とあるショタコンの苦悩

つとむュー

とあるショタコンの苦悩(脚本)

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〇公園の入り口
  私はショタが好き。
  ただし漫画の中の。
  半ズボンの男の子を見かけたら、キュンとしちゃう。
  もちろん漫画の中の。
  健気で真っ直ぐな少年ならもうヤバい。
  母性本能が爆発しそうになってしまうのだ。
  そうなったらもう止まらない。

〇屋敷の書斎
  もちろん全巻、大人買い。
  そして徹底的に推し活を進める。

〇SNSの画面
  作家のSNSをフォローして、動向を把握する。
  連載のチェックは欠かさず、関連グッズも即購入。
  アニメ化なんて話を聞いてしまったら・・・・・・
  私の推し活はヒートアップしてしまう。
  その結果──

〇公園の入り口
わたし「ねぇ、みなみィ~」
みなみ「どうしたのよ」
みなみ「またお悩み?」
  あれだけ好きだった漫画のキャラなのに。
  アニメ化されたとたん急に冷めてしまうのは、我ながら本当に困ってしまう。
  こんなやるせない気持ちを打ち明けられるのは、親友のみなみだけなのだ。
わたし「この間、アニメ化された漫画あるじゃん」
みなみ「もしかして、あの作品?」
みなみ「サブキャラの少年がめっちゃ可愛いやつ」
みなみ「アニメはまだ見てないけど」
  それだけで察してくれるみなみは、やっぱり頼りになる友だ。
  解決にはならないと思うけど、話を聞いてもらえればスッキリするかもしれない。
わたし「でもね、アニメ化された途端、見る気が失せちゃって・・・・・・」
  そうなのだ。
  あんなに好きなキャラだったのに、アニメは見たくなくなってしまう。
みなみ「それって・・・・・・」
みなみ「あんた、またやっちゃったの?」
わたし「うん・・・・・・」
みなみ「ホント、懲りないわね」
みなみ「これで何回目?」
わたし「十回目・・・・・・」
みなみ「アニメ化される時は推し活やっちゃダメって、あれほど言ってるのに・・・・・・」
みなみ「あなたはね」
みなみ「人気声優なんだから!」
みなみ「そろそろ自覚したらどう?」
  アニメになった推しキャラたち。
  ことごとく自分の声になっちゃうの、
  どうしたらいいんだろう?
  完

コメント

  • たしかに自分の仕事となると急にさめるときありますよね。好きな歌も学校で歌うとさめたり…みんなでやったり、義務が生じたりすると重たい感じになるんですかね
    そういうのわかります

  • これは思いも寄らない所からオチが降ってきました。すごいところに目をつけましたね。憧れの異性が自分の声って確かに嫌かも。女性の声優だからショタコンの設定だったんだー。それにしても、こういう物語を読むにつけ、世の中は人の数だけいろんな悩みがあるんだなあと痛感します。

  • アニメ化されると熱が冷める、実写化されると怒りが湧く、という一定数存在する方々のお話かと思いきや、まさかのオチにやられましたww

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