異常気象のつくりかた(脚本)
〇テレビスタジオ
お天気キャスター「──今日は全国的に快晴、お出かけ日和となるでしょう」
〇東京全景
〇東京全景
〇開けた交差点
母親「あら嫌だわ。 予報では晴れって言ってたのに」
子供「ねえお母さん、どうしてお日様が 出てるのに雨が降ってるの?」
母親(うっ。私、理科苦手だったのよね)
母親「ええっと、それはね・・・」
〇東京全景
母親「晴れの神様と雨の神様が、お空で喧嘩してるからよ!」
〇空
〇雲の上
晴「どうしてくれるんだい、雨? 今日はオレの担当だっただろう!」
晴「これじゃあShinyでBalmyなオレの愛が 最大限地上に届かないじゃないか!」
雨「ぐすん。だって、割り箸が 上手く割れなかったんだもん・・・」
雨「その上、晴兄にも難癖つけられて・・・ やっぱり人生は悲しい事だらけ・・・」
晴「泣きたいのはオレの方だよ!?」
晴「キミは明日の担当なんだから、 それまで我慢しておくれ!」
雨「悲しみは我慢なんかできないのに、 晴兄の理不尽・・・」
雨「辛い・・・辛すぎる・・・」
雲「晴くん、雨ちゃん、喧嘩はやめてちょうだい」
雲「そろそろお母さん怒りますよ~?」
雲「やっぱり「アレ」を着ないとダメねぇ。 困ったわ~」
雲「どうしましょう、空さん」
雲「・・・空さん?」
空「・・・」
えらい神様の遣い「と言うわけダ! この機に勤務姿勢をしっかり見直セ!」
空「ま・・・」
空「またかあああああああ!!!!」
〇草原の一軒家
〇西洋風の部屋
空「ではこれより──」
空「十万飛んで415回目の家族会議を始めます!」
「はーい」
はーい
雨「雪・・・またそのぬいぐるみで リモート参加・・・?」
「ぬいぐるみ」じゃなくて
「スノー・メン3号」だってば!
かっこいい名前があるんだから
ちゃんと覚えてよね
晴「はぁ、相変わらず ネーミングセンスがBadだね」
晴「引きこもってばかりだからかい?」
だ・ま・れバカ兄貴。
これでもやることがいっぱいあるんだ
っと、早速──
よっしゃ、レベル最大!
「ゲームじゃん・・・」
雲「まあまあ2人とも。 雪くんも気を遣ってくれてるのよ」
雲「ほら、あの子が部屋から出ちゃうと それはそれで大変でしょう?」
空「──コホン!」
空「そろそろ本題に移っていいかな?」
空「今日の議題は──」
晴「いつものroutine、 来週の天気の担当発表ですよね?」
毎回思うんだけど、こんな会議開く必要ある?
紙にでも書いて配ればそれで終わりじゃん
雨「雪が反抗的・・・悲しい・・・」
空「だから好き勝手に喋らないでってば! あと僕のセリフを奪わないで!」
空(どうしてこんなに上手くいかないんだ。 自分の息子と娘なのに・・・)
雲「空さん、落ち着いて。はい、お水」
空「ありがとう、ついでに頭痛薬も貰えるかい?」
空「ごくごく・・・」
空「ふぅ」
雲「大丈夫よ、 話せば子供達もわかってくれるわ」
空「ううっ、心の支えは君だけだよ・・・」
空「いいかい、3人とも」
なに?
空「まず何度も言ってる通り、この会議は 自由すぎる君たちに少しでも話を 聞いてもらうための会です」
空「よって今後も続行します!」
晴・雨・雪「えー」
空「うっ、そんなあからさまに 嫌そうな顔しないで!」
空「次に今回は、えらい神様から この手紙が届きました!」
雨「『天気をちゃんとして』・・・ これ、守らなかったらどうなるの?」
空「お父さんがものすごく怒られます!」
空「だから担当じゃない日にヘアセットが 上手くいったからとハイテンションで 駆け回って晴れにしたり・・・」
空「お菓子の袋を上手く開けれなかったと 涙を流して雨を降らせたり・・・」
僕は何もしてないけど。
空「・・・」
空「とにかく担当以外の日は 大人しくしていてください!」
空「スケジュール守ってね! お父さんの頭痛のために!!」
全員「・・・はーい」
〇雲の上
〇雲の上
〇雲の上
雨「今日は私・・・」
雨「ああっ、お姫様が王子様を守って・・・ 悲しい・・・」
〇東京全景
〇西洋風の部屋
晴「お父様にも言われたし、 静かにしてるんだよ」
僕はいつも静かだけど?
〇男の子の一人部屋
雪(うるさいのは兄さんと姉さんじゃん)
雪(外に出ると雪が降るから、僕はいつも 部屋で大人しくしてるっていうのに)
雪(これじゃ完全なとばっちりだよ)
雪(ま、お陰で外が静かなのは 願ったり叶ったりだけどね)
雪「おっ、レアアイテムゲット~♪」
〇黒
──6日後
〇テレビスタジオ
お天気キャスター「本日の天気は曇り」
お天気キャスター「雨の心配はなさそうですが、 一日中どんよりとした天気になるでしょう」
〇雲の上
雲「今日の担当は私ね~」
雲「んじゃ、いっちょやってやろうかね!」
〇開けた交差点
通行人1「嫌な天気だな。雨が降らなきゃいいんだが」
通行人2「大丈夫だろ。 最近は天気予報よく当たるし」
〇西洋風の部屋
空「うん、今のところいい感じだ」
空(ここ最近、ちゃんと計画通りの 天気になってる)
空(みんな、やればできるじゃないか!)
空「このまま上手くいってくれ・・・」
???「邪魔するでー」
風「久しぶりやなあ、空おじさん」
空「か、風ちゃん? どうしたんだい、突然訪ねてくるなんて」
風「いや、お上からありえへん量の 書類渡されてな」
風「空おじさんなら助けてくれるかもって 思ったから、来てみたっちゅーわけ!」
空「つまり僕に書類の処理を 手伝わせたいってことか・・・」
雨「ダメだよ、風ちゃん・・・お父さんは今、 うちの事で手一杯だから・・・」
風「そうなん? んじゃ、仕方ないな・・・」
風「代わりに──晴に手伝ってもらおか!」
晴「はぁぁああああ!?」
晴「何でオレがキミを手伝わなきゃ ならないんだい!?」
風「いいやろ~? かわいい幼馴染みの頼みやん」
晴「それは何かの冗談かい!? 「かわいい」というのはCuteでCoolな 猫ちゃんの事をいうんだよ!」
晴「断じてキミのような Violenceモンスターの事じゃ──」
風「ああん?」
「ちょ、待っ・・・」
〇開けた交差点
通行人1「ん? 風が強くなってきたな・・・」
通行人2「今日は早く帰ったほうがよさそうだ」
〇西洋風の部屋
晴「大体キミはいつもそうだ! 自分の都合で他人をBatみたいに振り回す!」
風「他人じゃないわ晴だけやろ!」
晴「余計悪いじゃないか!」
空「ふ、2人とも落ち着いてよ~」
雲「ギャーギャーうるさいと思って 来てみれば・・・」
雲「アンタら何ケンカしてんだゴルァ!?」
風「ちょ、割り込んでこんといてや!」
空「雲まで~!?」
〇男の子の一人部屋
雪「ふんふんふ~ん♪」
風「いいやんちょっと手伝うくらい!」
晴「キミのちょっとはちょっとじゃない!!」
雲「静かにしろっていってんだろ! これ以上空を困らせんじゃねぇ!」
雪「(イラッ)」
雪「これでよし、と」
〇西洋風の部屋
風「もう我慢できんわ! 根性たたき直したる!」
晴「ああっ、オレのBeautifulな顔が!」
晴「そっちが気なら・・・!」
風「いった! なにすんねん、いたいけな乙女に!」
雲「いい加減にしろやゴルァ!!」
〇男の子の一人部屋
ドタッ バタッ
ドド バタタタタッ
バタバタ ドーーーーーン!!!!
雪「うわっ!?」
雪「・・・あっ、死んだ・・・」
雪「ふふふふふふふふふ」
〇西洋風の部屋
雪「全員・・・」
雪「うるさーーーーーーーーーーーーーーー」
〇東京全景
雪「ーーーーーーーーーーーーーい!!!!」
〇開けた交差点
通行人1「うわっ、突然吹雪に!?」
通行人2「もうすぐ3月だぞ!?」
〇諜報機関
鉄道会社の職員「この天気でこれ以上の運行は危険だ!」
鉄道会社の職員「すぐに現場へ連絡を!」
〇駅のホーム
お客様にお知らせします
急な天候変化により、○○時以降の列車はすべて運休致します──
〇おしゃれなリビングダイニング
子供「お母さん見て見て! お外すごいよ!」
母親「夕飯はあるもので済ませようかしら・・・」
〇西洋風の部屋
雨「悲しすぎて涙も出ない・・・」
空「もうどうにでもなれ、だよ。あはははは」
空「ははは・・・」
えらい神様の遣い「神様より伝言ダ!」
えらい神様の遣い「『どういうことかな? 通告、出したはずじゃろ?』」
空「・・・」
空「すみませんでしたぁ!!!!」
〇東京全景
~今日の天気~
曇りのち暴風雪
英語まじりのルー大柴語をしゃべる長男の「晴」はまさに能天気。お母さんの「雲」が怒ると雲行きが怪しくなる。関西弁の「風」ちゃんは風来坊。それぞれのキャラクターが読んでて本当に楽しかったです。
面白かったですー!!!!✨
それぞれキャラに魅力がありますね✨
そして、なぜか雲のお母様はヤンキーチックになってしまうのにも、笑いました✨
昨今の異常気象はこの子たちが!!!!!と思えるほっこりして、良い話ですね✨😊
一癖も二癖もある家族達。
今回ギリギリ雪が降ってもおかしくない時期でしたが、真夏に引きこもっている雪が出てきても雪が降るのかとか気になりました。