粗末(脚本)
〇黒背景
女「ぅ...うーん...」
女「──!?!?!? こ、ここはどこ!?」
女「わ...私...。 え?何も思い出せない...」
女「な...何?なんか人の声がする...」
女は周りの空間を手で間探った。
どうやら球体の中に閉じ込められているようだ。壁の向こう側からは大勢の人間の声がしている。
──ドンドンドン!!
女「だ、誰かー!!助けてー!!!!」
声「お、おい!!このカプセル、若い女の子の声がするぞ!!!!!!」
女「か...カプセル?私、もしかしてカプセルに入れられてるってこと...?」
・・・──ゴトン。
女「きゃあ!!な、何...今、何か下の方で蠢いたような...」
声「はーい、皆様お待たせ致しましたー!!」
突然、アナウンス越しのような機械音が織り交ざった男の声が室内に響き渡る。
声「本日もやって参りました、リサイクルガチャ!!」
声「年間2万人を超えると言われる自殺者達!!」
声「命を粗末にするそんな不届き者達を捕まえ、リサイクルし、社会の資源にするのがこのリサイクルガチャ!!」
声「ガチャの中身に人権なんてものはございません!!」
声「さぁ、皆様ー!!1回につき10万円となりますこのガチャ!!本日はなんと!!」
声「女子高生が入っておりますー!!」
声「母親には置き去りにされ、父親には殴られ、学校ではイジメを受けたその身体!!ちょっとやそっとでは壊れますまい!!」
声「当たりが出るまで何回引いても大丈夫!!さぁさぁ、今夜も張り切ってガチャりましょうー!!」
女「お...思い出した...。 私...やっと...やっと解放されたと思ったのに...」
女「誰か...お願い、助けて......」
死のうとしたことを後悔するくらい、死ぬことよりも怖いことがこの世にはありうるということですね。お化けや幽霊が出る世界よりも恐ろしいのは人間社会なのだということがスピーディーな展開で端的に表現されていました。これぞまさにホラー。
うわぁ!怖いですね!このあとどうなるのでしょうか。いろいろ妄想を掻き立てられますね!
ガチャの仕組みも怖いですし、ガヤがなるくらいの人数がガチャをしに来ていることも怖いです