夏の日のお友達

みぞれ(⁠◕⁠ᴗ⁠◕⁠✿⁠)

夏の日のお友達(脚本)

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〇実家の居間
美咲「夏休みになると毎年、お盆の少し前に、祖父の生まれ故郷にある山の中の別荘へ行くことになっていた」
美咲「いとこ達と遊んだり、親戚のおばぁちゃんの畑で収穫を手伝ったり」
美咲「朝早く起きてカブト虫やクワガタをとったり、川に遊びに行ったりと楽しく過ごす」
美咲「その合間に、迎え盆・お墓参り・送り盆をして帰宅する」
美咲「これが私の家では、毎年の恒例イベントとなっていた」
美咲「お母さん!お布団まだあったっけ?」
真澄「奥の部屋にまだあったはずよ。 みんなが来る前に乾燥機終わるかしら?」
美咲「皆は夜に来るんでしょ? 間に合うんじゃない? あ!美琴ーそっち拭き終わったー?」
美琴「もうちょいで終わるよー。 でも他まだだから手伝ってー!」
美咲「あいよー! 母さん美琴の方やってくるね!」
真澄「頼むわねー、母さんもこっち済んだら手伝うわー」
美咲「お父さんとお兄ちゃんは買い出しで、お母さん・私・美琴がお掃除担当している」
美咲「祖父母や親戚が来る前にある程度終わらせておく」
美咲「親戚たちの子供はまだ低学年以下で手伝いどころじゃない事もあって、ここ数年私達一家が先に来ることが多かった」

〇実家の居間
真澄「なんとか終わったわねー!お疲れ様ー」
美咲「これで、ふかふかの布団で寝られるねー!」
美琴「ホントだねー! ってか!おじいちゃんたち遅くない??」
海都「買い出しの途中で、連絡入って渋滞に巻き込まれてるって言ってたぞ?」
美咲「そうなの?遅くなるのかなぁ?」
真澄「夕飯どうするのかしら?あなたなにか聞いてる?」
幸都「また後で連絡入れるって言ってたけどなぁ。連絡いれてみるか」
真澄「そうして頂戴。こっちで食べるならそろそろ用意しないと間に合わないし、向こうで用意してくれてたらこっちで作っとくのもねぇ?」
幸都「わかった電話しとくよ ちなみに、俺はカレーが食べたい気分🎵」
海都「おれも!父さんに一票!」
真澄「美咲と美琴はー?」
美咲「私もカレー食べたぁい!ねーねー!コロッケも作ろーよー!私手伝うから🎵」
美琴「私もー🎵」
真澄「じゃぁ、おじいちゃんたちの様子次第でね下のおばあちゃんからたくさんお芋貰ってて良かったね」
美咲「うん!サナエばあちゃんのお野菜スキー!」
美琴「あ!朝他のお野菜取りにおいでって言ってたよね?とりいく?」
美咲「そうだねー!トマトときゅうりも美味しそうだったし!」
真澄「じゃぁ、お野菜取りに行くの任せてもいい?」
美咲「うん!行こ!美琴」
美琴「うん!ねぇちゃん」
真澄「海都はお風呂の準備しといてくれる?」
海都「うん。じゃぁ今日俺が一番風呂ー!」
幸都「親父達、思った以上に進まないみたいだ。夕飯サービスエリアで食うっていうからこっちはこっちで済ませるって言っといたよ」
海都「じゃぁ今日コロッケカレーで決まりだ🎵」
幸都「おっコロッケ付きかぁ!美咲のリクエストのパン粉買ってきて正解だったなぁ」
真澄「幸も手伝ってよー」
幸都「わかってるって。なぁ?海」
海都「俺は風呂終わってからね。美咲も美琴も野菜取り入ってるから、それまで、母さんと父さんで頑張ってー」
真澄「幸にいっぱい頑張ってもらいますか!」
幸都「とりあえず、じゃがいもむくか!」
美咲「その日、祖父母は街中にある親戚の家にとまることになった インターからここまで車で1時間強距離があるし」
美咲「小さな山の中腹にあるこの別荘の前は、舗装されてない上に急な坂道になっている」
美咲「一番近い下のおばあちゃんの家でさえ、5分坂を降りて、片側が山、片側が小川と田んぼに挟まれ」
美咲「ワゴン車がギリギリ通れる程の道を5分程あるかなければつかない」
美咲「アイスや自動販売機がある“タバコ屋”までも私が歩いて30〜40分かかるのだ」
美咲「そんな場所にここはあった」

〇山道
美咲「親戚皆が到着して数日後。毎晩のように宴会状態になるため、朝の6時というこの時間は祖母、母、私以外はまだ寝ている」
美咲「私は母に声をかけてから、下のおばあちゃんの家まで散歩に出る」
美咲「朝の山の空気は、夏なのにヒンヤリしていて、上着がほしくなるくらいで、時々濃霧がたちあがっていた」
美咲「少し山を下ったところに枯れ井戸がある。その前に何かちらっと見えた」
美咲(あれ?あの子誰だろ)
美咲「初めて見る子だった」
美咲(こんな時間にどうしたんだろ?)
美咲(え!?いない??)
美咲「不思議に思って振り返ると誰もいなかった」
美咲「獣道のようなものはあるけれど、物音もしないのに、その子は居なくなっていた」
美咲「けれど、当時の私は変だと思いつつも、あまりきにせずにいた」
美咲「そんなことがあったことさえ忘れていた、昼過ぎ。いとこ達が出掛けて留守番になった私は、また、山道をくだっていた」
美咲「その子は井戸の縁に腰を掛けていた」
美咲「ねぇ!そこで何してるの?」
○○○「・・・・・・」
美咲「一緒に遊ぼう?」
○○○「・・・・・・」
美咲「あやとりや水遊びをしながら私はその子としばらく遊んでいた」
美咲「疲れたねぇ!あ!そうだ!おばあちゃんがね!ぶどう買ってきたって言ってたんだ!一緒に食べようよ!私持ってくるね!!」
美咲「あれ?いない」
美咲「ねー!どこいったののー! ぶどう持ってきたよー!」

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コメント

  • 夏、田舎の山、その空気感からして出会ってしまう感じですよね。それにしても、家族が「また」と言って慣れた感じで注意喚起しているところに、怖さがじんわりと。

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