魔法少女オーバー30

シュウ

魔法少女と孤独な少年(脚本)

魔法少女オーバー30

シュウ

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魔法少女オーバー30
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〇屋上のヘリポート
ストレス絶頂のサラリーマン「クソ上司がァッ!!」
ストレス絶頂のサラリーマン「野郎はみんな消えろォッ!!」
「そうはさせないわッ!!」
ストレス絶頂のサラリーマン「誰だッ!?」
まほのん「魔法少女まほのん!」
まほろん「うふ、魔法少女まほろん」
「魔法少女マホマホ、推参!」
ストレス絶頂のサラリーマン「なッ!?」
ストレス絶頂のサラリーマン「なんて下品なッ!」
まほのん「はぁ? カワイイだろうが」
まほろん「のんちゃん?」
まほのん「ハッ!」
まほのん「や~ん、下品だなんてショック〜!」
まほのん「まほのんこわぁ〜い!」
まほろん「うふふ〜、こわくないこわくな〜い」
まほのん「まほろん・・・!」
ストレス絶頂のサラリーマン「くぅ〜! 尊い〜! 浄化される〜!」
まほのん「今だよ、まほろん!」
まほろん「ええ、のんちゃん」
「マホマホ──シュートォ!!」
「爆☆殺」
ストレス絶頂のサラリーマン「ぐぁぁぁッ!!」
ストレス絶頂のサラリーマン「お、俺は一体・・・!」
ジモン伯爵「遅かったか」
まほのん「あ、貴方はジモン伯爵!」
ジモン伯爵「今宵は月がキレイだ」
まほのん「それって──」
ジモン伯爵「明日は晴れる」
ジモン伯爵「それでは──ごきげんよう」
まほのん「伯爵様ぁ・・・!」

〇街の全景
  かくして街の平和は守られた
  これは街を脅かす『悪神』と魔法少女の
  闘いを描いた物語である

〇おしゃれなリビングダイニング
カノン「ちょっと早く起きてー!」
カノン「遅刻するぞ!」
ジモン「むにゃむにゃ」
カノン「ほらそこ! 寝ながら食べない!」
シャロン「うふふ、ダメよママ」
シャロン「怒ってばかりいたらキレイな顔が台無しよ?」
カノン「シャロン・・・ありがとう」
カノン「でも野菜は食べなさい?」
シャロン「うふふ」
シャロン「ごちそうさまでした」
カノン「おいこらシャロン!」
ジモン「むにゃむにゃ・・・ごちそうさま」
カノン「寝ながら完食!? なんて器用な!」
カノン「あーもう! 二人ともマイペースなんだから!」
  私には家族に言えない秘密がある
カノン「ふう、やっと落ち着いた」
カノン「洗濯しよ」
  表の顔は善良な専業主婦
  裏の顔は──
カノン「まさか!?」
妖精メルル「カノン、大変だ! 『悪神』が現れた!」
妖精メルル「場所は学校だ!」
カノン「シャロンが危ない!」
カノン「まほのんまほのん、のんのんのん♪」
カノン「マジカルゥ〜ダイナマイッ!」
まほのん「魔法少女まほのん──爆☆誕」

〇一軒家
まほのん「くっ、スピードコースにしておけば!」
まほのん「急がないと!」
ジモン「ん?」
まほのん「あれ? 忘れ物?」
ジモン「そんなとこ」
ジモン「・・・・・・」
ジモン「どちらさま?」
まほのん(やべ! 変身中だった!)
まほのん「えーっとぉ」
まほのん「カノンの茶飲み仲間どぅえ〜す♥」
ジモン「茶飲み仲間」
ジモン「アーリー・モーニング・ティーですか」
まほのん「アリ・・・モニ・・・?」
まほのん「・・・・・・」
まほのん「そうです」
ジモン「なるほど」
ジモン「もうお帰りですか」
まほのん「用が済んだのでぇ」
ジモン「いつ来られたんですか?」
ジモン「さっきまでいなかったような」
まほのん「えーっとぉ」
まほのん「ここにずぅ〜っといましたヨ♥」
ジモン「なるほど」
ジモン「じ〜」
まほのん(バレる前にとんずらしよう!)
まほのん「おほほほほ、それではごきげんよう✨」
ジモン「ごきげんよう」
ジモン「ただいま、ママ──」
まほのん「待って! 入らないで!」
まほのん「バルサン焚いてるの!」
ジモン「家内は?」
まほのん「な、中で見張りを・・・」
ジモン「・・・心配だ」
まほのん(貴方・・・)
まほのん(じゃねぇ!)
まほのん「待って!」
まほのん「バルサンが怖くないの!?」
ジモン「害虫扱いですか?」
まほのん「いや人間でも危ないから!」
ジモン「火災報知器切ってこないと」
まほのん(てめぇ)
まほのん(私の心配しろや)
まほのん「え!? 何!? 何の音!?」
ジモン「・・・・・・」
ジモン「鳴り止みましたね」
ジモン「火災報知器はもう大丈夫みたいです」
ジモン「仕事に行かねば」
ジモン「ごきげんよう」
まほのん「え、ウソ!? マジでバルサン焚いたっけ!?」

〇黒
まほのん「クッソ! 誤報かよ!」

〇田舎の学校
ケンタ「グォォォッ!!」
ケンタ「学校なんて嫌いだーッ!!」
ケンタ「なくなっちゃえーッ!!」
???「待ちなさいッ!」
ケンタ「だ、誰だッ!?」
???「『悪神』あるところ正義あり──」

〇高い屋上
まほろん「うふ、魔法少女まほろん」
まほのん「ぜえ・・・魔法、少女・・・まほのん」
「魔法少女マホマホ、推参!」
まほろん「のんちゃん、いくよ~」
まほのん「え待って! もう降りるの!?」
まほのん「ふくらはぎパンパンなのよ・・・」
まほのん「あ──!」

〇田舎の学校
まほのん「いでっ!!」
まほろん「のんちゃん?」
まほのん「あ・・・んもぉ、いったぁ~い!」
まほのん「足つったかもぉ~!」
ケンタ「くっそー!」
ケンタ「ジャマするヤツらはこーしてやるー!」
まほろん「のんちゃん、危ない!」
まほのん「待って、まだ動悸が──!」
まほのん「あ──」
まほろん「のんちゃん!」
まほのん「うう」
まほろん「良かった~」
まほのん「あ、貴方は──」
ジモン伯爵「間に合ったか」
まほのん「伯爵様ぁ~♥」
まほのん「んぁ~もぉ、まほのん怖かったぁ~ん♥」
ジモン伯爵「今日は天気がいい」
まほのん「はい~♥」
まほのん「まほのんのぉ~ハートもぉ~ 日当たり良好ですぅ~♥」
まほのん「ジモン伯爵様のお・か・げ・でぇ~♥」
まほのん「いやぁ~ん! 言っちゃった~!」
ジモン伯爵「あとは任せる」
ジモン伯爵「仕事に行かねば」
まほのん「いやぁ~ん! 行っちゃった~!」
ケンタ「くっ! 何なんだお前らは!」
ケンタ「そうやってお前らも僕のことバカに してるんだ!」
まほろん「そんなことないよ〜?」
ケンタ「ウソだッ!!」
まほろん「うふふ、ウソじゃないよ〜」
まほろん「私と一緒に遊ぼ〜?」
ケンタ「どどど、どうしよう・・・!」
まほのん「まほのんも遊んで、ア・ゲ・ルゥ〜♥」
ケンタ「ぐっ!」
まほのん「おいこら」
ケンタ「クッソー! 騙されないぞー!」
ケンタ「僕をバカにするヤツらも体育の授業も 全部全部なくなってしまえばいいんだー!!」
まほのん「ずっと頑張ってきたんだね」
ケンタ「なっ──!」
まほのん「辛かったんだね」
まほのん「でも大丈夫」
まほのん「あとはまほのんに任せて」
ケンタ「何を・・・!?」
まほのん「何年何組?」
まほのん「誰から嫌がらせを受けてるの?」
まほのん「担任は誰?」
まほのん「体育の先生は誰?」
まほのん「ボイスレコーダーの使い方わかる?」
ケンタ「う、ううう・・・!」
まほろん「のんちゃん、追い詰め過ぎよ~?」
まほのん「え? でも大事なことだし」
ケンタ「なんで僕をいじめるの!?」
ケンタ「そんなの全部あいつらに聞いてよ!」
まほろん「このままだと『悪神』に呑み込まれちゃう」
まほのん「まほろん、爆殺しよ!」
まほのん「それでこの子を救ってあげるの!」
まほのん「周りを恨んでばかりなんて、辛すぎるから」
まほろん「・・・うん」
まほのん「永久なる安らぎを貴方に──」
まほろん「無垢なる慈しみを貴方に──」
「マホマホ──ラブリーアターック!」
「爆☆殺」
ケンタ「うわぁぁぁっ!!」

〇街の全景
  かくして街の平和は守られた

〇おしゃれなリビングダイニング
カノン「はぁ・・・足いってぇ」
シャロン「ふふ、お疲れさま」
シャロン「マッサージしてあげる〜」
カノン「ありがとう、シャロン」
カノン「宿題は終わった?」
シャロン「うふふ」
シャロン「ご利用ありがとうございました〜」
カノン「こら!」
カノン「ぐぉっ!」
カノン「くっそー、整骨院行きてぇ〜!」
ジモン「ただいま」
カノン「おかえり〜」
カノン「こやつ、もう寝ておる」
カノン「ほらほら、早く着替えて!」
ジモン「むにゃむにゃ」
ジモン「今宵は月がキレイだ」
カノン「はぁ? 明日晴れだから何?」
カノン「早くお風呂入ってきちゃってよ!」
カノン「まったく」
カノン「どうしてうちの連中はだらしないかなぁ」
カノン(はぁ〜あ・・・こんな時、ジモン伯爵が いてくれたらなぁ)
カノン「いひ、いひひひひ♥」
シャロン(疲れてるのかなぁ?)
ジモン(もっと稼いでラクさせないと)

〇空
  1週間後

〇通学路
  私には家族に言えない秘密がある
シャロン「おはようございま〜す」
通りすがりのおじさん「ああ、おはよう」
  表の顔は奔放な小学生
  裏の顔は──
シャロン「あっ!」
おまわりさん「少女、防犯ブザー、不審者」
おまわりさん「署までご同行いただこうか」
通りすがりのおじさん「な、なぜ私が!?」
妖精チュッチュ「シャロンちゃん! 『悪神』の気配だヨ!」
シャロン「うん」
シャロン「まほろんまほろん、ろんろんろん♪」
シャロン「マジカルゥ〜ダイナマイッ!」
まほろん「魔法少女まほろん──爆☆誕」

〇高い屋上
まほのん「ぜぇ・・・はぁ・・・!」
まほろん「のんちゃん遅いよ〜?」
まほのん「何これ、デジャヴュ・・・!?」
まほのん「まほろん、早くね・・・!?」
まほろん「のんちゃん?」
まほのん「あ・・・まほろん早すぎぃ〜!」
まほのん「置いてっちゃあ・・・メ、だよぉ?」
まほろん「うふふ、ごめんねぇ〜」
まほのん(我ながら尊い)
まほのん「そうだ、悪神は?」
まほろん「あそこよ〜」

〇田舎の学校
ケンタ「グォォォッ!!」
ケンタ「学校なんて嫌いだーッ!!」
ケンタ「なくなっちゃえーッ!!」

〇高い屋上
まほのん「やっぱりデジャヴュ・・・」
まほろん「先週助けたはずなのに〜」
まほのん「うん、ちゃんと学校に連絡入れたのに」

〇田舎の学校
ケンタ「僕が何したっていうんだよー!」
ケンタ「先にいじめたきたのそっちじゃん!」
ケンタ「先生から注意されたからって なんで僕のこと無視するんだよー!」
ケンタ「他の人もみんなしてさ──!」

〇高い屋上
ケンタ「みんないなくなっちゃえばいいんだー!!」
まほろん「辛いのに、ちゃんと学校来てたんだ」
まほろん「偉いねぇ」
まほのん「ダメだよ、そんなふうに言ったら」
まほろん「え?」
まほのん「あの子が逃げなくちゃいけない理由なんて ないよ」
まほのん「やった人が悪いんだから」
まほのん「あの子は普通に過ごしてていいんだよ」
まほろん「・・・うん」
まほのん「まほろん! 祓うのはあの子じゃない!」
まほろん「うん!」
まほのん「永久なる安らぎを貴方に──」
まほろん「無垢なる慈しみを貴方に──」

〇田舎の学校
ケンタ「な、何!?」

〇高い屋上
「マジカル──ヴァニッシュメント!!」

〇街の全景

〇白
  その日、魔法少女は学校をつくり変えた

〇空
  1週間後

〇おしゃれなリビングダイニング
カノン「起きろー!」
カノン「遅刻じゃー!」
ジモン「むにゃむにゃ」
カノン「ほらそこ! ちゃんと咀嚼する!」
シャロン「うふふ、怒った顔も素敵よ、ママ」
カノン「シャロン・・・ありがとう」
カノン「でも牛乳は飲みなさい?」
シャロン「うふふ」
シャロン「ごちそうさまでした」
カノン「お粗末さまでしたー!」
ジモン「むにゃむにゃ・・・あ、起きた」
カノン「私のセリフ!」
ジモン「ママ、いつもありがとう」
カノン「え──!?」
シャロン「うふふ、私も感謝してるよ〜」
カノン「あーもう! 気まぐれなんだから!」
カノン「・・・ふふ」
妖精メルル「ハハッ!」
  私には秘密がある

〇通学路
友達「ケンタ君が鬼ー!」
友達「逃げろー!」
ケンタ「おい! ちょ待てよ!」
シャロン「うふふ」
通りすがりのおじさん「・・・・・・」
シャロン「おはようございます〜」
通りすがりのおじさん「ヒッ!」
通りすがりのおじさん「お、おはよう」
シャロン「ふふ、今日はいい天気ね」
妖精チュッチュ「嬉しそうだネ、シャロンちゃん!」
  私は闘う
  街の平和を守るため
  そして──

〇一軒家
  家族を守るため──

コメント

  • オーバー30とはそういう意味でしたかw
    片や家事を、片や学校生活。そして会社勤め。とても大忙しな家族ですな。

  • 魔法少女の中身をオーバー30にすることにより、急に現れる生々しさww 動悸にも筋肉痛にも笑ってしまいました。この設定、楽しすぎます!

  • 「オーバー30」に嫌な予感がしていたけどそういうことですか。結局、家内制手工業的な世直し一家なんですね〜。シャロンちゃんは学校行けてないんじゃないかな〜などという心配も妖精チュッチュのビジュアルで全部吹っ飛びました。

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