捜査線上な女(脚本)
〇川に架かる橋
俺は今、ある事件の犯人を追っている
捜査で最初に声をかけたのは、真面目そうな男だった
すみません、警察です
三日前の事件について、聞き込みをしているのですが
真面目な男「ああ、ここを走り去る姿を見ましたよ」
真面目な男「たしか、髪が長い女性でしたね」
他には?
真面目な男「う〜ん、夜だったのでよく見えませんでした」
ありがとうございます
そこに、被害者と関わりがある男が来た
関係者の男「なにか分かりましたか?」
いいえ、長髪の女だったとしか
関係者の男「長髪の女? そんな知り合いいませんでしたよ」
関係者の男「それより、彼が証言をしてくれるそうでね」
事情を語る男「初めまして刑事さん」
こちらこそ
で、被害者にどのような事が?
事情を語る男「実は、私の友人――被害者は、私との共通の友人に、けっこうお金貸していたみたいでね」
ほう、それで?
事情を語る男「で、その女がこの人なんですよ」
事情を語る男「昨日、髪をバッサリいってショートに」
ふむ──
ロングの時の写真とかありますか?
事情を語る男「いや〜、そこまで仲良かったわけじゃないし・・・」
事情を語る男「金たかってくるからさ」
そうでしたか、ありがとうございます
関係者の男「て、ことなんだって」
関係者の男「絶対、犯人捕まえてくださいね」
事情を語る男「さっさとその女、しょっぴいちゃってください」
ええ、犯人は必ず捕まえますのでご安心を
これは有力な証言かもしれない
本部に女の素性を探ってもらうか──
酔っ払いの男「おい! 兄ちゃん! なにしてんだ〜」
・・・事件の捜査中です
酔っ払いの男「ああ? 事件だぁ?」
・・・三日前の夜、この辺りを走り去る、髪の長い女を見ませんでしたか?
酔っ払いの男「走り去る女ぁ? 見てねえな」
酔っ払いの男「そん時もそこの居酒屋で飲んでたんだがよぉ」
酔っ払いの男「美味いぞ〜! 特におでんがなぁ──」
ああ、すみません
仕事中なので
酔っ払いの男「なんだ、つまんねえやつだな」
酔っ払いの男「・・・おい、待てよ」
・・・なにか、思い出しましたか?
酔っ払いの男「あいつ、女だったのか」
酔っ払いの男「確かに、走り去る髪の長げぇやつは見たんでよぉ」
と、いうと?
酔っ払いの男「いや、これ言うと兄ちゃんに逮捕されるかもしれねえ セクハラだ〜、とか、なんとか罪で・・・」
・・・大丈夫だと思いますよ
酔っ払いの男「ほんとにか?」
酔っ払いの男「いや、なんて言うかよぉ」
酔っ払いの男「薄っぺらかったんよ、その、ボデーが、な?」
・・・貴重な証言、ありがとうございます
酔っ払いの男「おう、おれ、役に立ったか?」
酔っ払いの男「気分がいいや! 次の酒は美味いぞ〜ぉ」
ふぅ、あんなやつに絡まれるとは・・・俺もツイてねえな
・・・違う! そういうことだったのか!
あの、つかぬ事をお伺いしますが──
自分も女を出さないアイデアを考えたのですが、最後の最後まで出さない手法にはチャレンジできませんでした。タイトルに相違はないですね😆😆😆
○○な女コンテストで女の人を出さないのは意表を突いていて驚きました…!
聞き込みというシチュエーションも、場面の切り替え無しでも物語の動きを感じられて良かったです…!
なるほど!
酔っぱらいのおじさんがいいヒントをくれましたね✨