エピソード1(脚本)
〇コンサート会場
ずっとずっと、夢見てた
波打つペンライトの海の真ん中
光が集まるステージ
に
立つ推し
を
肉眼で見ることを──
〇女性の部屋
聖奈「はあ・・・」
聖奈「しんどい・・・」
聖奈「無理・・・」
聖奈「好き・・・」
聖奈「死ぬ・・・」
聖奈「・・・うふっ」
聖奈「うふふふふふふふふふ」
聖奈「うひひひひ・・・明日、明日だよう・・・」
聖奈「ひぁあああああ!」
バンッ!
なつみ「うるっさい!」
なつみ「あんたね、今何時だと思ってんの!?」
聖奈「ご、ごめん・・・お姉ちゃん・・・」
なつみ「まあ、浮かれる気持ちも分かるけどね」
なつみ「ライブ、明日だっけ?」
聖奈「そうなの!」
聖奈「YU-TOくんを追いかけ始めて早2年・・・」
聖奈「ようやく・・・ようやくライブチケットがとれたんだよ・・・!」
聖奈「あの!プラチナチケットが!!」
なつみ「はいはい、もう何度も聞いたから」
なつみ「だったら余計に早く寝たほうがいいんじゃない?」
なつみ「明日寝坊しても知らないよ」
聖奈「だってー、興奮して寝れないんだもん」
聖奈「やっとYU-TOくんの前でペンラを振る時が来たんだよ?」
なつみ「今から両手に握りしめてどうすんのよ 気が早いって」
聖奈「そうだ! お姉ちゃん今から一緒にライブの動画見ようよ!」
聖奈「一緒にペンラ振ろうよー」
なつみ「やだよ、わたし明日早いんだから」
聖奈「え~」
なつみ「じゃあおやすみ あんたも早く寝なよね」
聖奈「えー、おねーちゃーん」
バタンッ
聖奈「行っちゃった・・・」
聖奈「でも寝るとか無理だよ・・・」
聖奈「うう・・・緊張しすぎて・・・」
〇水の中
死んじゃいそう・・・
〇水の中
「あら、じゃあちょうどいいわね」
〇神殿の門
神官「女神よ・・・ なんてことをおっしゃるのですか」
女神「えー、でも本人が言ってるじゃない」
女神「『死んじゃいそう』って」
女神「だったら言う通り死んでもらいましょうよ」
神官「そのような事を気安く・・・」
女神「大丈夫よ」
女神「聖女としての役割を果たしてくれれば、ちゃーんと元の世界に生き返らせてあげるから」
女神「それに、楽しみにしていた催しの直前っていうのが更にいいわ」
神官「何故です?」
女神「だって、元の世界への未練が強い方が、こちらでの役割も真剣にやってくれるでしょうし」
神官「貴女という方は・・・」
女神「仕方ないでしょー?」
女神「こっちの世界を救えるのは、異世界から召喚した聖女だけなんだから」
女神「世界の崩壊はすでに始まっているのよ」
女神「一刻も早く聖女を召喚しなくては」
神官「それは・・・」
女神「ってことで、彼女に決定♪」
女神「早速召喚の準備をしなくっちゃ~」
神官「はあ・・・」
神官「異世界の少女には申し訳ないが、たしかに女神のおっしゃる通りだ・・・」
神官「せめて我々は、明日やってくる聖女に誠心誠意尽くすとしよう・・・」
〇神殿の広間
そして翌日──
聖奈「あ、あれ? わたし、なんでこんなとこに!?」
聖奈「YU-TOくんのライブに向かってたはずなのに・・・」
女神「聖女よ、よく来てくれました」
聖奈「あ、あなたは?」
聖奈「それに聖女って一体・・・」
女神「貴女はこの世界を救う唯一の存在──」
女神「貴女には聖女の証である、この『聖なる杖』を授けましょう」
女神「この世界には、『異世界より来る聖女が杖を振るう時、世界は救われるだろう』という伝説があるのです」
女神「どうかお願いです この世界を救ってください」
女神「貴女が、元の世界に戻るためにも──」
オタクって推しに関することでは、語彙力が消えてしまったりしますよね。笑
そのあたりリアルだなぁって思いました!
でも、途中からの展開にびっくりしました!
彼女は帰ってこられるのでしょうか!?
推しに会える前日は嬉しすぎて眠れないの経験済みだわ!!わかる♪そのタイミングで異世界連れて行かれるとかありえんけど、推しに会うためならたしかになんでも頑張れるわ♪人選が素晴らしい(涙)
意外な展開で面白いです。このまま音楽のお話になると思ってました。ライブを楽しみにしているのが本当に伝わってきたので、女神様の意見に納得です。みんなそれぞれ個性のあるしゃべり方で、関わり合ったことで物語が激しく動き出す予感がしてわくわくします。