第二話 第二のアルカナナシノグ①(脚本)
〇オフィスのフロア
園田 刃郎 ソノダ バロウ「あ~暇だな~」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「パトロールにでも向かったらどうだ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「最近下位異形の事件ばっかり続いてるからな。俺の出番がねえよな、な、夏海」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「無視するな」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「テメエにゃ話し掛けてねえんだよ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ(相変わらず生意気な奴だ)
尾源 雷介 ビゲン ライスケ(刃郎とは同期で、同じ上位異形・アルカナナシノグを追う者として反発しあう仲だ)
尾源 雷介 ビゲン ライスケ(夏海は休憩中らしい。休憩スペースのソファでスマホにイヤホンを繋いで集中して画面を見ている)
〇応接室
無視された刃郎は飲んでいる途中の缶ジュースを手に席を立って、夏海のスマホを覗き込みながらソファにドカリと座る
園田 刃郎 ソノダ バロウ「誰だそいつ」
夏海の片方のイヤホンを引っこ抜いてから不機嫌そうに言う
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「知らないんですか!?」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「茂陵凌くん、世界中で人気のアイドルですよ!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「し、知らねえけど・・・」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「地上でライブを何回も行ってて命知らずのアイドルって有名なんですよ」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「歌もダンスもできて、何より勇気もあって、かっこいいですよね」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「歌だけでなく行動でみんなに希望を与えてくれてるんですよ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「地上が昔より平和ってことは地中にそれだけ異形が移動してきてるってことだろ」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「う・・・」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「それを逆手にとったアイドルってことだな」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「な、なんなんですか! 凌くんはそんな人じゃありません!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「地上でライブして異形に襲われない、か・・・・・・そいつ異形だったりしてな」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「やめてください! それ以上言ったら怒りますよ! 異形がアイドルなんてする筈ないじゃないですか!」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「チッ・・・」
本気で怒りかけている夏海を見て、からかうことをやめたようだ。刃郎は自分の席へ戻ろうとする
普段刃郎に歯向かってこない夏海だ、刃郎は気まずくなったのだろう
園田 刃郎 ソノダ バロウ「Xxの園田巡査長だ。何があった? ・・・・・・・・・」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「・・・・・・」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「休憩は終わりだ、行くぞ夏海!」
缶コーヒーをゴミ箱に放り投げ、上着を羽織る
夏海も慌ててスマホとイヤホンをポケットにしまった
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「どこに行く気だ刃郎。報告はちゃんとしていけ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「はん、偉そうだな尾源警部」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「刃郎さん、貴方よりは偉いんですよ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「知ってらあ!! お前は黙ってろ!」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「お前が自ら向かおうとするなんて珍しい。どんな内容だった?」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「チッ・・・アルカナナシノグと関連がありそうなんだと」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「何だと?」
そう言いながら立ち上がり、上着を取れば、刃郎はぴくりと眉を動かした
園田 刃郎 ソノダ バロウ「被害者が4人も出てる、行くんなら早くしろ!」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「無人にするわけにはいかない。御楽が休憩から帰ってくるまで少しあるな。刃郎、お前は残ってろ」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「お前が残れ!」
音梨 夏海 オトナシ ナツウミ「あ、御楽さん帰ってきましたよ」
尾源 雷介 ビゲン ライスケ「行くぞ刃郎」
園田 刃郎 ソノダ バロウ「命令すんな!」