エピソード13(脚本)
〇体育館の中
赤縄「あは、あはは、はっはははははは」
ハコ「馬鹿な!? そんなこと、できると思っているの?」
赤縄「できるとも」
赤縄「そのためのプランはすでに完成している」
ナナシ「世界の境界の破壊────」
ナナシ「そんなことをすれば、 かつてないほどの混乱が起きてしまう」
ナナシ「下手をすれば──」
赤縄「『戦争』か?」
赤縄「いいじゃねぇかそれ」
赤縄「なぁ、戦争が起きるとしてよ──」
赤縄「人類同士の 『ツクモ神を奪い合う戦争』か」
赤縄「それとも、 『人類とツクモ神の種族間戦争』」
赤縄「どっちが楽しいと思う?」
ハコ「あなたたちは何のために──」
赤縄「あぁん、復讐って言ってんだろうが」
ハコ「あなたがそんなことを望む程、 人類を恨んでるとは思えない」
ハコ「あなたは、 もっと京楽的な性格だったはず」
赤縄「不快だな──テメェは俺の母親か?」
赤縄「いいからさっさと答えろよ 勧誘の答えを」
赤縄「否か? それとも是か?」
ハコ「無論、否よ」
赤縄「そっちのガキはどうだ?」
ナナシ「────────」
ハコ「ナナシくん?」
ナナシ(戦争──)
ピキリ、ピキリ
ナナシ(頭が・・・・・・痛い)
赤縄「うん? お前は是を選んでくれるのか?」
ナナシ「当然、否に決まっている」
赤縄「ちっ、期待させやがって」
赤縄「なら仕方ねぇな」
赤縄「殺す」
「!」
赤縄「勧誘を断るやつは 殺せって言われてるんでね」
赤縄「安心しろよ、お前ら以外は殺さねぇから」
赤縄「おっと、勿論ハコへの脅しは継続中だぜ」
赤縄「能力を使おうとすれば殺す」
ぼくは静かに銃口を赤縄に向けた
ハコ「ナナシくん! ダメ!」
赤縄「いいぜ、テメーから蜂の巣だ」
赤縄は両手のひらを打ち合わせ、
両手に銃口を想像する
ハコ「ナナシくん!! 逃げて!!」
ナナシ(ゴメン。イフさん、ハコちゃん)
ナナシ(でもぼくは──── 何でかはわからないけど)
ピキリ、ピキ、ピキリ
ナナシ(”この男を────殺したい!!”)
ぼくは引き金に指を掛け────
〇ヨーロッパの街並み
ナナシ「──────」
ナナシ「え?」
気がつけば、見知らぬ街にいた
ナナシ「は? なんで? 『境界』を越えていないのに」
ナナシ「それに────」
「空が見える?」
ナナシ「今までは屋内から出れなかったのに・・・」
ナナシ「ここは──地球なのか?」
貴族「なんだ、こんなところにいたのか」
ナナシ(!? 何だこの人? いきなり話しかけて──)
ナナシ(いや、ぼくの後ろを見ている?)
?「すみません ご迷惑をかけてしまったみたいですね」
?「すぐ行きます」
ナナシ「この人たち、ぼくを挟んだまま会話を」
ナナシ「いや、 ”ぼくが見えてないのか?”」