結婚式(脚本)
〇田舎の学校
〇田舎の学校
〇教室の外
槍田 イトシ「俺と付き合ってくだ・・・!」
成瀬 真里奈「無理」
成瀬 真里奈「じゃ」
槍田 イトシ「あ」
槍田 イトシ「くそ」
槍田 イトシ「や、ら、せ、ろー!」
性欲怪人 ヤリビトー「ヤッリー!」
槍田 イトシ「ふぅ」
性欲怪人 ヤリビトー「ヤーッ!」
〇田舎の学校
「怪物だー!」
性欲怪人 ヤリビトー「ヤリーッ!ヤッローッゼ!」
「なんかキモー!」
性欲怪人 ヤリビトー「ヤーッ!」
〇田舎の学校
ある日、世駿高校に巻かれた無数の火の玉「悪火」
宿主の人間が不満を溜め込むほど、「悪火」は体内で成長し、
最後には「フマジン」となり体内から飛び出し、暴れ回るのだ
〇田舎の学校
「そこまでだ!」
だが、「フマジン」に立ち向かう選ばれた戦士達がいた!
レッドブラッド「血潮が沸る!レッドブラッド!」
ブルースウェット「汗も滴る!ブルースウェット!」
グリーンティアーズ「涙も思い出!グリーンティアーズ!」
「鋼鉄青春!」
「アオハルバート!」
世駿高校に蓄積された、青春エネルギーを身に纏い戦う、選ばれしヒーロー
彼らは─
〇教室の外
槍田 イトシ「ハァハァ・・・なかなかやるじゃねぇか」
潮田 流児「お前もな」
時に、拳で語り合い
〇田舎の学校
汗野 輝貴「ハァハァ・・・」
汗野 輝貴「よーし、もう一周!」
時に、スポーツに精を出し
〇教室
成瀬 真里奈「優雄・・・」
道岸 優雄「マリちゃん・・・」
時に、恋をしながら
〇魔界
「うおーーーっ!」
不満魔神 フラス・ト・レーション「グワーーッ」
ついに、元凶の不満魔神フラス・ト・レーションを倒したのだった
鋼鉄青春アオハルバート 完
〇アパートの玄関前
15年後
〇アパートのダイニング
道岸 優雄「ただいまぁ」
道岸 真里奈「お帰りなさい」
道岸 優雄「・・・」
道岸 真里奈「何か言うことは?」
道岸 優雄「えっ?」
道岸 真里奈「ゴミ捨て忘れたでしょーがー!」
道岸 優雄「あっ」
道岸 真里奈「今日はあなたの番でしょ!これで何回目!?」
道岸 優雄「ごめっ、でも今朝フマジンが・・・」
道岸 真里奈「ゴミ捨てくらい道中でしょうがー!」
道岸 アユト「パパ、ママ、どうしたのー?」
道岸 真里奈「ごめんねアユト、起こしちゃったかー」
道岸 真里奈「まったく、息子の眠りを妨げて」
道岸 優雄「あっ、ごめん」
道岸 優雄「おう、えっまた出たの?」
道岸 真里奈「・・・」
道岸 優雄「あの、フマジンが出たようで」
道岸 真里奈「はぁ先寝てるから」
道岸 優雄「はい。静かに帰ってきます」
〇オフィスビル前の道
尻敷怪人 ヨメコワー「ワーッ」
レッドブラッド「オラッ!」
ブルースウェット「トウッ!」
グリーンティアーズ「お待た・・・」
尻敷怪人 ヨメコワー「オニヨメヤー」
レッドブラッド「おお、きたか」
ブルースウェット「さっさと決めるぞ」
尻敷怪人 ヨメコワー「ヨメコワー」
グリーンティアーズ「あ、ああ」
〇オフィスビル前の道
尻敷怪人 ヨメコワー「ケッコンマエ、コイシーッ!」
グリーンティアーズ「・・・」
レッドブラッド「ブルー、一杯やってくか」
ブルースウェット「そうだな」
グリーンティアーズ「俺もいく」
レッドブラッド「お、そうか」
〇大衆居酒屋
汗野 輝貴?「おーい」
「課長、遅いっすよー」
汗野 輝貴?「ごめんごめん」
「うぃー、お待たせー」
汗野 輝貴「いやぁ、最近尿の出が悪くてよー」
汗野 輝貴「ん、どうかしたか?」
潮田 流児「まさしく、幻の未来」
潮田 流児「・・・飲むか!」
「かんぱーい!」
潮田 流児「それにしても優雄がいるの珍しいよな」
汗野 輝貴「真里奈がうるさいからっていつも来ないもんな」
潮田 流児「いやぁ、でもそんなしっかりものの奥さんがいるのは羨ましいぜ」
汗野 輝貴「だよなぁ」
汗野 輝貴「俺も早く結婚してぇ!」
道岸 優雄「うるさい」
潮田 流児「どうした?」
道岸 優雄「お前らに何がわかるってんだぁ!」
「!?」
オバサーマン 第一話「結婚式」
〇大衆居酒屋
汗野 輝貴「え」
道岸 優雄「・・・最近何で「フマジン」の残党がよく現れるようになったかわかるか」
潮田 流児「あー、確かに最近多いよな」
汗野 輝貴「・・・季節?」
道岸 優雄「結婚した奴が増えたからだよー!」
道岸 優雄「結婚は辛い」
道岸 優雄「俺はフマジンと戦いながら、仕事をこなす為に残業している」
道岸 優雄「そうして帰ってきた俺に対して嫁は・・・」
道岸 優雄「俺は何だ!嫁の奴隷なのか!」
道岸 優雄「結婚は辛いだけだぁ!」
道岸 優雄「さっきのフマジンも嫁の尻に敷かれる不満が生んだんだ」
潮田 流児「えー」
汗野 輝貴「・・・でも、俺は尻に敷かれたいけどな」
道岸 優雄「は?」
潮田 流児「ちょっとわかるなぁ」
汗野 輝貴「な、厳しい女いいよな!」
道岸 優雄(こいつらは厳しい嫁をSMプレイか何かだと思っているのか)
道岸 優雄「ふざけんな!くそー」
道岸 優雄「優しくしてくれー!」
潮田 流児(人を思いやり涙を流していた優雄がなぁ)
潮田 流児(自分の為に涙を流すか)
潮田 流児(平和だなぁ)
汗野 輝貴(よっぽど夜の攻めが激しいんだろうなぁ)
〇アパートのダイニング
道岸 優雄(あ、頭いてぇ)
「昨日は随分飲んだようで」
道岸 真里奈「上機嫌でそれはそれはうるさかったですよ」
道岸 優雄「あ、ごめん」
道岸 真里奈「まぁいいわ」
道岸 アユト「おはよー」
道岸 真里奈「おはよう、アユト。ご飯にしようか」
道岸 アユト「うん」
道岸 優雄「うっ」
道岸 優雄(な、なんだこれ)
道岸 真里奈「ああ、ごめん卵ちょっと焦がしちゃった」
道岸 真里奈「寝不足のせいかしらねー」
道岸 優雄「うっ」
道岸 アユト「パパ、食べないのー?」
道岸 優雄「た、食べるよ」
〇立ち食い蕎麦屋の店内
道岸 優雄「そば、うめぇ」
〇開けた交差点
〇結婚式場の前
道岸 優雄「式場かぁ」
結婚怪人 マリッジケーキ「ケコン〜!」
結婚怪人 マリッジケーキ「ユウツ〜!」
道岸 優雄「くっ」
〇結婚式場の前
レッドブラッド「登場!って何だこりゃ」
ブルースウェット「ねちょねちょ、汚なっ」
グリーンティアーズ「よし!」
結婚怪人 マリッジケーキ「ジゴク・・・ハジマル」
グリーンティアーズ「!」
グリーンティアーズ「くっ」
レッドブラッド「逃げられちまったか」
ブルースウェット「また現れるだろうさ、それより今は・・・」
グリーンティアーズ「ああ、あの女性がフマジンを・・・」
グリーンティアーズ「そして、理由は何となく・・・」
〇川沿いの公園
斎藤 志穂「・・・すいません、介抱してもらっちゃって」
汗野 輝貴「いえいえ、ちなみに最近感じる不満とかありますか」
潮田 流児「困ってる人はほっとけないタチなんでね。是非相談してください」
道岸 優雄「あの、」
道岸 優雄「話せば楽になるかもしれませんよ」
斎藤 志穂「・・・」
斎藤 志穂「実は、結婚式をやりたくなくて」
斎藤 志穂「でも、彼や母に絶対やれと言われてて・・・」
潮田 流児(やりたくないとかあるのかぁ)
潮田 流児(よし、ここは・・・)
潮田 流児「お嬢さん!」
斎藤 志穂「!」
潮田 流児「色々あるが人生やらな損だぜ!」
斎藤 志穂「!」
道岸 優雄(なんて気の利かないセリフ)
斎藤 志穂「そうですよね、あたしが我慢すればいいんですよね」
潮田 流児「えっ、いやそんな意味じゃ・・・」
道岸 優雄「バカヤロー!」
潮田 流児「いてっ」
道岸 優雄「すいません。こいつ分かってなくて・・・」
斎藤 志穂「いいんです」
斎藤 志穂「助けてくださりありがとうございました。では・・・」
〇大衆居酒屋
潮田 流児「結婚式をしたくないかぁ」
汗野 輝貴「よくわかんねぇな」
道岸 優雄「・・・お前、年収いくらだっけ」
潮田 流児「えっ、まぁ俺の仕事は振り幅あるけど、大体300万前後かな」
道岸 優雄「結婚式の相場知ってるか」
潮田 流児「いや、」
道岸 優雄「約、300万だ」
潮田 流児「そ、そんなに」
道岸 優雄「つまりお前は一年間の衣食住全てを捨てなくてはいけなくなるんだ」
汗野 輝貴「あっ、でも、お祝儀があるだろ」
道岸 優雄「確かに、それで約半分は賄えるだろう」
汗野 輝貴「なら」
道岸 優雄「だが、それはつまり来てくれた人達は金を払って、ショーを見にきていることになるんだ」
「し、ショー?」
道岸 優雄「そうだ」
道岸 優雄「結婚式は人生で一番金をかけて開催するショーだ」
道岸 優雄「沢山の人の前で自分の晴れ姿を見せ、感動を与え、満足させなくてはいけない」
道岸 優雄「うまくいかないと、来てくれた親戚、会社の人達と気まずくなってしまうことだってある」
道岸 優雄「そのプレッシャーは学園祭のメイドカフェを遥かに上回る!」
潮田 流児「あれを越えるのか!」
道岸 優雄「気まずくなるのは観客とだけじゃない」
道岸 優雄「当のカップル」
道岸 優雄「準備の段階から、気持ちのずれから徐々に足並みが合わなくなっていき」
道岸 優雄「二人の間に、溝ができる」
道岸 優雄「いわゆるマリッジブルー状態!」
道岸 優雄「事実、結婚式前のゴタゴタで別れるカップルは多いらしい」
(き、きつぅ)
道岸 優雄「何とも気が重く、そして金のかかるショーなんだよ結婚式は」
〇アパートのダイニング
道岸 優雄「ただいま」
道岸 真里奈「お帰りなさい。早かったのね」
道岸 優雄「うん、まぁね」
道岸 優雄(何か、変だ)
道岸 優雄(妙に)
道岸 優雄(色っぽい!)
道岸 真里奈「はぁ、汗かいちゃったからシャワー浴びてくる」
道岸 真里奈「ご飯、あっためて食べて」
道岸 優雄「う、うん」
〇アパートのダイニング
道岸 優雄「・・・」
道岸 優雄「えっ、何で汗かいたの」
道岸 優雄(何か怪しいぞ)
道岸 優雄「そういや、何か見てたな」
道岸 優雄「ん?」
道岸 優雄「なんか、ビデオ入ってる?」
道岸 優雄(まさか!)
道岸 優雄(子供には見せられない系のビデオ!?)
道岸 優雄(それ見て一人で・・・)
道岸 優雄「ち、ちょっと見てみよ」
〇結婚式場のレストラン
〇アパートのダイニング
道岸 優雄「これは」
道岸 真里奈「あーっ!」
道岸 真里奈「見てたのバレたかー、恥ずかしー」
道岸 真里奈「まぁ、なら」
道岸 真里奈「一緒に見ましょうか」
〇結婚式場のレストラン
〇アパートのダイニング
道岸 真里奈「っ」
道岸 真里奈「やだ。せっかくシャワーで落ち着いてきたのに・・・」
道岸 優雄「ねぇ、結構式やって良かった?」
道岸 真里奈「はぁ、あなたって人は」
道岸 優雄「色々大変だったし」
道岸 真里奈「逆に聞くけど、あなたはどう思う?」
道岸 優雄「やって良かったと思ってしまうな」
道岸 真里奈「結婚式って青春の思い出と同じなのよ」
道岸 真里奈「辛かったり、大変だったりしても」
道岸 真里奈「輝いていて懐かしいものになるの」
道岸 真里奈「大切な愛の思い出」
道岸 優雄「それがあれば、愛をいつまでも思い出せる」
道岸 優雄「君を愛し続けられるわけだね」
道岸 真里奈「な、何よ急に」
道岸 優雄「マリ」
道岸 アユト「2人とも何やってるのー?」
道岸 真里奈「アユトどうしたの?」
道岸 アユト「おしっこー」
道岸 真里奈「はいはい」
〇可愛い結婚式場
「式場選びの続きですか」
斎藤 志穂「あなたは」
道岸 優雄「偉いですね。いやと言っていたのに」
斎藤 志穂「まぁ一瞬の我慢と思えば」
道岸 優雄「ええ、ほんとに一瞬の出来事です」
道岸 優雄「合唱コンクールってありましたよね」
斎藤 志穂「ええ」
斎藤 志穂「大変だったな。男子が全然歌ってくれないし、居残りは大変だし」
道岸 優雄「ほら、でもあなた今笑顔だ」
斎藤 志穂「えっ」
道岸 優雄「結婚式もいずれそうなる一瞬です」
道岸 優雄「青春のように話せる時が来ます」
斎藤 志穂「青春か。確かに嫌なこともあったけど、懐かしい思い出として話せますもんね」
道岸 優雄「ええ、だから・・・」
結婚怪人 マリッジケーキ「アイサツヤ〜!」
道岸 優雄「逃げてください」
斎藤 志穂「え、でも」
道岸 優雄「大丈夫、ここは大切な一瞬を作る場所。絶対に壊させはしません!」
斎藤 志穂「!」
道岸 優雄「行くぞ!」
「俺達も一緒だ!」
道岸 優雄「・・・おう!」
「鋼鉄青春!」
「アオハルバート!」
「うおーーっ!」
〇結婚式場の前
数日後
道岸 優雄「やっぱり結婚式っていいなぁ」
汗野 輝貴「機嫌いいよなぁ」
潮田 流児「ほんとに」
道岸 優雄「ん?」
道岸 優雄(あれは、隣は旦那さんになる人か)
道岸 優雄「おー、」
斎藤 志穂「さいってー!ウェディングプランナーの人と浮気って」
槍田 伊人「違うんだしーちゃん。マリッジブルーなだけで」
斎藤 志穂「はぁ」
斎藤 志穂「あんたが」
斎藤 志穂「やりたいって」
斎藤 志穂「言ったくせに」
斎藤 志穂「何が、マリッジブルーじゃあああ!」
槍田 伊人「かっ」
「・・・」
汗野 輝貴「俺、やっぱまだ結婚いいや」
青春が終わった15年後のヒーローたち、大人社会のフマジンと戦うのも楽じゃないようですね。怪人ヨメコワーはうちの近所にもかなりの数いて、「ケッコンマエ、コイシーッ」という叫び声が町内に溢れています。怪人マリッジケーキ「ジゴク、ハジマル」「アイサツヤー」にも笑ってしまった。最後のシーン、一番怖いのはやっぱり人間の女の人ですかね。
高校の時に好きだった人と結婚って何か一途な感じがして良いなあって思ったけど、やっぱり月日が流れると人って変わっちゃうんですかね😢
鬼嫁になっちゃってましたね🤣💦
自分も旦那さんにあんな思いをさせないように気をつけようと思いました!