楽園(脚本)
〇魔王城の部屋
魔王エブリン「はっはっは!」
魔王エブリン「姫をさらってやったわ!」
魔王エブリン「今頃、王国は大混乱だろうな」
ミラ姫「・・・んだけど」
魔王エブリン「えっ?」
ミラ姫「痛いんだけど!」
ミラ姫「運び方、雑すぎ!」
魔王エブリン「ああっ!ごめん〜!」
ミラ姫「ったく!あんたは昔からそうなんだから」
魔王エブリン「仕方ないでしょ。急いでたんだから」
ミラ姫「別にいいよ。急にお願いしちゃったし」
魔王エブリン「驚いたわよ」
魔王エブリン「いきなり「自分をさらってほしい」なんて頼んでくるから」
ミラ姫「だって、あんなやつと結婚したくないんだもん!」
魔王エブリン「ああ、ルーカスね!」
魔王エブリン「魔族を裏で買収して成り上がったクソ王子」
ミラ姫「でも、みんなはあいつを英雄扱い」
ミラ姫「お父様も勝手に縁談を進めて・・・」
魔王エブリン「ひどいわよね」
ミラ姫「あんなやつと結婚するぐらいなら死んだ方がマシ!」
魔王エブリン「感謝してよね」
魔王エブリン「城の警備をくぐり抜けるの、結構大変だったんだから」
ミラ姫「こんなこと頼めるの、あんたしかいないからさ」
ミラ姫「助かったよ。ありがとう!」
魔王エブリン「これからどうするの?」
ミラ姫「どうしようかな」
魔王エブリン「いっそのこと、二人で逃げる?」
ミラ姫「えっ?」
魔王エブリン「実は魔王を引退しようと思っててさ」
ミラ姫「えっ!どうして?」
魔王エブリン「ぶっちゃけ魔王ってやることないし」
魔王エブリン「ほら、アタシって昔から争いごとキライじゃん?」
ミラ姫「たしかにね」
ミラ姫「あの「泣き虫エブリン」が魔王になったって聞いた時は」
ミラ姫「ティーカップをひっくり返したもん」
魔王エブリン「そのあだ名まだ覚えてたの?やめてよ〜」
ミラ姫「正直ヒーローの方がよっぽどタチ悪いよね」
魔王エブリン「ほんとそれ!」
魔王エブリン「「ヒーローになりたいから攻撃してきてくれ」とか」
魔王エブリン「バカみたいな依頼ばっかり!」
魔王エブリン「もううんざりなのよ」
魔王エブリン「アタシはただ穏やかに生きたいだけ」
ミラ姫「あんたって、やっぱり変わってるよね」
魔王エブリン「魔王と話してるあんたに言われたくないわ」
ミラ姫「だって、あたしにとっては幼なじみのエブリンだもん」
魔王エブリン「っ・・・!」
魔王エブリン「まったく・・・」
魔王エブリン「とんだお姫さまだよ、あんたは」
魔王エブリン「まあ、姫ってガラでもないしね」
ミラ姫「おい!」
魔王エブリン「褒めてるのよ」
ルーカス王子「ミラ姫!無事か!」
「なっ!」
ルーカス王子「魔王め!よくも姫を!」
魔王エブリン「ふん!そんな攻撃当たらないわ」
ルーカス王子「くそっ!」
ミラ姫「やめて!あたしが魔王に頼んだの!」
ルーカス王子「えっ?」
ミラ姫「城から連れ出してほしいって、あたしが魔王にお願いしたの」
ルーカス王子「なっ・・・!」
ルーカス王子「そうか!魔王に脅されているんだな」
ミラ姫「えっ?」
ルーカス王子「お前!姫に何をした!」
ミラ姫「違うってば!やめて!」
ルーカス王子「ぐっ!」
魔王エブリン「ミラ、選びな!」
ミラ姫「えっ!」
魔王エブリン「アタシと行くか、こいつと城に戻るか」
ミラ姫「っ・・・!」
ルーカス王子「お前・・・何を言って・・・」
魔王エブリン「このまま一生、あの城に囚われてるつもり?」
魔王エブリン「あんたの人生よ。あんたが決めな!」
ミラ姫「あたしは・・・」
ルーカス王子「くそっ!ベラベラと勝手なことを!」
ルーカス王子「黙れ!」
ルーカス王子「いてっ!」
ミラ姫「黙るのはお前だよ」
ルーカス王子「えっ?」
ミラ姫「魔王に頼みがある」
魔王エブリン「何でしょう、お姫さま」
ミラ姫「あたしを連れてって」
魔王エブリン「かしこまりました」
読んでてめっちゃ楽しい気持ちになりました!!!!!!魔王のエブリンのキャラとっても良いですね!!!(o^^o)エブリンと一緒に自由に旅できてると良いなぁーと思いました!!
エブリンめっちゃ好きです…!二人の関係もとても好き…この後二人が繰り広げるだろう旅もみたくなっちゃいました!
優しい魔王。少しだけ「美女と魔獣」を思い出してしまいましたが、魔王の性別は不明なので、ちょっと切ない恋物語というわけではないのかな。