〇明るいリビング
みいちゃん「どうしてダメなの？」
みいちゃん「ママ、あたし、 バレエを習いたいの」
ママ「みいちゃん ごめんね」
みいちゃん「また出張なの？ また留守番なのね？」
ママ「うん、いろいろと かまってあげられなくて ごめんね じゃあ、仕事いってくる」
みいちゃん「ママったら！」

〇明るいリビング
みいちゃん「ああ、 踊ってみたいなあ バレエいいよねえ」
みいちゃん「動画を見るだけよりも 踊ってみたいなあ」
みいちゃん「でもお金もかかるし ママを困らせるのもね」
みいちゃん「はあ・・・」
ひよこ「ぴよっ♡」
みいちゃん「え、なになに？ ひよこ??」
みいちゃん「ここ15階だよ どこから来たの？」
ひよこ「バレエ好きのテレパシーで テレポートしてきた」
ひよこ「つまり瞬間移動ってこと」
みいちゃん「すごい しかもしゃべれるのね」
みいちゃん「ひよこなのに！」
ひよこ「うん、確かにぼくはひよこ バレエを習いたいひよこだよ」
ひよこ「みいちゃんと同じで ぼくもママに頼んだけど 断られた」

〇村に続くトンネル
にわとりママ「ごめんね バレエを習わせてあげられなくて」
にわとりママ「ママは卵を産むのに いそがしいから ごめんね」
ひよこ「ママ・・・」
にわとりママ「じゃ、卵を 産みに行ってくる」
にわとりママ「いい子で留守番していてね」
ひよこ「ママ・・・」
にわとりママ「さらばじゃ・・・」

〇明るいリビング
ひよこ「そういうわけさ」
みいちゃん「うう～ん おたがい仕事に燃えてる親を 持ってるってことか」
ひよこ「だからさ ぼくたちだけで 踊ろうよ」
みいちゃん「ぼくたちだけって・・・ どこで？」
ひよこ「ここでだよ！」

〇劇場の舞台
みいちゃん「えっ」
ひよこ「あはは」
みいちゃん「舞台じゃん！」
みいちゃん「うあ～」
ひよこ「踊ろう 踊ろう」

〇水中
みいちゃん「うおおお」
ひよこ「よし いいぞ!!」

〇魔法陣2
みいちゃん「ひえええ」
ひよこ「みいちゃん じょうず！」
みいちゃん「わお」
ひよこ「わお♡」

〇キラキラ
みいちゃん「うふふ」
ひよこ「あはは」

〇明るいリビング
ママ「ただいま～」
ママ「あれ？」
ママ「みいちゃん どこ？」
にわとりママ「うちのコも さがしているザマス」
ママ「え？ はあ？」
にわとりママ「うちのひよこも 家出したザマス」
ママ「は？ ニワトリのくせに なにをいうザマスか？」
にわとりママ「ふたりとも夢の国で 踊っているザマスけど 帰ってこないザマス」
ママ「なにを言うザマス さがしてくるでござるザマス!!」
にわとりママ「一緒に行くザマスよ」

〇惑星
ママ「ちょっと ここはどこよ」
にわとりママ「ああ ここじゃないザマスね」
ママ「いったいどういうことよ」
にわとりママ「あのこはバレエひよこっていってね １億匹にひとりしか生まれない 特殊なひよこなの」
ママ「だからなによ うちのこを誘拐して」
にわとりママ「誘拐するようなコじゃない ザマスよ 次へ行こっと」

〇キラキラ
にわとりママ「あっいたいた♡ じょうずに踊れているわ」
ひよこ「あれ？ ママ？」
にわとりママ「うん バレエずっと 踊ってていいから ごはん食べにかえろザマス」
ひよこ「わかった～」
みいちゃん「ママ わたしの踊りを 見てくれた？」
ママ「ええ、びっくりしたわ ここは多分夢の国なのね」
ママ「みいちゃん上手だったよ」
ママ「今度の休みに バレエスクールをさがしにいこうね」
みいちゃん「えっつ ほんと？ うれしい～」
ひよこ「みいちゃん よかったね」

〇明るいリビング
みいちゃん「あら いつのまにか 朝だ あっママも」
ママ「みいちゃん おはよう」
みいちゃん「ひよこちゃんは」
ママ「にわとりのお母さんが 迎えに来て帰ったわ」
ママ「みいちゃん 無事帰れてよかった ごめんね」
みいちゃん「不思議なひよこだったな」
ママ「ええ にわとりもザマスだったわ・・・」
みいちゃん「あはは」

〇村に続くトンネル
にわとりママ「もう勝手に人間の世界に 行ってはいけないザマス」
にわとりママ「バレエスクールに 連れて行ってあげるから」
ひよこ「ほんと？ やった～」
ひよこ「ぼくはきっとよい バレエダンサーになれるよ」
にわとりママ「なんたって あなたはバレエひよこだからね」
にわとりママ「がんばりなさい」
ひよこ「ママ ありがとう」

〇雲の上
バレエの神様「というわけで めでたし ザマス!!」