもお前の味方じゃよ」
  不安が消え、一気に明るい笑顔を咲かす
カルシャ「よし、そうと決まればじゃなワシとともにシルクらの戻りを待つとしようではないか」
  大きくうなずいて手を繋ぐ
  ディナー専用の席に座りともに談笑しあう
ソフィア「楽しそうね、お母さんも混ぜてもらうわよ」
  母親も話に参加し、ガラテアの右隣の席に腰掛ける
カルシャ「お前さんもくるとは珍しいのう、最近はワシらは忙しいからなのかのう」
ソフィア「そうね〜わたしたちがこうして話せるのはそう無いかもしれないわね、ふふっ忙しいから」
カルシャ「まぁ、そう言わずに今はとことん楽しもうではないか」
ソフィア「うふふ、そうね」
  パーティー開始2分前・・・

〇古い洋館
シルク「何者だ」
ゼルヴァ「オレたちの計画遂行のためにもお前を捕えさせてもらう!」
シルク「(チッ、あのガキの話題をしといてこれか・・・100%の確率でこの女はアイツの仲間だな)」
シルク「お前のような赤の他人の手柄なんかにはならんぞ、全身全霊で貴様をしりぞける!」
ゼルヴァ「威勢はいいな・・・だが、本当に全身全霊でいいのか?その威勢が命取りになる可能性が高いがな」
シルク「なにを企んでいるんだ?いや、答えを待つ必要はないか・・・はやめに倒させてもらう」
シルク「っ!?」
  一瞬の煌々とした光にひるみ剣をふるう手を止める
ゼルヴァ「怯んだなっ・・・!!!」
シルク「一体な・・・」
シルク「なっ!?」
  突然、後ろから斬撃が襲い左袖を裂かれてしまう
シルク「危なかった・・・お前はあの小娘と同じワープ系の能力を持ってるのか?」
ゼルヴァ「オレの力だあの子とは違うぞ!」
ゼルヴァ「それに・・・ゆっくりしてていいのか?この能力は「一度の攻撃では済まない」ぞ」
シルク「ッ!!??」
  さらに斬撃の回数が増え、思わず焦ってしまう
シルク「チッ・・・!」
シルク「なんのこれしき・・・!」
  顔の左半分を縦に切り裂かれてもゼルヴァに立ち向かう
ゼルヴァ「甘いぞ・・!そんな単純な動きでこのオレを倒せるわけないだろ!!」
シルク「くるっ!」
ゼルヴァ「まずい間合いを詰められた・・・!!この距離では・・・!!」
ゼルヴァ「どうにかして離れなくては!!」
  ゼルヴァとの距離は剣を横に振るえば顔を切り裂ける距離
シルク「甘いのは貴様だ!」
ゼルヴァ「しまった、焦りすぎた・・・!クソッ!!」
シルク「ここでとどめを刺させてもらうぞ!」
ゼルヴァ「させるかっ!」
  斬撃の影が見えた瞬間、ゼルヴァを自身の背後へ投げ飛ばす
「次会うときは・・・その力を極めておくんだな」
ゼルヴァ「貴様っ!!!」
ゼルヴァ「っ!!ま、前が見えない!」
シルク「わざと血を流させたのも計算のうちさ、さあ自分の能力で負けろ!」
ゼルヴァ「ま、まずいっ」
ゼルヴァ「・・・あっ・・・かっ・・・・・・あ」
シルク「分身・・・かっ!本体は一体どこなんだ」
シルク「チッ!今探してしまえば洋館内が狙われるかもしれない早く戻ろう」
  シルクは血をダラダラと垂らしながら洋館の中を走っていった・・・

〇王妃謁見の間
ソフィア「シルク戻ってこないわね・・・メルトちゃんも・・・」
カルシャ「何かあったのじゃろうかワシがみてこよう」
「その必要はございませんよ、父上母上」
カルシャ「シルク・・・!か、顔に血がっ!何があったのじゃ」
シルク「詳しい話はあとでいたします、とりあえず今はここにいらっしゃるお客様の安全を・・・」
  壁に手をついて想像を絶する痛みに顔をしかめる
カルシャ「とりあえずメルトに手当をするよう・・・」
シルク「それがメルトに関しての事なので・・・それを後ほどに・・・」
ソフィア「そうなのね・・・わかったわそれではとりあえずパーティーは延期するわね」
シルク「面目ありません」
  カルシャが一同にパーティーの中止、延期を呼びかける
カルシャ「よし、お客様は皆帰宅なさった話を聞かせてはもらえないか?」
シルク「はい、まず・・・」

〇王妃謁見の間
  急遽、包帯とガーゼで顔半分を覆ってもらい話を頭から尾まで話し尽くす
シルク「ということが・・・」
カルシャ「つまり話をまとめると、敵組織の少女があの部屋でブラックホールを出現させなんらかの理由でガラテアをさらおうとした・・・」
ソフィア「そして、シルクには違う人が計画のためとかいって捕えようと襲いかかってきたのね」
シルク「簡潔にまとめるとそのような流れになります」
  すると、そこにガラテアがやってきて深々と頭を下げて無言の謝罪をする
カルシャ「いいんじゃよ、お前さんもシルクも何も悪くないのじゃ!だから気にせんくてええのじゃよ」
ソフィア「そうよ〜ガラちゃんもお母さんの隣にきて話しましょう」
  ソフィアの隣の席に座り話をつづける
ソフィア「でも、命が失われなかっただけ安心したわシルクくんは正義感強い子だから心配で・・・」

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