風が吹いたら、何屋が儲かるの?

ぽむ

オムライスたべたい(脚本)

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〇シックなリビング
ミキト「・・・ ・・・寒い!」
ミキト「おい!オカン! なんで着替えがないんだよ!」
はは「あらミキトちゃん、ゴメンね〜 お風呂入ってたのね お洋服、洗っちゃった〜」
はは「だってここのところ雨で 洗濯物溜まってたでしょ。 天気良かったから、シーツもパジャマも 洋服も全部洗っちゃったわよ〜」
ミキト「どうすんだよ! 俺このままかよ!」
はは「お父さんのも全部洗っちゃったから〜 そうだ! お母さんの着ればいいじゃない!」
ミキト「嫌だよ! 寒いんだけど!なんとかならんの!?」
はは「しょうがないから アロマキャンドルつけといたわよ。 少しは温まるでしよ?」
ミキト「そんなんで温まるかよ! しょうがないから、 ベランダに着替え取りに行くか・・・ 濡れてるだろうけどな」
はは「あら〜そのカッコで〜?」
ミキト「しょーがねーだろー!」
はは「まぁいいわ、 アタシ買い物に行ってくるから 留守番よろしくね〜」
ミキト「ったく なんなんだよ〜 ベランダ見に行くか・・・」

〇団地のベランダ
  カラララン
  
  俺は引き戸式の窓を開けて、
  ベランダに出た。
ミキト「うー、さぶ。 なんでもいいから羽織らないとな・・・」
  ぴゅー
ミキト「うへえ〜 風つえ〜 飛ばされそう」
ミキト「なんか飛んできた!」
ミキト「あー!あぶねーな! 植木鉢が飛んできた!」
  ぴゅー
ミキト「わっ、お金も飛んできた! ラッキー!?」
ミキト「風が吹くと桶屋が儲かるとか 言うけどさ。 本当に儲かるんだな・・・」
ミキト「しかし寒いな・・・ 風が強すぎて、 洗濯物を干したところまで、 たどり着かないよ」
ミキト「窓を開けてたら マドが壊れそうだよ。 部屋の中もヤバいな・・・ 締めとくか」
ミキト「天気はいいのにな。 台風でも来てるのかな・・・」
ミキト「ふんどしか。 うーん、 でも人のは嫌だな・・・ やめておこう」
ミキト「レシート? なに買ったんだよ。 えーと、たべもの?」
  ぴゅー
  ゴロゴロゴロゴロ
ミキト「りんご?」
ミキト「バナナ・・・ さっきのレシートのやつだな」
  ぴゅー
  
  ゴロゴロゴロゴロ
ミキト「今日のメニューは、カレーかよ!」
ミキト「オムライス!やったー!」
ミキト「いや、そんなこと言ってる 場合じゃない! おかしいだろ!」
ミキト「ぬいぐるみにお茶」
ミキト「ワンちゃんとサッカーボール!」
ミキト「菓子・・・」
ミキト「車?」
ミキト「ユリの花?とジュース?」
ミキト「薬?」
ミキト「ロープ?」
ミキト「あぶねーな! 包丁飛んできたぞ! 刺さるやんか!」
ミキト「なんか違う意味で 背中が寒くなってきたぞ・・・」
  びゅうううううう〜
ミキト「わー!爆弾! どうする!?」
ミキト「って、火がついてないや。 ビックリした」
ミキト「そ~と 飛ばないところに隠しておこう・・・」
  ピンポーン
ミキト「そうか母ちゃん でかけてるんだっけ。 このカッコ・・・まあいいや」
  カラララン
  
  ピシャ

〇飾りの多い玄関
  ピンポーン
ミキト「はーい」
ミキト「うち、 いまインターホンが 壊れてるんだよな」
ミキト「なんか怖いな・・・ 丸腰だしな。」
ミキト「少しだけ開ければ・・・」
  ガチャ
はは「あー助かったわー。 風が、めちゃくちゃ強かったの〜。 お母さん、飛ばされそうだったわよ!」
ミキト「なんだよ、オカンか。 なんか怖い人でも 来るのかと思ったし!」
はは「買ったお夕食の袋ごと 飛ばされちゃってね〜」
ミキト「それ、 もしかしてカレーだろ!」
はは「あら、よくわかったわね〜」
ミキト「全部ベランダに置いてあるからな!」
はは「それより、近所のマーくんて 男のコいたでしょ? ほら犬とサッカーが大好きなコ!」
ミキト「あぁ、あのサッカーボールで遊んでて、 近所の窓ガラス割った子だろ」
はは「角のところで 車が飛び出してきて、 轢かれそうだったから、 お母さん、馬鹿力で向かってきた車 ふっとばしちゃったのよ!」
ミキト「オカンが車をふっ飛ばしたんかい!」
はは「その時に 買い物袋ごと、 どっか行っちゃったのよ〜」
はは「お供え用のお菓子とかも 買ったんだけどね〜」
ミキト「じゃあ 薬とロープと包丁とかも オカンが、買ったやつか? あと爆弾!」
はは「あら〜それは知らないわ〜 誰のかしら〜?」
はは「そういえばマーくんが窓ガラス割った、 その家のご主人が お巡りさんに、捕まってたわ〜 なにかしたのかしらねぇ」
ミキト「それだよ! ってことは、あの爆弾は本物?」
はは「爆弾て何の話? そうそう洗濯物を取りこまなくちゃ」
  カラララン
はは「ヨイショッと」
ミキト「ちょっとまて! 俺がやる・・・」
はは「あら何かしらこれ? 新しいアロマキャンドル?」
ミキト「わー それに火をつけたらダメだ!」

〇幻想2
  神「
  アナタは人知れず人を助けるヒーロー
  ビューティーオカン・・・
  
  いつも街の平和を守るオカン・・・
  アナタはワタクシの大事な子どもを
  助けてくれました!
  
  これは今回の報酬です〜
ミキト「は?」
ミキト「くしゅん」
はは「ありがとうございます〜 これからも精進します〜」
  そして、のちに彼が
  
  二代目ビューティーヒーローに
  
  なることは、まだ誰も知らない。

コメント

  • 爆破オチかと思いきや、まさかの二段オチ!笑ってしまいました!
    ベランダに飛んでくる有象無象、それがオカンの話で結びつくとは、、、三題噺みたいですね!

  • あはは!!!!!!😂笑わせていただきました!!!!!!✨色んな物が風に飛んできてすごっと思ったのですが、まさか色々繋がっているとは!!!!!面白かったです✨😊💓

  • 色んなものが飛んできて笑った後で、きちんと伏線を回収するのが面白かったです!

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