オーデションの1日前(脚本)
〇高い屋上
ここは宇宙の彼方、水と緑に恵まれた惑星イース星。
全銀河から選抜された美少女たちが、大スターを目指す学校、くれとす学院があった。
明日は、今年最後の期末オーデションだ。
このオーデションに合格すれば、全銀河デビューが約束される。
特進エスクラス、優勝候補のエリートコンビ、木ノ下珠希と神城令美は、明日のオーデションに向けて、最後の練習を行なっていた。
神城令美「珠希、これなら明日のオーディション、優勝間違いなしね!」
木ノ下珠希「もちろんよ、令美、私たち息もぴったり、この日のために頑張ってきたんだから」
〇学校の屋上
木ノ下珠希「痛いっ!!」
神城令美「珠希!どうしたの?大丈夫??」
木ノ下珠希「令美、急に足が!!足首をひねったみたい・・・」
神城令美「どうして・・・珠希・・・大丈夫??」
神城令美「珠希、立ち上がれる??」
木ノ下珠希「全然平気、大丈夫よ!!あいたたた・・・」
神城令美「珠希・・・・・・・・・無理しないで・・・」
木ノ下珠希「こんな大事な時に怪我なんて・・・」
木ノ下珠希「これくらいのけが、何でもないわ」
木ノ下珠希「さあ・・・練習を再開しましょう・・・」
神城令美「珠希のバカっ!!」
〇空
神城令美「ダメよ!!珠希!!今、無理をしてひどくなったら、一生ダンスできなくなるかも知れないわ!」
神城令美「今は、休まなきゃ!休んで怪我を治さなきゃ!!」
木ノ下珠希「いやだ!!今までオーデションで優勝して、デビューすることだけを目指して、二人で頑張ってきたのに・・・・・・」
神城令美「珠希、苦しい時も、楽しい時も、私たちは一緒だよ。珠希、だから今回は棄権しよう」
木ノ下珠希「ごめん、ごめんよ、令美・・・私のせいで・・・せめて令美だけでもオーデションに出場して・・・」
神城令美「そんな、珠希を置いて私だけオーデションに出るなんてできないよ」
神城令美「チャンスを信じて、怪我が治ったらまた二人で頑張りましょう」
木ノ下珠希「令美・・・ごめんなさい・・・」
〇高い屋上
神城令美「珠希、もうごめんなさい、はいいから、さあ、涙を拭いて」
木ノ下珠希「あ・・・ありがとう」
〇空
和多部恵先生「ちょっと、待ったあ!!」
木ノ下珠希「恵先生!?」
神城令美「え!?なに!?」
和多部恵先生「珠希はともかく・・・」
和多部恵先生「令美、あなたの棄権は許さないわ!」
神城令美「なんですって!?」
和多部恵先生「令美、あなたに、クラス替えを命じます。今から私についてきて」
木ノ下珠希「恵先生!!令美はどうなるの??」
和多部恵先生「心配しないで、珠希、令美は大丈夫だから」
木ノ下珠希「大好きだよ、令美、応援してるから・・・」
和多部恵先生「さっ、令美、行きましょう・・」
〇お化け屋敷
神城令美「恵先生・・・ここは・・・」
神城令美「落ちこぼれの生徒が集まる、Zクラス!?」
神城令美「私、まさか、最下位のクラスに転落したの??」
〇ファンタジーの教室
美奈川真流「あんた、誰?」
神城令美「まず、そっちが名乗りなさいよ!」
美奈川真流「俺は、美奈川真流(みながわまる)15歳、ご覧の通り、落ちこぼれのZクラス在籍さ」
神城令美「あなたが、学校いち、態度が悪くて、落ちこぼれの美奈川真流なの?」
美奈川真流「俺のこと、ご存じだとは、光栄だね、エリートエスクラスの神城令美さん」
神城令美「一応、私のこと知ってるんだ、もうエリートじやないけど・・・」
〇屋上の入口
詩殻味萬斎(しがらみまんさい)「そこの生徒ちゃんたち、明日のオーデションでコンビをくみなさい」
神城令美「あなたは??もしかしてくれとす学院校長にして、伝説のプロデューサー、詩殻味萬斎(しがらみまんさい)先生!?」
詩殻味萬斎(しがらみまんさい)「そーです。私が、詩殻味萬斎(しがらみまんさい)です」
美奈川真流「おい、なんだよ、また変な奴が出てきたよ」
〇ファンタジーの教室
神城令美「言っとくけど、あんたも相当変だからね!美奈川真流!」
神城令美「私、帰ります!もうやってらんない!」
美奈川真流「おっ!逃げるんだ〜やっぱ、エリート様でも一晩でダンス仕上がるのは無理かあ〜」
美奈川真流「俺なら、全然余裕で、仕上げるけどな!」
神城令美「なんだと!?この変態!!」
「いいわ!やってやろうじゃないの!!美奈川真流!実力の違いを思い知らせてやるわ!」
美奈川真流「おーこわいねえ〜、いいだろ、見せてもらおうじゃないか、その実力って奴をさ!」
〇屋上の入口
和多部恵先生「校長!才能はあるのに一度も本気出したことのない美奈川真流が、やる気になってます!」
詩殻味萬斎(しがらみまんさい)「わしは、神城令美ちゃんのファンじゃから、令美ちゃんのダンスが見れればそれでいいのじゃ!」
和多部恵先生「えっ!?校長、そこっすか!?」
詩殻味萬斎(しがらみまんさい)「さあ、わしが作った曲、星空トワイライトに合わせて、自由に振り付けをつけてくれたまえ〜」
詩殻味萬斎(しがらみまんさい)「夜空に〜♪ちいさい恒星〜♪(きらきら)ツインクルスタ〜♪いつか輝く〜♪僕たちの星〜♪」
和多部恵先生「このサプライズは、曲に問題がありね!! 不安になってきた・・・」
〇道場
神城令美「かかってきなさい!真流!容赦しないわよ!」
美奈川真流「オッケーのぞむところだ!!俺の実力見せてやるう!!」
オーデション本番まで、あと8時間、果たして神城令美と、美奈川真流は、ダンスを完成させられるのか!?
〇病院の待合室
木ノ下珠希「頑張って、令美・・・私応援してるわ・・・」
オーディション前に怪我とか…かなりついてませんよね。
でも、彼女たちは負けずに立ち向かおうとしてて、すごくかっこいいです!
足のケガに,クラス移動といった災難続きにしんみりしました。校長と和多部恵先生を始め,出てくる登場人物のキャラクターが濃くて面白かったです。
オーデイション前日に、、受け入れがたい事実ですよね。今まで頑張ってきたのに。お互いを思いあうシーンがよかったです。楽しく読ませて頂きました。