食品表示は大事(脚本)
〇教室
──ちょっと待って。
皆んな、正気?
土灘 沙真「先生が、お弁当買って来てくれたよー!」
江尾府 来依「やったー!」
土灘 沙真「春休みだけど、入学式手伝いに来た甲斐があったね!」
江尾府 来依「えー、どれにしよう。 全部美味しそう!悩むー」
土灘 沙真「えっと、唐揚げ弁当と、サバの味噌煮込み弁当と、コロッケ弁当・・・」
いやいや、おかしいでしょ。
江尾府 来依「恵はどれが良い? やっぱりコロッケ弁当?」
確かに、私は自他共に認める
コロッケ好きだ。
古炉津 恵「い、いや。 唐揚げ弁当も美味しそうだなって・・・」
思わず、そう言っちゃったけど
それ、中に入ってるの
コロッケじゃなくて
古炉津 恵「タワシ、だよね!?」
土灘 沙真「えーっ。 恵がコロッケ弁当を選ばない訳がない。遠慮してるんでしょ!」
古炉津 恵「いやいや、そういうことじゃなくて・・・」
古炉津 恵「・・・」
古炉津 恵「・・・って言うか、」
古炉津 恵「そもそも、あなた誰?」
古炉津 恵「シレッと仲間に加わって、まるで私の事 昔から知っているようにしてるけど」
古炉津 恵「私、あなたの事、知らない」
江尾府 来依「まぁ、確かにこのサバの煮込み弁当も 魅力的よね。カロリー低いし・・・」
古炉津 恵「そう言いながら、来依も目では コロッケ弁当をガン見している。 牽制してるのが見え見え!」
古炉津 恵「確かに、値札を見ると「アレ」がダントツで一番高くて豪華だ」
でも・・・
──もう、黙っていられない
古炉津 恵「ねぇ。このコロッケ、なんか変じゃない?」
恵は、コロッケ弁当に顔を近づけると、
その左隅にある、食品表示に目をやった。
原材料:タワシの毛
古炉津 恵「・・・タワシの毛!? 衣にタワシの毛を使ってるの!?」
古炉津 恵「・・・って言うか、完全にタワシ、 だよね」
江尾府 来依「あー。 だから、タワシっぽく見えるのね」
古炉津 恵「しっかりタワシに見えてたんかい!」
土灘 沙真「見た目からパンチが効いてるよね!」
古炉津 恵「だから、皆んなタワシに見えてたんかーい!」
古炉津 恵「・・・」
古炉津 恵「って言うか、だから、誰!?」
江尾府 来依「別にタワシでも良いじゃない。 美味しそうだし」
土灘 沙真「うんうん。 原材料に堂々と書いてあるんだし。 なにしろ、この値段!間違いないでしょ」
「・・・」
古炉津 恵「ちょ、ちょっと! 何、勝手に火花散らしているのよ」
江尾府 来依「正直に言う! 私、コロッケ弁当が良い!」
土灘 沙真「私も。 これは簡単には譲れない」
江尾府 来依「・・・こうなったら」
江尾府 来依「ジャンケンで決めるしかないわね!」
土灘 沙真「受けて立つわ」
古炉津 恵「ジャンケンにそれらはいらないでしょ!」
古炉津 恵「・・・でも」
古炉津 恵「こうなったら、コロッケ好きとしては、 参戦しない訳にはいかないわね」
──コロッケ弁当は誰の手に!?
タワシでいいの⁉️
けっきょく誰の手に渡ったのかしら。
そして彼女は誰ですか?🤣
最高です!
え…タワシってわかってて取り合う、の?
面白かったです!😆