ツクモ戦記

竜谷 晟

エピソード9(脚本)

ツクモ戦記

竜谷 晟

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〇ショッピングモールの一階
クロス「いらっしゃいませ。 本日はどのような御用でしょうか」
クロス「申し訳ありませんが、ハムラ様は今、 調べ物のために席を外していまして」
?「あぁ、それは大丈夫。 そうね、とりあえずは──」
クロス「!?」
?「凄いわね、その守り」
?「私が攻撃する前に自動で発動するなんて」
クロス「い、一体何を────」
?「けどそれ、攻撃以外は普通に通すみたいね」
クロス「え?」
クロス「あ──────」
クロス(何これ・・・・・・意識が──)
クロス(暗、く)
ハムラ「戻ったぞ、悪い予感が当たった あの少年は────」
?「あら、少し遅かったわね」
ハムラ「お前、何をしている!!」
?「あら、理性的なのね 殺しにかかってくるかと思ったけど」
?「本当に助かったわ お願いね”クロスちゃん”」
クロス「────」
ハムラ(クロスが指をコチラに向けて────)
ハムラ「しまっ」
ハムラ「クロスは十字架のツクモ神」
ハムラ「その能力は ”指をさした相手を見えない十字架で 拘束する”」
?「十字架は大罪人を拘束するモノであり」
?「邪悪から身を守るモノであり」
?「悪しき存在を滅するモノでもある」
?「3つの強力な能力を持つツクモ神なんて 本当にすごいわよね」
ハムラ「お前は────誰だ?」
ハムラ「私は全てのコミュニティのツクモ神を 記憶している」
ハムラ「だが私はお前のようなツクモ神を知らん」
?「えぇ、初めましてよ」
?「よろしくしてくれると嬉しいわ」
ハムラ「────────まぁいい」
ハムラ「お前を捕まえて聞き出せばいいことだ」
  ピキリ、ピキリと
  ハムラの背後の見えない十字架に
  ヒビが入る
ハムラ「この程度で── ”俺”を拘束できると思っているのか?」
?「思っていないわ」
?「だからこうするの」
ハムラ(クロスの口から────大量の血液!? まさか、)
ハムラ「舌を、噛ませているのか」
?「えぇ、かなり深めに」
?「貴方がそれ以上、 ほんの少しでも 見えない十字架を破壊したら」
?「クロスちゃんには、 ちょっと苦しい自殺をしてもらうわ」
ハムラ「キ──サマァ!!!!」
ハムラ「・・・・・・目的はなんだ」
?「話が早くて助かるわ」
?「私たちの欲求は『要注意リスト』よ」
ハムラ「何のためにそんなものを」
ハムラ「ちょうど今、写しが一枚ある そこのベンチの上だ」
?「あら、随分とタイミングが 良かったみたいね」
?「それにしても、 本当にこの子が大事なようねぇ」
ハムラ「さっさと失せろ、外道が」
?「そうさせてもらうわ、クロスちゃんは私が一定距離離れると解放されるから、 それまで拘束は抜け出さないでね」
?「ところで外道って言ったけど 外れているのは人の道かしら? それともツクモ神の道かしら?」
  そう言い残した女は、
  入ってきた時と同じようにあっさりと
  出口から出ていった
ハムラ(──あの女、私”たち”と言っていたな)
ハムラ(どこの誰かは知ねぇ──どうでもいい)
ハムラ「必ず、後悔させてやる」

〇黒
?「ただいま帰りました」
?「お帰りなさい、成果はどうかね」
?「『要注意リスト』はこの通り」
?「けどあそこの化け物には 随分恨まれてしまいました」
?「へぇこいつが件のリストか」
?「鎖鎌、スピーカー、鏡、自動車、ギロチン オルゴール、槍、天秤、トランプ、城 筆、釘、甲冑、試験管、招き猫───」
?「ははは、 面白そうなのが揃い踏みじゃねぇか」
?「────あん?」
?「どうかしたか?」
?「いや、こいつだけ何のツクモ神か 書いてねぇんだよ」
?「能力も書かれてねぇし」
?「名前も──『ナナシ』」
?「ってコレ、ふざけてんのか?」
?「ほう、それはまた興味深いな」
?「所属は?」
?「あー、まじか『夜の体育館』だ」
?「ふむ、そこは確か──」
?「俺が前にいたコミュニティだな」
?「まぁ、 ”一人殺して出て行っちまった”けどな」

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