明日 英雄が来る前に

ben27

明日 英雄が来る前に(脚本)

明日 英雄が来る前に

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明日 英雄が来る前に
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〇洞窟の深部
  スーツ姿の男(安田)は怪物と戦っていた
  怪物は瀕死の重傷を負い、安田は何食わぬ顔で立っている
怪物A「止めを刺せ 人間」
  怪物の言葉も聞かず、止めを刺すこともなく安田は怪物のもとから去って行った

〇薄暗い谷底
  ネコ(まつ)が安田に近寄ってくる
まつ「安田、早く連絡しろと電話があったぞ」
  しゃがれた声でネコ(まつ)が話した!
安田「はい、引立師の安田、終わりました。もう簡単に仕留められます。はい」
  電話をし終えるとふたりは帰って行った

〇古民家の居間
  安田とまつが家でくつろいでいると、電話が鳴った!?
  まつが電話に出る
まつ「はい、引立屋です ご依頼ですか?」
  まつから安田に電話が渡される
安田「はい、引立師の安田 はい、はい、はい、これからお伺いします」
まつ「誰からの依頼だ 安田」
  安田はまつの問いかけに答えない
  安田は身支度を整えている。
  まつは依頼主を明かさない安田に腹を立てている様子だ
  安田の支度が終わると、ふたりはどこかへ出かけて行った

〇西洋の城
まつ「大きな家だなぁ!!」
安田「城だ」
まつ「ニャー」

〇洋館の廊下
  城の中もさすがの豪華絢爛さである
まつ「誰の城だ?安田」
安田「王様に決まってるだろ!」

〇謁見の間
  ふたりは王の間に通された
王様「君が引立師か?」
安田「はい」
王様「息子を次期国王に相応しいと国民に思わせたい。そのために今、南の町で討伐隊と一緒に怪物退治に行っている」
王様「息子がその怪物を倒せるようにして、息子を英雄にしてほしい。 君はそれができると聞いたが・・・」
安田「はい」
  安田は仏頂面で答える
王様「かなりの大物の怪物らしいが大丈夫か?」
安田「仕事は引き受けるが、問題は王子がどのくらいの腕前なのかですが・・・」
  王様はバツが悪そうに
王様「かなり弱い・・・」
まつ「ニャー」

〇西洋の城
安田「南の町に行くとするか」

〇外国の田舎町
  ふたりは王子を追って南の町にたどり着いた
まつ「あそこに討伐隊が」
  討伐隊の中に王子を発見する
安田「弱いといってもどのくらい弱いのかわからないと、怪物にどの程度手傷を負わせれば倒せるのかわからないな」
まつ「あれはかなり弱そうだな」

〇外国の田舎町
  夜になり討伐隊は野営をしている
  ふたりは王子がひとりになるのを見計らっている
安田「まつ、人間に変化して行ってこい」
  そう安田が言うと、まつはいやいや人間に化けて王子のもとに行った
まつ「手合わせ願おう」
  木の棒を王子の足元に投げ、まつは棒を持ち構えた
  王子はびくびくしながらも棒を拾い構える
  まつは棒を振り上げ王子に襲い掛かる
  まつが振り下ろした棒は王子の頭に直撃した
王子「うぅ」
  王子がいないことに気づいた討伐隊が探しにやってきた
  まつは慌てて逃げかえった
討伐隊「王子!!」

〇外国の田舎町
  まつは隠れて見ていた安田のもとに戻ると
まつ「あの王子は弱すぎる!!」

〇外国の田舎町
  ふたりは、町の人たちに怪物の居場所を聞いて回った
  怪物はどうやら町のはずれの洞窟にいるらしいという情報を入手し、王子と討伐隊が動くより先に夜中のうちに向かうことにした

〇洞窟の入口
  安田は躊躇なく洞窟に入っていく
安田「まつ、お前はどうする?」
まつ「ここで見張っときます」

〇岩の洞窟
  洞窟の奥まで行くと、そこに怪物を発見
  安田はいつもと変わらぬ無表情のまま
怪物B「誰だ!!」
  安田は何も言わず怪物に近づく
怪物B「人間が殺されに来たのか!!」
  怪物が安田に襲い掛かろうとした瞬間
  安田が一瞬先に怪物の顔を素手でぶん殴った
  怪物はぶっとんで岩に体を打ちつける
  間髪入れずに安田は怪物を殴り続ける
  怪物のもう戦意を喪失していた
  安田は手を止めて
安田「明日、お前を倒しに王子が討伐隊と一緒に来る。お前はその王子に倒されろ わかったか!!」

〇洞窟の入口
  安田が怪物を連れて洞窟から出てくる
まつ「こいつですか?」
安田「そうだ」
  ボッコボコにされた怪物
まつ「また、ひどくやったもんだ」
  少しばかり空が明るくなり始めた
怪物B「お前みたいな人間なら倒され・・・」
安田「ダメだ」
  安田はもう一度怪物をぶん殴り気絶させた

コメント

  • 話の設定が独特で、文章も読みやすく、面白かったです。無事王子に怪物が倒されたのか気になりました…しかし、これに似たようなことが現実でもあるかもしれませんね。少し違いますがテレビのやらせなど…

  • 楽しいストーリーでした、短いストーリーの中に内容がギュッと詰まっていて読みごたえがありました。会話のテンポもよくて楽しく最後まで読ませて頂きました。

  • 素手!?って思いました。すごい強さですね!!
    こういう仕事、あったら本当に繁盛しそうというか、あってもおかしくない気がしてきます。興味のわく設定ですね!

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