エピソード1(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
凛花「ただいま〜」
お母さん「おかえりー」
お母さん「今からケーキの具材を買おうと思っていたの。お留守番してね」
凛花「うん。いってらー」
数十分後
凛花「テレビ見よー」
〇スーパーマーケット
ニュースリーポーター「××市のこざくらスーパーで人が刺されました。被害者は46歳の女性で病院に運ばれましたが死亡が確認されました」
ニュースリーポーター「刺したのは140センチくらいの中学生の女性と思われます」
〇おしゃれなリビングダイニング
凛花「うそ。お母さんじゃないよね」
〇病室
凛花「お母さん!」
凛花「なんで」
凛花「うそ。うそ。うそ」
凛花(そういえばこの市には中学校が1つしかないのよね)
〇おしゃれなリビングダイニング
凛花「夢だといいのに」
〇教室
萩「おはよう!」
凛花「身長何センチ?」
萩「145くらいかなぁ。なんで?」
凛花「ううん。ただ気になって」
萩「ところで明日誕生日だよね!」
凛花「うん」
萩「私も誕生日を迎えたい」
凛花「え〜萩は誕生日昨日だったじゃん!」
萩「えへへ」
萩「そういえば凛花のお母さんのお葬式いつやるの」
凛花「うん?あー明日なんだ」
萩「私も犯人捜し手伝うよ」
凛花「萩ありがとう」
萩「友達だもん!当たり前でしょ!」
先生「もうすぐ授業始めますよ。席について」
凛花「萩また後で!」
〇体育館の中
凛花「2時間目体育かー」
凛花「うわー美湖すごいね。跳び箱めっちゃ上手」
萩「私自分には絶対にできないことされるとちょっとやなんだよね」
萩「跳び箱は練習したらできるけど、永遠にできないこととか言われるとやになる」
〇教室
凛花「結局140センチは2人だけか」
凛花(2人とも親友だからありえないなぁ)
凛花(て言うことは△△市の中学校?)
凛花(あっちの方は10個くらいあって女子中が8個あるんだよね)
凛花(もうむりー)
凛花「はぁ葬式までに犯人見つけたい!」
萩「凛花?どうしたの」
凛花「萩〜」
萩「犯人はこの2人の中にいるはずなんじゃないの?」
凛花「それがね。この2人と仲がいいの〜!」
萩「あらーどれどれ、私、美香子あちゃー本当だ。でも私はね美香子が怪しいと思う」
萩「おとといさー美香子が凛花のこと「うざいよね」「なんなのあいつ」「最悪」とかを言ってたから」
萩「わたしは違うよね」
凛花「うん。萩はグループの中で仲いいから」
萩「私も考えとく。だからもう帰ろ」
凛花「うん。本当にありがとね」
〇川に架かる橋
凛花(あーもう!ムカムカする)
凛花(はぁもうやだ!お母さんどうかヒントをちょうだい!)
その時頭がピコン!となった。やっぱり萩も怪しい。
凛花(萩なら美香子が悪口言ってたって言う、うそも作れる)
凛花(だとしたらなんで殺したんだろう)
〇おしゃれなリビングダイニング
凛花「そういえば萩のお母さんは1年生の頃に死んだんだっけ」
凛花「でもなんでうちのお母さんを殺したんだろう」
凛花(なんでよー。萩なのかな。145センチって言ってたよね)
「ピンポーン」
凛花「萩!」
萩「凛花犯人見つかりそう?」
凛花「ううん。全然」
萩「私△△市の中学校かもって思もってきてさー」
凛花「やっぱりそうだよね。もう諦めようかな」
萩「そうしなよ。私もお母さんを亡くしたから言えるの」
凛花「だよねー。あーお母さんのケーキまた食べたいな。カレーはトローりしてて美味しかったなー」
萩「私そろそろ帰るね」
凛花「うん!じゃあね」
凛花(萩は違うでしょう)
凛花(明日がお葬式・・・ もう無理ー)
凛花(お母さん天国で楽しんでるかなー。会いたい)
凛花(もう永遠にお母さんと会えないもの。何にもできない)
凛花「そういえば2時間目の時、萩なんか言ってたっけ」
〇体育館の中
凛花「2時間目体育かー」
凛花「うわー美湖すごいね。跳び箱めっちゃ上手」
萩「私自分には絶対にできないことされるとちょっとやなんだよね」
萩「跳び箱は練習したらできるけど、永遠にできないこととか言われるとやになる」
〇おしゃれなリビングダイニング
凛花「って言ってたっけ」
凛花「私よくお母さんのこと喋ってたから」
凛花(小学校から、中学まで。だからだからお母さんを殺したの?)
〇川沿いの道
凛花「萩ー!萩!待って!」
萩「なぁに?」
凛花「萩がお母さんのこと殺したの?」
萩「うん!」
萩「お母さんが亡くなるまではあなたの母の自慢なんて気にしなかった」
萩「でもお母さんが死んでからの自慢は嫌になってきた」
萩「殺せば、殺せば自慢しなくなるかと思ったから」
凛花「自慢するのやめてって言えばよかったじゃん!」
萩「あなた馬鹿なの?言っても効果がなかったから殺したんでしょ!」
萩「原因はこっちだけにあると思わないで」
恐ろしい動機ですね、、、ナチュラルな狂気で。自身が話し相手のことをちゃんと慮っているのか、お話すること自体が怖くなりそうです。
親しき中にも礼儀ありっていうのが彼女に少し欠けていたんでしょうか? 殺意まで生まれるのは普通ではないけど、心の傷口を広げられたのだとしたら、少しは萩にも同情します。
たしかに、母親を亡くした友だちの前で、母親の自慢をするってありえないですよね。
でも、だから殺すってことは、あまり考えつかないかなと思います。
読んでて深く感じたお話でした。