英雄親子は名誉を捨てる

筑豊ナンバー

19話「闇の復活」(脚本)

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〇洞窟の深部
ヘリオ・ゴンザリス「クッ!!」
不知火 白夜「どうした?冷や汗かいてるぞ?」
ヘリオ・ゴンザリス「黙れ!!」
不知火 白夜「無駄だ」
ヘリオ・ゴンザリス「何なんだよ?!何でお前まで炎が届かねぇーんだよ?!!」
不知火 白夜「言っただろ?お前の炎は対策済みだと」
ヘリオ・ゴンザリス「はぁ?」
  白夜が対炎魔術に行ったのは大きく三つ。
  一つは糸の補強。
  白夜達アサシンが使用している糸はたとえドラゴンが発する炎で持っても焼き切れない防火性能を有している
  しかしそれを簡単に切られていたのにはシンプルな一つの理由があった。
  それは炎を一点に集中させていたことだ。
  本来バラけさせて敵を焼き殺すのが炎魔術の常套手段だが
  ヘリオはあえて炎を集中させることでその威力を上げ糸を切断していたのである。
  これに対し白夜はまず、無数の糸を粗め会わせることで糸の強度を上げるというシンプルな対策を取った。
  二つ目の対策
  それは場所選びである。
  白夜が対炎魔術に選んだこの洞窟の特徴それは──
ヘリオ・ゴンザリス「なっ!?まさか!!」
  この幻想的にできた差し込む光である。
  光が差しこんで来ると言うことはつまり大小の穴があると言うことだ。
不知火 白夜「「煙突効果」さすがに知ってるみたいだな」
  「煙突効果」
  煙突内の暖められた空気が勢い良く上昇する効果。白夜はこれを利用し炎の流れを操るように変えていたのである。
  加えて空気の流れが悪い密閉された洞窟では炎のエネルギーとなる酸素もすぐに底をつく
ヘリオ・ゴンザリス「だがそれだけで炎の動きを変えられるわけがないだろ!?仕組んだ場所っつってもうまくいきすぎじゃねーか!!」
不知火 白夜「俺達はとある島国出身でな。その国は「和の国」と呼ばれているもの作りを得意としている民族なんだよ」
不知火 白夜「当然俺達、忍のにもその職人の遺伝子は受け継がれている」
ヘリオ・ゴンザリス「糸の配置か?!こんな一瞬で炎の流れを上に変えられる位置に配置してたってのか!?」
不知火 白夜「ご名答!!」
不知火 白夜「答えを出せたお前には復讐の一撃をくれてやる」
ヘリオ・ゴンザリス「あ~・・・今度場所変えてやりあわないか?」
不知火 白夜「終わりだ」
ヘリオ・ゴンザリス「グァア!?!」
不知火 白夜「せいぜい監獄生活でもエンジョイしてな!放火野郎が!!」

〇ファンタジーの学園
アバドン・サルース「うまく行ったなアレックス!」
アレックス・ワトソン「・・・お前が味方なのはわかった。 だがお前の目的がいまいちわからない。 それにその姿はなんなんだ?」
アレックス・ワトソン「なぜ「ミカ」にそっくりなんだ?」
アバドン・サルース「一つ目の質問の答えは先ほど伝えた通りこれから起こる災厄を止める手助けをしてくれればいい」
アレックス・ワトソン「その厄災ってのはなんなんだ?」
アバドン・サルース「その時がくればわかることだ」
アレックス・ワトソン「・・・」
アバドン・サルース「二つ目の質問の答えは簡単だ。 私の姿形は存在しない。 ゆえに私と契約を結ぶむのの愛したまたは愛しているものの姿になる」
アバドン・サルース「貴様に私が実の娘に見えると言うことは貴様が娘を愛しているという証拠だ」
アレックス・ワトソン「なぜ俺なんだ? この世界なら他にも強い奴がいるはずだろ?」
アバドン・サルース「お前の願いを協力したくなった?いや、応援したくなったというべきか」
アバドン・サルース「要するにお前の願いを叶えてやりたくなった。‥すまない。話すの苦手でな」
アバドン・サルース「・・・お前の相棒が来たようだ。一旦消えさせてもらう。後で詳しい説明をする」
石白 星華「アレックス!さすがの腕前だったね。 お陰で人質は全員無事だよ」
石白 星華「ミカちゃんも含めてね!」
アレックス・ワトソン「そうか・・・」
  娘の無事に安心感から頬のちからが抜け少しだけ笑みを思い出した。
石白 星華「あとは応援に来た他の東軍に任せよう。 私達はあんまり表にでない方が良いからね」

〇教室
ミカ「ラン!大丈夫?」
ラン「大丈夫だよ。私の特異体質は知ってるでしょ?」
ミカ「・・・よかった」
ラン「大げさだよミカは!」
  今回の件は明らかに自分が全ての原因だ。
  私さえこの学校にいなければこんなことはそもそも起きなかっただろう。
  私があの時「普通を望んだ」から皆を巻き込んでしまった。
  凄まじい罪悪感に押し潰されそうになる。
東軍の騎士「もう大丈夫ですよ!」
  白石さんが言っていた通り、すぐに東軍の主力部隊が到着したらしい。
  これでひと安心だ。
東軍の騎士「怪我がある人は自分が向います!」

〇アジトの一室
アレックス・ワトソン「出てきて良いぞ。 話の続きを聞きたい」
アバドン・サルース「質問なら時間があるかぎり答えよう。 ただし一つ願いを聞いてほしい」
アレックス・ワトソン「願い?」

〇立ち飲み屋
アレックス・ワトソン「・・・・・・」
アバドン・サルース「ムグムグムグムグ」
アバドン・サルース「ガツガツガツガツ!!」
アレックス・ワトソン「・・・」
アレックス・ワトソン「そろそろ質問しても良いか?」
アバドン・サルース「ゴクンッ!・・・いいよ」
アレックス・ワトソン「結局お前の言う厄災の正体ってのは何なんだ?」
アバドン・サルース「魔王の話は知っているか?」
アレックス・ワトソン「知っている」
アバドン・サルース「なら話は早い。もうじきその魔王が復活するんだ」
アレックス・ワトソン「何だと?!」
アバドン・サルース「君たち対魔教は魔王教会を止めようと動き回っているようだけど連中の目的はすでに達成している」
アバドン・サルース「今さら連中の下っぱをいくら捕まえたところでもう遅いんだよ」
アレックス・ワトソン「なぜそんなことがわかる?」
アバドン・サルース「かつての契約者だからだ。 彼に生前貸していた私の力も契約していた時のように魔王の元に戻ってる。 だからすぐにわかった」
アレックス・ワトソン「・・・魔王を放って置いたらどうなる?」
  のんきにも目の前の料理を込め粒一つ残さず食べ終えると気に入ったのであろう唐揚げを再び注文しアレックスの質問に答えた。
アバドン・サルース「生前にはあったはずの理性が無いようだからな。魔王教会の思惑通り国どころか世界が滅ぶだろう」

〇荒廃した街
「・・・」
騎士「貴様!!何者だ!」
騎士B「お前は!?まさか!!」
「・・・」
クロ「あ~クソ・・・何で俺の嫌な予感はいつも当たるんだろうな?」
クロ(西の国からの連絡が途絶えたんでもしかしたら戦争でもまた始めるつもりなんじゃないかって偵察に来てみりゃ・・・)
クロ(西の国と戦争した方がましだなこりゃ・・・)
クロ「答えてくれよ?元部下の悩みだぞ?「魔王」」
魔王「・・・」

次のエピソード:20話「せめて父親らしく」

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