余命40年の女

たきち

エピソード1(脚本)

余命40年の女

たきち

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〇レストランの個室
みったん「ちーちゃん、誕生日おめでとう」
ちーちゃん「え──」
みったん「忘れてると思ったでしょ? 実は覚えてたんだよね~」
みったん「20歳の誕生日、おめでとう!」
ちーちゃん「みったん・・・」
ちーちゃん「みったぁぁあああああああああん」
みったん「え、ちょ、待ってどうしたの何で泣くの」
ちーちゃん「(グスン・・・)」
ちーちゃん「だって・・・あと・・・40回しか・・・みったんに・・・こんなこと・・・してもらえないから」
みったん「あと40回って、60歳になったらちーちゃんどうにかなっちゃうの?」
ちーちゃん「・・・死んじゃうの」
みったん「え、マジ!?」
ちーちゃん「・・・たぶん」
みったん「たぶん?」
みったん「え、なんでそう思うの?」
ちーちゃん「・・・勘」
みったん「か、勘!?」
ちーちゃん「だから・・・あと40回しか誕生日できない・・・」
ちーちゃん「そんなのイヤぁぁあああああああ」
みったん「わかったよわかったよ うん、ツラいね、でも1回落ち着いて」
ちーちゃん「(グスン・・・)」
みったん「仮に、仮にだよ? 60歳でちーちゃんが死ぬとして、それでもあと40年もあるんだよ?」
ちーちゃん「でも誕生日は40回しかないの」
ちーちゃん「1年は365日もあるのに、ちーちゃんの誕生日はあと40日しかないの」
ちーちゃん「たったの40日だよ!」
みったん「あーなるほど そうだね、そう考えると少ないかもね」
みったん「そうだな・・・ よし、わかった」
みったん「あと80回しよう」
ちーちゃん「え?」
みったん「100歳まで生きて80回しよう!」
ちーちゃん「みったん・・・」
みったん「オレもちーちゃんのことたくさん祝いたいからさ」
ちーちゃん「でも・・・ でもそれまでにみったんが死んじゃったら?」
みったん「え、あー、んー」
ちーちゃん「せめて70回はしたいよ」
ちーちゃん「ね? せめて70回はしよ?」
みったん「う、うん 70回しよう」
ちーちゃん「ホントに? ホントのホントに?」
みったん「うん、ホントのホントに 約束する」
ちーちゃん「みったん・・・」
みったん「だからほら、涙拭いて」
ちーちゃん「(グスン・・・)」
ちーちゃん「プレゼント開けていい?」
みったん「いいよ 気に入ってくれたら嬉しいな」
ちーちゃん「・・・え、マジ無理」
  fin

コメント

  • 最後バッサリ行きましたねー! 好きだとか愛してるとかってやっぱり表面上のことで、女性はやっぱり現実的だなあと、女のワタシもなんだか納得してしまう結末でした。

  • 微笑ましいバカップルだと思ってたら・・・。やっぱり女の子はどんなにかわいこぶっても現実的な生き物ですから、たとえ余命3日でも気に入らないプレゼントには「無理」と言えるんですよね。

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