俺以外の家族全員、今すぐアイドルを辞めてくれ!!!!

ねこじゃらし

姉貴のライブと親父のライブをハシゴする週末(脚本)

俺以外の家族全員、今すぐアイドルを辞めてくれ!!!!

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〇渋谷駅前
  通学時
真夏「みんな〜!今日も最高のライブにするから、最後までついてきてよね〜♪」
  男子A「うおっ、めちゃくちゃ可愛いな斉藤愛菜!」
  男子B「わかる〜!」
達也(はぁ、憂鬱だ)
達也(朝っぱらから実姉のライブ映像を巨大スクリーンで見ることになるとは)

〇電車の中
  男子A「せめて彼女じゃなくても、あんな可愛い姉ちゃんが欲しかったわ〜」
達也(君らにはわかるまい。あんな姉がいるとどれだけ大変か・・・)
達也(家に帰ったらどうせパシリにされるんだ)

〇可愛い部屋
  帰宅後
真夏「ちょっとあんた、コンビニ行ってプリン買ってきて」
達也「はぁ?自分で買いに行けばいいだろ、そんなの!」
真夏「変装するのいちいち面倒だから!あんた無名の一般人なんだからいいでしょ〜」
達也「なっ・・・」
達也「ったく。へいへいわかりました、俺は無名の一般人ですよ〜」
真夏「そういうことだから、じゃあよろしく〜♡」

〇部屋の前
達也「はぁ・・・」
達也(学校で想像した通りだ、だいたい放課後家にいるとパシリにされる・・・)
沙奈「あ、お兄〜ちょうどいいところにいた〜☆」
達也「げっ、沙奈?」
沙奈「お兄、どうせお姉のパシリにコンビニ行くんでしょ〜?」
沙奈「おねが〜い。ついでに隣町のケーキ屋さん行って新作のスイーツ買ってきて〜♡」
達也「隣町?普通にめんどくさいんだけど・・・」
沙奈「沙奈もパパたちと同じアイドルになったし〜、身バレするのはまずいでしょ〜」
沙奈「ね〜お願い♡」
達也「ぐっ・・・」
達也「・・・わかったよ、買ってくるから。メッセージでケーキの種類送っておいて」
沙奈「ありがとう〜お兄大好き☆」
沙奈(やっぱりお兄ってチョロ〜い☆)
達也「やれやれ・・・」
達也(そう、この家でアイドルなのは姉だけではない)
達也(俺以外の家族全員がアイドルなのだ)

〇街中の道路
達也(結局妹にもいいようにこき使われる・・・)
達也(まぁ一人になれたし気分転換できると前向きに考えよう)
達也(家にいると俺以外全員アイドルだから、業界内の耳にしたくない話も入ってくるんだよな・・・)
達也(それを聞きたくないから夕飯も自分の部屋でとるようにしようとも思ったんだけど)

〇おしゃれなリビングダイニング
萌絵「ちょっとたっくん、ご飯は部屋で食べないで家族みんなで食べましょう」
大吾「達也、もしかして反抗期なのか・・・」
達也「反抗期は中2のときに終わってるから!」
大吾「じゃあ、お父さん達のこと嫌いになったのか・・・?」
萌絵「たっくん、お母さんたちとご飯食べたくないの・・・?」
萌絵「お母さん悲しい・・・うっ」
達也「いや、そういうわけじゃなくて・・・」
じいや「私も悲しいです・・・。食卓は家族全員で囲まれるべきかと。ヨヨヨ・・・」
達也「じいやさんまで悪ノリしないでくださいよ・・・」
達也「あー!だから母さんたちのこと嫌いなわけないでしょ!みんなとご飯一緒に食べるから!」
萌絵「たっくん・・・。よかった、じゃあお母さんたちと一緒に食べましょう♪」

〇街中の道路
達也「過保護というか親バカすぎるんだよなぁ、ウチの親は・・・」
達也(もちろん、今俺が不自由なく暮らせてるのは家族がアイドルとして頑張ってくれてるからだ)
達也(それはわかってるけど)
達也「はぁ、適当にぶらついてから買い物済ませて家に帰ろう・・・」

〇おしゃれなリビングダイニング
  翌朝
萌絵「たっくん、今日はどこか出かけるの?」
達也「うん、今日は行くところがあるから帰るのも遅くなるよ」
萌絵「そうなのね。今日はお姉ちゃんもお父さんもライブあるから帰り遅いのよね」
萌絵「お母さんもお父さんのライブが始まる頃までは仕事だし」
達也(・・・実は俺も行くのだ、そのライブに)
達也(姉貴のライブの後すぐに親父のライブ会場にハシゴしないといけない)
達也(家族全員がアイドルだとイベント被りが頻繁に起こりうる)
達也(でも計画通りに移動すれば問題ないはず・・・)
萌絵「ふふっ、たっくんお姉ちゃんたちのライブに行くんでしょ?」
萌絵「お姉ちゃんにお願いすれば関係者席のチケット貰えたのに」
達也「う、うるさい・・・」
達也(コネを使うのはなんか違う気がして)
達也(俺のプライドが許さないというか)
達也(だから俺はわざわざ毎回チケットの抽選に応募している。あくまで一人のファンとして)
達也「ご馳走様、いってきます」
萌絵「はい、いってらっしゃい」

〇コンサート会場
真夏「みんな〜、今日はきてくれてありがとう〜!」
真夏「今日も私たち一生懸命歌うから、みんな最後までついてきてね♡」
真夏「それじゃあ、次はもっと盛り上がる曲いっくよ〜♪」
達也「うおおおおお!愛菜ちゃん可愛い〜〜〜〜!!!!!!」
達也(はぁ〜なんやかんやで映像でみるよりも生ライブで見た方が臨場感あるなぁ〜)
達也(普段家で見る姉貴とは大違いだ)
達也(・・・あ!姉貴こっちのステージきそう!)
達也「あ、ちょうど俺の前の位置にきた・・・」
真夏(・・・!!)
真夏「ニコッ」
達也(あっ・・・!)
達也(今こっち見て目があった・・・かわいい〜!)
達也「うおおおおお〜〜愛菜〜〜〜〜〜!!!」
達也(とまぁライブ中はこんな風に盛り上がるのだが、家に帰ると実姉に可愛いって叫ぶ自分に猛烈に後悔するのである)

〇大型ホール
達也(やばい、これから親父のライブ会場に行かないと・・)
達也「ん、電話が鳴ってる・・・。もしもし?」
じいや「もしもし、ぼっちゃまですか」
達也「じいやさん!?」
じいや「本日は大吾様のライブの準備を手伝っていたのでぼっちゃまのお迎えには行けなかったのですが」
じいや「代わりに真夏お嬢様がタクシーを手配してくださったとのことです。ちょうどイベント会場を出て真っ直ぐのところです」
達也「本当ですか、それは助かります!連絡ありがとうございます!」
じいや「真夏お嬢さまのほうから連絡が入ってると思うので、そちらをご確認ください。では」
達也「えーっとアプリを開いて・・・」
達也「あ、やっぱり姉貴からメッセージきてる」
真夏「この時間タクシーが混んでてすぐには捕まえられないだろうから、先に呼んでおいてあげたわ。感謝しなさいよね」
達也「忙しいのにありがとう、姉貴・・・っと」
真夏「べ、別にあんたのことなんて見てないんだからね・・・」
達也「はいはい。じゃあ親父のところに行ってくるから」
真夏「気をつけて行ってきなさいよ」
達也「・・・なんやかんやで姉貴も面倒見いいんだよな。ふふっ」
達也「・・・っと、タクシーはあれかな。すみません、乗せてください!」
  タクシーの運転手「どうぞ」
達也「さて、親父のライブに向かおう」

〇巨大ドーム
達也「ハァハァ、このまま走ればなんとか間に合いそうだ」
達也「間に合え〜!」

〇野球場
達也「ふぅ、なんとか間に合った・・・」
達也「それにしてもやっぱりドームは大きいなぁ」
達也「お、そろそろ始まるか・・・!?」
達也「うおおおおおお!頑張れ〜親父〜〜〜〜」

〇おしゃれなリビングダイニング
達也「ただいま・・・」
達也「ふぅ、今日は本当に疲れたな。明日からまた学校だし・・・」
達也「でもまぁ、姉貴と親父が輝いてる姿を見れたのはよかったな」
達也「やっぱりライブって最高だな・・・」
達也(文句を言いながらも家族の出るイベントにはほぼ全部参加する俺も、なんやかんやで大概だよなぁ)
萌絵「たっくんおかえり〜」
達也「ただいま〜。って母さん、もしかしてお酒飲んでる?」
萌絵「うふふ、ちょ〜っと呑んでるだけよ」
萌絵「ねぇたっくん〜。これから先週発売されたお父さんのライブ映像一緒に見ない〜?」
達也「えっ、今日はもう風呂入って寝ようと思ってたんだけど・・・」
萌絵「え〜まだ日曜なんだしいいでしょ〜」
萌絵「それとも・・・たっくんお母さんと一緒にお父さんのライブ見るの嫌?」
達也「いや、嫌ってわけじゃないんだけど・・・」
萌絵「ふふっ、なら一緒に見ましょう♡じいやさ〜ん、ワインもっと持ってきてくださ〜い!」
達也「ちょっ、母さん!体くっつけすぎ・・・」
萌絵「え〜別にいいでしょ〜!うふふ〜♡」
達也(明日英語の小テストあるんだけどなぁ・・・。今日も徹夜かも・・・)
萌絵「あ、そうそう。このライブって確か公演時間4時間越えなのよね〜」
達也「あっ、そういえば・・・」
萌絵「うふふ。たっくん、今夜は寝かせないぞっ♡」
達也「それ、この間のドラマのセリフだよね・・・」
達也(だ、ダメだ。母さんマジで酔っ払ってる・・・)
萌絵「たっくんも普段は勉強で忙しいんだから、休日ぐらいお母さんとゆっくり過ごしましょう〜♪ふふっ」
達也(お、俺がこんなに忙しいのは俺以外の家族全員がアイドルだからだよ〜〜〜!)
達也(か、家族のアイドル活動全部追うこんな生活、体がいくつあっても足りねぇ〜)
達也「家族全員、今すぐアイドルを辞めてくれ〜〜〜〜〜!!!!」
  おしまい

コメント

  • 家族や身内に芸能人がいたら裏話とか聞けて楽しそうなのになあ〜と思っていたけど、達也はそれに対してうんざりしていましたね😂
    ずっと聞きすぎたら嫌になってくるものなんですかね😂

  • 自分以外の家族が芸能人なんて、楽しいよりもやっぱり大変そう。父親と姉のライブに欠かさず顔を出しているうちに達也も関係者から声をかけられてデビューして、アイドルにはなれなくてもテレビレポーターなんかやっちゃって、いつの間にか家族で一番人気者になっちゃったりして・・。などと勝手に想像しちゃいました。

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