二重人格な女

ラム25

想い(脚本)

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〇綺麗なリビング
暦「琥珀、君はほんとかわいいな」
琥珀「もー、誰にでもそんなこと言ってるんじゃない?」
暦「君だけにしか言ってない。本当さ」
琥珀「じゃあキス、して?」
暦「それじゃ目を閉じて・・・」
琥珀「・・・」
  唇を尖らせる琥珀。
  俺は琥珀に静かに口付けをする。
  その時だった。
琥珀「うぎゃああああああああああ!!!」
琥珀「あんた何してくれてんのよ! 大事なファーストキスを・・・!」
暦「しまった、英里か・・・」
琥珀「気安く呼ばないで!」
  俺の彼女・・・琥珀は所謂二重人格だ。
  俺と琥珀は愛し合っているが琥珀のもう1つの人格、英里は俺の事が気に入らないらしい。
琥珀「罰としてマスクメロン奢りなさいよ!」
暦「マスク・・・メロン? 俺の甘いマスクでメロンメロンにすればいいのか?」
琥珀「寒っ! しょうもな! あんたのそういう軽いところが気に入らないのよ!」
暦「俺の愛の重さの前じゃ他の物は軽く見えるだろうなと」
琥珀「あんたは脳味噌も軽そうね」
暦「なに? 俺の溢れるニューロンの集大成を侮辱するだと?」
琥珀「英里、そこまでにしてあげて。 確かに彼はセンスは壊滅的だけど」
暦「フォローになってないぞ・・・」
琥珀「ごめんなさい、英里が。 あなたが一途だってことは誰よりも私が分かってるから」
暦「あぁ、そうだとも。 俺は君だけに視線を注ぎ君だけに愛を囁いてきた」
琥珀「冗談も休み休み言いなさいよ! この間私に抱きついてきた癖に!」
暦「い、いや、あれは英里じゃなく琥珀だと思って・・・! それに英里も琥珀も見た目は同じじゃないか」
琥珀「・・・あなた?」
暦「いや、ちが・・・」
琥珀「なんてね。英里、お願い。今は彼と2人きりにさせて?」
暦「そうだそうだ!」
琥珀「こんな男に体を好き勝手されちゃたまったもんじゃないわよ!」
暦「なにおう、人聞きの悪いこと言うんじゃない! 俺はプラトニックな関係をだな・・・」
琥珀「うっさい! やらしい本隠してる事知ってるんだから!」
暦「ギクッ! 何故それを・・・」
琥珀「ほらやっぱり!」
暦「くそ、カマかけやがったな!」
琥珀「琥珀もこんな変態と付き合うのやめなさいよ!」
暦「うるさい! 引っ込め英里!」
琥珀「あなたもあまり英里に強く言わないで」
暦「う、その、悪かったよ・・・」
琥珀「そういうわけだから英里、今日は見逃して?」
暦「俺からも頼む、英里」
琥珀「・・・なによ、私は邪魔だっていうの?」
暦「いや、そこまでは・・・」
琥珀「もういいわ、そこまで邪魔なら私は消えるわ」
暦「えっ、待ってくれ──」
琥珀「英里ったらすっかり拗ねて眠っちゃった。悪いことしたわね」
暦「英里のツンツンしてるところは好きなんだけどなぁ・・・」
英里「2人して私をお邪魔虫にしてむかついちゃう」
英里「・・・分かってるわよ、あいつが好きなのは私じゃなくて琥珀だってことくらい」

コメント

  • 英里にも思うところがあるようですね😄
    奇妙な三角関係、面白かったです。

  • 人格が入れ替わるんじゃなくてステレオ放送というか二人羽織方式というか、これはつらい。客観的に見ると琥珀より英里の方がお似合いなんじゃないかと思います。

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