〇ビルの地下通路
獣の本能「・・・・・・・・・・・・」
ネコマ「まさか本当に、 ツクモ獣と出くわすとは・・・・・・」
ネコマ「本当に増えてきているであるな」
ハコ「いやいやー、まだわかんないよ もしかしたらツクモ神かも」
ハコ「おーい、そこのあなた、 何してるんですかー」
獣の本能「GYaaaaa!!」
ハコ「あー、やっぱり違ったみたい」
ハコ「なら、殺さないとね」
ネコマ「我輩がやるのである」
ナナシ（二人とも・・・・・・ 好戦的だな）
ナナシ（他の道を通るとかじゃダメなのかな）
フラマ「あの二人が好戦的なのが不思議？」
ナナシ「!?　は、はい 二人とも温厚な性格だと思っていたので」
フラマ「うん、 二人とも普段はとても温厚なんだけど、」
フラマ「二人とも、とても優しいから」
フラマ「最近、私たちの仲間が一人、 ツクモ獣に殺されてしまってね」
フラマ「二人ともきっと、 自分が守れなかったせいだと思っているの」
フラマ「あぁ、本当に、本当に」
フラマ「悲しいわぁ」
ネコマ「何をしているのであるか？ クソツクモ獣」
ネコマ「招き猫らしくもてなしてやるから、 さっさと来るのである」
獣の本能「GYaaaaa!!」
　　その挑発が決め手になったのか、ツクモ獣はネコマさんに噛みつきかかり
　　その鼻面に拳を叩きつけられた
ナナシ（!?────今、何が起きた？）
ナナシ（ツクモ獣がネコマさんに飛びかかったその瞬間────両者の距離が一気に縮んだ）
ネコマ「貴様如きの人語を解さぬ低脳に言っても仕方のないことであるが、ナナシくんのためにも解説しておくのである」
ネコマ「我輩は、招き猫のツクモ神 そしてその能力は────」
ネコマ「”指定したものを目の前に招き寄せる”」
獣の本能「GYaaa!?」
ネコマ「拳を当てる必要すらない、相手の方から 我輩の拳へ”招き寄せられる”」
ネコマ「そして、殴り飛ばした相手を また招き寄せれば────」
獣の本能「GYaa!???」
ネコマ「こうやって何度でも殴り続けられる」
　　殴り飛ばす、招き寄せる、殴り飛ばす
　　招き寄せる、殴り飛ばす、招き寄せる
ネコマ「さて、とりあえず軽く30発ほど、 このまま殴打させてもらうのである」
獣の本能「GYAaaaa!!!!!?」
獣の本能「G ,A A a」
獣の本能「・・・・・・・・・・・・」
　　ネコマさんは宣言通り、
　　きっちり30発殴りきり
　　その後、ツクモ獣はばたりと倒れた
ネコマ「猫らしくじゃれついてもてなしてみたのであるが、」
ネコマ「楽しんでいただけたようで幸いである」
獣の本能「────」
ナナシ（ツクモ獣の死体が、光の粒子になって宙に消えた!?）
ナナシ「これは一体──」
ハコ「・・・・・・ツクモ獣は この世の理にない存在」
ハコ「死んでも死体は残らないわ」
ハコ「そしてそれは、ツクモ神にも言えること」
ハコ「この世界に生きるものは、 死ねば、何も残らない」
「・・・・・・」
フラマ「────『夕方のショッピングモール』 はもうすぐよ、急ぎましょう」
ネコマ「そう、であるな 先へ進まなければ」