エピソード2「日常」(脚本)
〇超高層ビル
秩序の街・シェルタータウン。
そこは、かつて非営利団体を運営していたという指導者ドリムの元、秩序と正義をもって統治される街。
暴力の支配するこの時代において、ここは力なき女性たちの最後の楽園と言えるだろう。
──────力なき”女性”たちの。
〇廃ビルのフロア
ガイノイド兵「おい、そっちにいたか?」
ガイノイド兵「いや、見当たらん」
ガイノイド兵「あの性犯罪め・・・絶対に逃がすな!!」
男「・・・行ったか」
男「くそっ・・・何が性犯罪だ・・・ 道を訪ねただけでこれかよ・・・!!」
男「まあ・・・俺みたいなやつ、話しかただけで性犯罪って事なんだろうな」
男「こんな事なら、あの盗賊達についてきゃよかった・・・」
男「・・・」
男「・・・もう、逃げられん」
男「あいつらに捕まって、人間じゃなくなるぐらいなら・・・」
男「・・・人間として、尊厳のある死を!」
???「そうはさせんぞ!!とうっ!!」
ガイノイド兵「見つけた!!捕まえろ!!」
ガイノイド兵「大人しくしろ!!」
男「わああっ!!はなせ!!はなせぇ!!!!」
???「・・・本来なら女性に不快な気持ちをさせた性犯罪は生かしておくな、というのがこの街の正義」
???「だが私はこう考えている!!」
???「例え性犯罪だろうと、心の底から反省するのであれば、罪を償う事ができると!!」
男「な、なんなんだお前は!!」
???「よくぞ聞いた!!!! ご唱和ください!!英雄の名を!!!!」
キャプテンシェルター「アイアァァァム!!!!!!!! スゥゥプァァ!!!!!!!!ヒィィロォォオ!!!!」
キャプテンシェルター「キャプテェェェエン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
キャプテンシェルター「シェェェルタァァアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」
〇明るいリビング
テレビ「こうして今日もシェルタータウンの平和は守られた!!」
テレビ「ありがとうキャプテンシェルター!! これからも女子を困らせるキモいおっさんをやっつけて─────────────」
如月翔太「・・・つまんないや」
テレビ「それでは、明日のお天気は・・・・」
家政婦のミナイ「あら?いいんですか坊ちゃま。いつも楽しみに見てたんじゃ・・・」
如月翔太「他に面白いテレビやってないから、しかたなく見てただけだよ・・・」
如月翔太「それに今日は、なんかあのおじさんかわいそうで・・・」
家政婦のミナイ「・・・坊ちゃまは優しいですね」
家政婦のミナイ「しかし、家の外でそれを言っては・・・」
如月翔太「だいじょうぶだよミナイさん。外ではみんなみたいにするから」
「如月くーん!!学校いこー!!」
如月翔太「あっ、カオルちゃんだ!!」
如月翔太「じゃ、ボクそろそろ学校行ってくる!!」
家政婦のミナイ「お気をつけてくださいね坊ちゃま〜」
家政婦のミナイ「・・・・・・・・・」
家政婦のミナイ(旦那様がお亡くなりに・・・ いえ”殺されて”から5年・・・)
家政婦のミナイ(最近、連中もきな臭い動きが増えてきましたが・・・・・・)
家政婦のミナイ(・・・今日も、何も起きませんように)
〇開けた交差点
カオル「聞いて聞いて!!この間お姉ちゃんから教わった回転連撃ついにマスターしたの!!」
如月翔太「回転連撃って・・・あの回りながらキックとかパンチとかやるやつだよね?」
カオル「そう!もう向かうところ敵なしよ〜!」
如月翔太「・・・あ」
カオル「?」
カオル「どうしたの?翔太くん」
如月翔太「・・・ここ」
〇工事現場
カオル「・・・工事現場よね?たしかアパート建ててるの これがどうかしたの?」
如月翔太「・・・あれ」
カオル「あれ?」
カオル「・・・あっ」
デモ隊の井狩「どうも皆さーん!! 「キモいおっさんから女子を守る市民の会」の井狩と申します!!」
デモ隊の井狩「今日も世の女性を守るためにがんばりましょう!! それでは皆さんご一緒に!!せーの!!!!」
デモ隊の井狩「ブルーカラー職はねぇ!!!!!!!! 人間じゃないんですよぉ!!!!!!!!」
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