幸せ測る女(脚本)
〇高層ビルのエントランス
都内某所 タワーマンションエントランス
莉央「♪〜♪〜。 これをアップロードして!」
華「あら?莉央さん。こんにちは!」
莉央「華さんこんにちは。 今日はお買い物ですか?」
華「ええ。このあと、お部屋で頂いたお茶を貰おうと」
華「ちょっと恥ずかしいけど、莉央さんがこの間、SNSに上げていたコンビニのスイーツを買ってきたのよ」
莉央「うわ、見てもらって嬉しいです!」
華「それじゃまたね」
華(何がインフルエンサーよ。 くだらない。 このマンションに住むのもおこがましい。 下層階がお似合いよ)
莉央(えっと・・・華さん)
莉央(あー、旦那の稼ぎでここにね。 優雅なママキャラのSNSやってるけど・・・。 フォローは1000弱。私のが上ね)
沙莉「あら、莉央さんじゃない?」
百恵「こんにちは~♪」
莉央「沙莉さん、百恵さん、こんにちは!」
沙莉「この間、私のデザインアクセサリー、紹介してくれてありがとね。 お陰様で大反響よ」
莉央「本当ですか? お役に立てて、嬉しいです!」
百恵「流石フォロー1万人超えの人気、インフルエンサー!」
沙莉「また、新しい案件出たらよろしくね」
莉央「もちろんです!」
沙莉(あー、こんな小娘に媚びを売るのが馬鹿馬鹿しくなる!)
沙莉(でも我慢よ! 売上目標を達成するには今はこの小娘を利用しないと! 他の広告は高くて効果ないのよ!)
百恵(おっと、沙莉さんイライラモード。 ここは何にも触れないのが身の為)
莉央(沙莉さん。 デザイナーで独立。 最近は売上低迷ねー。 そりゃ、同じ様なデザインでは飽きるわよ)
莉央(私が居るから助かってるんだから感謝してよね! この間みたいに謝礼少ないなら、私も辞めるわよー。 自力で稼ぐ私が1番よ!)
莉央(百恵さん。 おっとりインフルエンサー。 馬鹿みたいに服脱いで、男性のフォローワーを増やしているみたいだけど・・・)
莉央(はあぁあ!? なんでいつの間に私よりフォローワーが多いのよ! くそ男どもめ! このまま負けてたまるもんですか!)
数週間後
華「莉央さん、ここを出ていったんですね」
百恵「何だかインフルエンサーってお仕事も大変みたいですね」
沙莉「企業案件も減ったみたいで」
沙莉「フォローワーの購入。 自分のサブアカウントによる水増し。 こういうのは犯罪で違反行為なのに繰り返していたみたいで」
華「そうなんですね」
百恵(やばー、早いとこ私も辞めないと。 負けまいと必死になり過ぎた)
沙莉「目の前の数字がそのまま出るのは残酷ね」
キラキラして見える人たちは、やっぱり白鳥みたいに水面下でジタバタしていのものなのかなぁ?
真に優雅に泳ぎたいものです🤤
「若い女性のインフルエンサー」というワードを聞いたときに私がイメージする何となく嫌で何となく怖くて何となく胡散臭い女たちの世界を的確に描いてくださってありがとう。これからもこういう数字が全てみたいな虚構の世界を何となく避けて生きていきたいです!