エピソード6(脚本)
〇体育館の中
ツトム「ふむ、記憶喪失か──」
ツトム「よくあることだな!」
フラマ「悲しいわぁ よくあることでもやっぱり悲しいわぁ」
ネコマ「何を言っている無能ども」
ネコマ「記憶喪失自体は確かに珍しくもないが、 自分が何の付喪神かすらわからんなど、 明確に異常であるぞ」
フラマ「悲しいわぁ 確かにそうじゃない」
フラマ「そこに気づかないなんて、 私ってほんとダメだわぁ」
ツトム「あんま気にしない方がいいぜ、 フラマさん!」
イフ「ツトムくんはもうちょっと気にした方がいいと思うよ」
イフ「それにしても新入りか・・・・・・」
イフ「なら、 またあそこに行かなければいけないね」
フラマ「あそこのツクモ神は色んな意味で怖いのよねぇ 行きたくないわぁ、悲しいわぁ」
ネコマ「しかし行かないわけにもいくまい」
ネコマ「なにせあそこは、この世界の全てのコミュニティのツクモ神を把握」
ネコマ「そして管理している 唯一の統括コミュニティであるからな」
ハコ「そうね、じゃあ早めに行きましょうか」
ナナシ(お、置いてきぼり感が凄い)
ナナシ「えっと、今からどこかに出かけるの?」
ハコ「ええ、私たちみたいなツクモ神の集まり、 ”コミュニティ”を管理する人たちに会いに行くの」
ハコ「『夕方のショッピングモール』を拠点にするツクモ神達の所までねー」
ナナシ「今から行くの?」
ハコ「うん!あ、疲れたなら寝ててもいいよ」
ハコ「ツクモ神は人間と違って寝なくても生きていけるけど、 寝たら疲れが取れるのはおんなじだからね」
ナナシ「・・・・・・いや、ぼくも行くよ 多分、行かないといけない」
ナナシ(きっと、ここで生きていくためには)
ハコ「それじゃあ行く人ー」
ネコマ「吾輩は行くのである」
ネコマ「たまには外出しないと気が滅入るからな」
ツトム「俺は遠慮しようかな 途中でツクモ獣に襲われたら足手まといかもしれないし」
イフ「では私も残ります」
イフ「留守番をツトムくんだけに任せるわけには行きませんからね」
フラマ「私もいこうかしら」
フラマ「あそこには私の友達もいるのよねぇ」
フラマ「あぁ、けど向こうも友達と思っているかは わからないのよねぇ 悲しいわぁ」
ハコ「っていうわけで、パーティーメンバーはこの四人ね、楽しみ!」
ナナシ「────────」
ナナシ(ちょっと不安、かも)
〇黒
?「さてと、」
?「では行こうか」
「・・・・・・・・・」
?「それぞれのコミュニティの中で、一定以上の力を持つ危険なツクモ神をまとめた書類」
?「『要注意リスト』」
?「これを盗み出すことが 我々の野望の第一歩だ」
?「さぁ出発しよう」
?「『夕方のショッピングモール』へ」
〇ショッピングモールの一階
『夕方のショッピングモール』
?「過労死しそうだ」
?「毎日毎日書類に目を通す日々」
?「クロス、クロスはいるか?」
クロス「はい、ここに」
?「すまないが茶を入れてくれ」
?「特別濃いのをだ」
クロス「かしこまりました」
クロス「プーアール茶、ジャスミン茶、烏龍茶、 ほうじ茶、ニラ茶、抹茶、梅昆布茶、 アバ茶、緑茶、黒茶、黄茶、午後の紅茶 アー茶」
クロス「一体どれにしますか?」
?「なんか変なのなかった?」
?「・・・・・・紅茶で」
クロス「ありません」
?「ないの!?」
?「午後の紅茶はあるのに!?」
?「で、では午後の紅茶を頼む」
クロス「分かりました自販機で買って参ります」
クロス「特別濃いのをということでしたので、 煮詰めて持ってきます」
?「・・・・・・そのままでいいよ」
?(頼むから、しばらく休みが欲しい)