真実、現実。(脚本)
〇貴族の部屋
クルン「ジェラン様〜?」
ジェラン「・・・クルン?」
???「起きられましたか?」
ジェラン「うん、着替えたら行く──」
クルン?「駄目です」
ジェラン「・・・え?」
クルン?「君はまだ・・・来ちゃだめなんだ」
ジェラン「──なんで?」
クルン?「・・・」
ジェラン「ねぇ!!返事して!」
クルン?「・・・」
足音が離れていく音がした
ジェラン「クルン!!!!!!」
ジェラン「!?!?」
いつもなら簡単に開くはずの
ドアが開かない
ジェラン「クルーーン!!!!!!!!」
〇病院の診察室
ジェラン「・・・」
ジェラン「・・・あれ、夢?」
ジェラン「違う・・・私は死んでるはず・・・」
医師「ジェラン、起きたか」
ジェラン「どういうこと?」
医師「これを」
ジェラン「手紙・・・?」
〇水たまり
ジェランへ
クルン「『あなたがこの手紙を 読んでいるときには もう私はこの世に いないかもしれません』」
クルン「って、こんな言葉使うとは思わなかったな」
クルン「はじめに、謝らないといけない」
クルン「今書いた通り、僕はもういない」
クルン「君の胸の中に生きてるんだ」
〇病院の診察室
ジェラン「私の・・・胸の・・・」
〇水たまり
クルン「僕は君のため、この国の未来のため」
クルン「必要な犠牲だと思う」
クルン「でも、泣かないで」
クルン「僕はいつでも、君といるから」
クルン「それと・・・もう一つ」
クルン「僕は君の──」
〇病院の診察室
ジェラン「『君の兄』・・・!?」
ジェラン「クルンが・・・私の、兄?」
ジェラン「なんでよ・・・」
ジェラン「なんで何も言わずに逝っちゃうの?」
ジェラン「置いてかないでよ、」
ジェラン「ひとりにしないでよっ!!!!!!」
ジェラン「うっ、うぅっ・・・」
〇城の会議室
「・・・」
魔導師「ジェランちゃんは、 あの結果で満足するのかな・・・」
お母様「分からないわ、 今後の動きは彼女が決めることだもの」
メイド長「そろそろお手紙が渡った頃かと思われます」
お母様「そうね」
お母様「メイド長、 ジェランを呼んできてちょうだい」
メイド長「・・・はい」