私の頭の中のカマボコ(脚本)
〇古めかしい和室
「僕の父さんは蒲鉾職人だけど、どうやって作っているのかは、昔からわからなかった」
タケシ「でもその年の春、遂にその現場を見たんだ」
〇古めかしい和室
タケシ「ねえ、いま父さんの頭から蒲鉾が飛び出たんだけど」
父さん「うむ、どうやって美味い蒲鉾を作ろうかと必死に考えるとな、こうして出てくるんだ」
父さん「蒲鉾は練り物だ」
父さん「計画を"練る”とか作戦を"練る”とか言うだろ?」
父さん「これは文字通り"考えが固まった”蒲鉾なんだ」
タケシ「そうやって作ってたなんて・・・・・・」
タケシ「もしかして僕にも出来るかな?」
父さん「お前も俺の血を引いているからな」
父さん「そうだ、そこを開けてやってみろ」
〇古めかしい和室
タケシ「僕は居間から廊下に出て戸を開けると、蒲鉾を作る事を必死に考えた」
〇古めかしい和室
タケシ「その日の夕食は蒲鉾で、ちゃんと二種類あった」
タケシ「父さんの白いやつと」
タケシ「庭の桜を見ながら考えた、僕のピンクのやつ」
〇桜並木
驚きの展開ですね。父さんの練り物理論は一瞬納得したかも、いや、ええとww
トンデモ設定でどのように帰結するかと思っていたら、キレイなラストですね!