第三話 第二のアルカナナシノグ②(脚本)
〇車内
御楽に説明してから出発し、車で現場へ向かう
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「おい、もうちょっと丁寧に運転しろ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「言っただろ、4人被害者が出てんだよ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「気持ちは分かるが交通ルールは守れ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「かたっ苦しい奴だな、黙っとけ! 集中力が削がれる・・・っ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「はぁ・・・。夏海、こんな風にはなるなよ」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「はい! なりません!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「いい返事してんじゃねえ夏海!」
刃郎は助手席に座る夏海を肘で小突く
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「それより刃郎、アルカナナシノグと関連があると言うのは本当か?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「ああ、そいつが自分は第二のアルカナナシノグだと名乗っていたそうだ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「第二のアルカナナシノグか・・・。アルカナナシノグと似ているのか?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「さあな。現場に行って報告を受けてみないと分からねえ」
〇ビルの裏通り
現場に着いて車を降りると、既に監視員と地中調査部隊と見られる警察官が数名集まっていた
〇荒廃したセンター街
人類は地上を異形から逃げるために捨て──
〇未来の都会
──真ん中・・・・・・地中へと潜った
〇地下広場
地中の下・・・・・・地下には生活に必要な電気施設や貯水庫の施設などが存在している
〇ビルの裏通り
地下、地中、地上にはそれぞれ、地下調査部隊、地中調査部隊、地上調査部隊が存在する
彼らは異形の調査を行っており、異形と遭遇する確率が高い、事件の報告をしてくる相手は彼らであることが多い
調査部隊「尾源警部、刃郎巡査長、夏海巡査お疲れ様です」
彼らはその他にも特攻隊としても活躍する。今ここにいるのは地中調査部隊だ。俺達を発見すると駆け付けてくる。
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「状況は?」
調査部隊「被害者は4名です。3名は中身だけ肉がなくなっている状態で発見されました」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「中身だけが・・・? まさか」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「刃郎、心当たりがあるのか?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「ああ、アキノロクロの可能性がある」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「アキノロクロ?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「李神さんがいた頃から取り逃がし続けてる中位異形アキノロクロって野郎だ。人間の中身だけを食って逃走してる」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「アルカナナシノグとは似てねえな。見た目もグロイ。資料で見た」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「爺ちゃんがいた頃? 何年前だ?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「ちょうど40年前くらいだ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「じゃあ俺達は生まれてないのか」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「そんな頃から逃がし続けてるってことは相当やっかいな異形だぞ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「しかも中位異形と言うことは人間に化けていない異形だ。特別上位種と認められてもおかしくない」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「何回か話は上がってるらしいぜ」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「実は仲いいですよね二人とも」
「ああ?」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「何でもないです」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「おい、お前」
刃郎は調査員に掴みかかる
園田 刃郎 ソノダ バロウ「ヤツを見たのか!?」
調査部隊「は、はい。パトロール中だった警官1名が駆け付けた時には3名は食われており──」
調査部隊「異形は被害者1名に寄生しながら警官に攻撃を仕掛け、被害者を人質に取りながら逃亡しました」
調査部隊「逃亡する際第二のアルカナナシノグを謳っていたようです」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「どっちへ向かった!」
調査部隊「向こう側の路地の方へ逃げていきました。念のため調査員2名に追わせています」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「2名の位置情報を送れ、夏海、お前はここに残れ!」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「待て刃郎! 俺も行く!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「テメエはここに残って夏海に指示してやれ!」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「刃郎、相手は特別上位種に近しい相手だ!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「チッ・・・遅かったら置いていくぞ!」