1章-14.兄との再会②(脚本)
〇おしゃれな教室
橘 優人「タカ兄・・・!!!!」
ユウトはタカ兄の顔を覗いていた・・・
が!!!!!!
起きる気配がない・・・
ユウトは焦った。
ユウトの使った魔法は回復の中では最上位の魔法だ。
なんなら手とか足が無くなったとしても生えてくるくらい凄まじい魔法だ!!
それでも起きない兄のことが心配過ぎていてもたってもいられなかった。
その時!!!!
橘 貴也「ん・・・・・・っ!!!!」
橘 優人「タカ兄!?!?!?」
橘 貴也「・・・」
目を覚ましたタカ兄と目が合った。
橘 優人「タカ兄!!大丈夫!? 痛いとことかない!!!?!?」
橘 貴也「・・・」
橘 優人「・・・!?!?」
橘 優人(あれ!? 目はあってるけど反応ない・・・!?)
橘 貴也「ユウト・・・!?」
橘 貴也「ユウト・・・!?」
橘 貴也「・・・」
橘 貴也「ユウト!?!?!?」
そういうや否やガバッと起き上がり、ユウトの肩をガッシリと掴んで確認してきた。
橘 貴也「ユウト? ・・・・・・!!!!!! ユウトなのか?!」
橘 優人「うん!! ・・・」
橘 優人「あ、会いたかったぁぁっ・・・・・・!!!!!!!!」
半泣き状態のユウトはタカ兄の胸へ飛び込んだ。
橘 貴也「よっ、良かった・・・・・・!!」
橘 貴也「本当に良かった・・・!! すごく・・・・・・心配したんだ!!!!」
そんなユウトをタカ兄は思いっきり抱きしめてくれた。
〇おしゃれな教室
暫くタカ兄に抱きついて泣いていたユウトだが、ようやく落ち着きを取り戻し涙を拭きながらタカ兄から離れる。
橘 優人「タカ兄・・・!!!! 大丈夫!? 痛いところは無い!?」
橘 貴也「いや・いや全く痛くない・・・」
橘 貴也「あれ・・・!?」
橘 貴也「そういえば俺・・・ ゾンビ・・・に、押し倒されたような・・・」
橘 貴也「・・・夢だったのか・・・!?!?」
橘 優人(『魔法使って助けたよ!!』 って言ったら確実に厨二病に間違われるな・・・)
橘 優人(でも・・・・・・)
橘 優人(隠し事するのは嫌だし・・・ なんて説明すれば──)
ユウトがどう説明するかを悩んでいると・・・
「キャーーー!!!!!!」
橘 優人「今のは!!!!」
橘 貴也「悲鳴!?!?!?」
その悲鳴は、学校の外から聞こえたのだ!!
ユウトとタカ兄は急いで立ち上がり、窓の外を覗くのだった。
〇学校の校舎
どうやらゾンビたちから逃げている人たちのようだ。
「グワァーーーー!!!!」
〇おしゃれな教室
橘 貴也「や!! やっぱり夢じゃなかったのか・・・ なら俺は──」
橘 優人(・・・やっぱり隠し事は出来ない!! 最初から全部を話そう!!!!!!)
橘 優人「・・・タカ兄!!」
橘 貴也「・・・ユウト!?!?」
橘 優人「聞いて欲しい話があるんだ!!!!」
橘 貴也「・・・話!?」
橘 優人「・・・うん!!」
橘 優人「僕に何があったのか・・・。 そして・・・タカ兄をどうやって助けてのか!!!!」
橘 貴也「・・・ そうか・・・やっぱり俺は・・・」
橘 貴也「・・・聞かせてくれるか!?」
橘 優人「うん!! ・・・それとね・・・!!!! タカ兄に何があったか教えて欲しいんだ!!!!」
橘 貴也「・・・ああ!! わかった!!!!」
そうして二人はこれまで起こったことについて話し始めたのだった。
〇古い本
ユウトは話し始めた──
急に異世界《ノアン》に飛ばされていたこと──
そこで、魔法が使えるようになったこと・・・
異世界《ノアン》は、時間の流れが地球と異なりおじいちゃんになって老衰になるまで暮らしていたことを掻い摘んで話した──!!
〇おしゃれな教室
橘 貴也「・・・つまり・・・・・・」
橘 貴也「異世界に行って、さっき戻ってきたと言うわけか」
橘 優人「うん!! そうなんだ!!!!!!」
橘 貴也「・・・そして魔法で助けた・・・と・・・」
橘 優人「そうなんだよ!!!! ゾンビたちを魔法で倒して、教室から全部追い出したんだ!!」
橘 優人「そしてこの学校全体に結界を張ったから、学校内のゾンビたちは倒れたまま動くことできないし、」
橘 優人「外からもゾンビは入って来れないんだ!!」
橘 貴也「・・・」
タカ兄は、何とも言えない表情をしていた。
タカ兄は恐る恐る廊下を確認した後・・・
橘 優人「・・・ね!?!?」
橘 貴也「・・・たしかに、廊下の端っこにゾンビたちが積み上がってたな・・・」
橘 優人「魔法信じられないなら見てよ!!!!」
橘 貴也「・・・え!?!?」
橘 優人「【火球《ファイアーボール》】」
橘 優人「【空中飛行《フライ》】」
橘 貴也「浮いた!?!?!?!?!?!?」
そしてユウトは教室を飛び上がって色んなところを飛び回ったあと・・・
タカ兄のところに戻ってきた。
橘 優人「これで信じること出来たかな・・・!?」
橘 貴也「お、おう・・・!! ・・・凄いな・・・!!!!!!」
タカ兄は大混乱を起こしており、納得するまでに少し時間がかかったが・・・
なんとか納得してくれたようだ。
そして、タカ兄に何があったのかの話を始めてくれた・・・