箱入り女

篠也マシン

彼のほしいモノが出てくる箱――その中には?(脚本)

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〇綺麗な部屋
私「これがネットで噂の商品ね」
  【商品説明】
  この箱を開けると、大切な人のほしいモノが出てきます。
私「もうすぐ彼氏の誕生日」
私「毎年プレゼントを考えるのが面倒だったし──」
私「これさえあれば楽になりそう」
私「さて、何が出てくるかな・・・」
私「ひっ!」
私「何か動いてる!?」
箱から出てきた女「こんにちは」
私「わ」
私「私!?」
箱から出てきた女「ええ」
私「これって・・・」
私「彼は、物より私がほしいってことか」
私「なんだか照れる」
箱から出てきた女「・・・」
箱から出てきた女「私をよく見て」
箱から出てきた女「あなたとまったく同じかしら?」
私「その髪型・・・!」
私「付き合い初めた時のだ」
箱から出てきた女「その通りよ」
箱から出てきた女「それに──」
箱から出てきた女「これは覚えてる?」
私「前に無くした指輪!」
箱から出てきた女「どういうことか分かるかしら?」
私「つまり彼がほしいのは──」
私「今ではなく、昔の私」
箱から出てきた女「その通りよ」
箱から出てきた女「理由に心当たりはない?」
私「・・・」
私「最近はささいなことで喧嘩ばかり」
私「大切なイベントも適当になってる気がする」
箱から出てきた女「例えば──」
箱から出てきた女「プレゼントを考えるのが面倒になったり?」
私「その通りよ」
「ぷっ」
私「・・・付き合い初めは違ってた」
私「小さなことでも彼に感謝したり──」
私「喜びを共有していた」
箱から出てきた女「うん」
私「昔の気持ち、取り戻してみようかな」
箱から出てきた女「とてもいい考えだと思うわ」
私「髪型を変え──」
私「無くしたはずの指輪を身につけてね」
箱から出てきた女「きっと彼はとても喜んでくれると思うわ」
箱から出てきた女「この指輪──」
箱から出てきた女「あなたにたくす」
箱から出てきた女「彼とお幸せに」
私「ありがとう」
私「あなたのおかげで、大切なことを思い出せたわ」
私「さあ、指輪を私に──」
箱から出てきた女「──あれ?」
箱から出てきた女「この指輪・・・抜けないわ」
私「え」
私「本当だ」
私「どうしよう」
「・・・」
「いいこと思いついた」
???「あ」
???「あ」
???「あ・・・あ」
私?「これでよし」
私?「おっと」
私?「早く行かないと」
私?「彼との待ち合わせに遅れちゃう」
箱入り女「・・・」

コメント

  • うわあ〜!
    これは怖い!どちらかわからないという所もいいですね😭
    確かにマシンさんのホラーって新鮮です
    何でも書けるんですねすごい!

  • カッターナイフが出て来た辺りからイヤ〜な予感が漂ってましたが……あ〜……。
    吹き出しの色で分かるかな?と思って読み返しましたが、水色と赤紫。ラストの赤色はどっちでもないですね……

    いや、でも、同士討ちにならなくて良かった!……と思うことにします笑

  • こっわ😱仲良さげだったのに…。
    昔の自分切ったら、今の自分にも跡が残るんじゃ…とか思ったけど、そもそもそういう類の者ではないのか?
    とか、色々考えさせられるラストでした。
    いや、夜に読むんじゃなかった。面白かったです💖

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