18話「新たな武器」(脚本)
〇洞窟の深部
不知火 白夜「・・・」
ヘリオ・ゴンザリス「オイ!オイ!オイ!こんなもんかよ!!英雄様よぉ~?」
不知火 白夜「・・・」
ヘリオ・ゴンザリス「もうボロボロじゃねーか?俺の炎の対策できてるんじゃなかったのかぁ~?」
不知火 白夜「・・・・」
ヘリオ・ゴンザリス「まっ!安心しろよ!お前が死ぬ頃にはちょうどかわいい教え子もあの世に送られてるからよぉ~!!」
不知火 白夜「・・・フッ!ハハハハハハ!!!」
ヘリオ・ゴンザリス「あ?どうした?気でも狂ったのかよ?」
不知火 白夜「いや悪い!俺の教え子がこれから殺されるってんだろ?そりゃ笑うさ!!」
ヘリオ・ゴンザリス「は?」
不知火 白夜「アイツらはそんなやわじゃねぇーよ!!」
ヘリオ・ゴンザリス「やっぱ狂ってんなお前」
不知火 白夜「あともう一つ教えてやる」
不知火 白夜「ここまでは妹を守れなかった事に対するあくまで戒めだ。でもってここからは──」
不知火 白夜「復讐だ!!」
〇教室
カリト・マリス「お嬢さん。君は勇敢だな!」
ラン「いやいや~そんなことないよ!」
カリト・マリス「骨のある若者を見ていると鷲も若い頃を思い出す。 お嬢さん!少し相手してもらってもいいかな?」
ラン「悪いけど私はおじさん趣味は持ち合わしてはいなくてね」
カリト・マリス「いや別にやらしいことしようなんて思っちゃいないから安心するといい。・・・ただ──」
カリト・マリス「本物が出てくるまでの暇潰しさ」
カリト・マリスが取った行動。
それは拷問だった。
ラン「ウァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」
ミカ「ラン!!」
カリト・マリスはランの親指を逆間接に折った。得ない方向に曲げられた指の激痛に余裕のあったランの表情が悲痛に染まった。
カリト・マリス「この状況で名乗り出たのは褒めてやろう。 先ほどまでの図太い態度も褒めてやる」
カリト・マリス「だが、貴様が英雄ではないことはすでにわかっていた」
カリト・マリス「これから1分後とにこの生徒の指を1本ずつ折っていく。止めてほしければ姿を表せ魔王殺しの英雄!!」
ミカ「・・・」
このまま行けばランの体に後遺症が残る可能性がある。何よりこれ以上私のために親友を苦しませたくない。
カリト・マリス「さぁ!1分たったぞ!」
ミカ「待ちなさい!あなたの目的は英雄への復讐なのでしょう?だったら!!」
ラン「フッハハハハハハハハハハハハ!!!!」
ミカ「・・・ラン?」
ラン「いやーまさかここまで騙されるとはね!!」
カリト・マリス「何?」
ミカ(そうか!そうだった!! ランは──)
ラン「ミカ!木刀!!」
ミカ「わかった!」
ランは投げ渡された木刀を構えると目の前の魔王教徒に殴りかかった。
邪教徒「ぐっ!?」
邪教徒「ガハッ!!」
ラン「形勢逆転だね!」
カリト・マリス「なぜだ?指は確かに折れたはずだ!剣なんてまともに持てるはずが!?」
ラン「私は・・・いや私のご先祖様は代々身体中の間接を自由に外せる体質でね。少しばかり痺れたけどこのくらいなら問題ないんだよ」
カリト・マリス「なら!これはどうだ!!」
ラン「そんなのとっくに見きってるよ。当たると思ってるの?」
カリト・マリス「フッ!後ろを見てみろ」
ラン「クッ!」
カリト・マリス「貴様が避ければ貴様は助かるが背後の生徒を見殺しにすることになるぞ!さぁ!選べ!!」
無数の空気の刃がランを襲った。
交わせば自分は助かるが背後のクラスメイトを何人も犠牲にすると言う実質的な人質を取られたせいで動けないようだ。
「やれやれ。子供相手にそこまでやるかね。 まぁ私も人の事言えないけどさ」
カリト・マリス「貴様は!?」
ミカ「石白さん!!」
石白 星華「良く耐えたね皆!あとは私達が美味しいとこ持ってくよ!」
カリト・マリス「この裏切り者が!!」
石白 星華「アレックス!そこから見て目標は三階際右翼の教室の更に最右翼だ!!」
〇ファンタジーの学園
アレックス・ワトソン「了解」
〇教室
カリト・マリス「なっ!?」
石白 星華「すごいだろ私のバディは。こっちから見えないぐらい遠い位置から狙ってるのにしっかり急所は外してるだよ?」
カリト・マリス「くっ!殺せ!裏切り者が!!」
石白 星華「悪いがそれは出来ない」
石白 星華「子供達の前で致命傷を折った敵を殺しすわけにはいかないからね」
カリト・マリス「クソ・・・が・・・」