エピソード13(脚本)
〇大きな箪笥のある和室
ガラガラ
呉服屋の母「あら、ユキトさん。 お帰りなさい」
呉服屋の母「お見合いの日取りが決まったわ。 来週の日曜よ」
ユキト「そんな、母さん、急に・・・」
呉服屋の爺「仕方ないだろう。 お前がいつまでも、嫁を連れてこないから」
呉服屋の母「ユキトさん。私達は心配なのよ。 跡継ぎができるかどうかは 死活問題なのよ」
ユキト「まだ、僕がいるじゃないですか」
呉服屋の爺「時間なんてあっという間だぞ」
ユキト「それに家に入ってくれるがどうか分からないじゃないですか。。、」
呉服屋の母「ですから、そういう方とお見合いするに決まってるじゃない。 もう観念なさい」
ユキト「僕は好きな人がいるんです・・・」
呉服屋の爺「じゃあ、すぐに連れてきなさい」
ユキト「そんな・・・」
呉服屋の爺「連れてこれないなら、 お見合いしてもらうからな」
〇奇妙な屋台
店主「さようならー」
マチ「今日もありがとうございましたー」
ナナミ「さよーならー」
タッタッタッ
パティシエさん「今日も彼女たちの演奏は 素敵でしたねぇ あの学校の吹奏楽部は レベル高いですねぇ〜」
店主「コンクール優勝してから、 一度は辞めようと思ってたけど、 またやる気になって イマは皆の指導しているそうよ」
謎マッチョ「継続するって 大変ですからね。 ワタシもトレーニングは、毎日 かかせないです」
パティシエさん「ワタシも、店主さんみたいな、 もっと美味しいケーキを作りたいなぁ」
パティシエさん「ね、新作考えてくるから、試食して♡」
店主「じゃ、ワタシから 秘密のスパイス分けてあげる♡」
店主「これを一個に対して スプーン一杯ずつね」
パティシエさん「ありがとう!試してみます!」
店主「楽しみにしてるわ〜」
〇ケーキ屋
パティシエさん「フンフフ〜ン♫」
バレンタインの時、
突然ウチのケーキやチョコが売れなくなって。
話を聞いたら、公園の屋台に
みんな買いに行ってた。
ワタシは、海外の有名店で
数年、修行もしたし、
腕に自信もあったんです。
営業妨害って、
文句を言いに行ったのだけど、
パティシエさん「だって、売れないとお店潰れちゃう・・・」
屋台の店主さんの作る
不思議なチョコレートを食べたら、フワフワして、温かくなって、シアワセ。
美味しくて、虜になった。
そしたら文句を言いに行った
プライドばかりの、自分が情けなくて。
パティシエさん「売れないのは、ジブンのせい・・・」
イチから修行と
店主さんに弟子にしてもらったけど、
また、納得するケーキは作れない。
パティシエさん(実は・・・ 密かに店主さんのことが 好きだなんて言えないし)
パティシエさん(それは、店主さんも知らない 私だけの秘密・・・)
パティシエさん「美味しいケーキ、 店主さんに食べてほしい。 認めてほしい。 ワタシの究極のケーキ」
パティシエさん(これを入れて・・・っと)
パティシエさん「これで完成。」
パティシエさん「美味しいって言ってほしいナ。」
ユキト「なにがですか? こんばんは」
パティシエさん「あら、呉服屋さん。 こんばんは」
パティシエさん(いまの・・・なにか聞かれたかしら? まぁいっか。、)
パティシエさん「こんな遅い時間に、どうしたんですか?」
ユキト「あぁ、回覧板をね、渡しに来たんですよ。 もうすぐ商店街のセール祭りがあるから。 これお客様に配る用のふくびき券」
ユキト「すごくいい匂いがする。」
パティシエさん「わざわざ、ありがとうございます。 いま、試食品を作っているんですよ。 良かったら食べていきませんか?」
ユキト「それはラッキーだな。 では遠慮なく」
ユキト「モグモグ うーん美味しい!!! 僕はここのケーキが一番好きですよ」
キラリラリーン
ユキト「パティシエさん・・・」
ユキト「僕と、結婚してください!!!」
パティシエさん「へ!?」
ユキト「はっ 僕はなんてことを・・・ ご、ごめんなさい!!!」
「わーーーー」
バタバタバタバタ
パティシエさん「急に、なんだったの・・・ 呉服屋さんが取り乱したのは、 初めて見たけど」
パティシエさん「もしかして・・・」
パティシエさん「この・・・ケーキのせい?」
〇立ち食い蕎麦屋の店内
ガラッ
僕は勢いよく扉を開けて
そばの定食屋の中に飛び込んだ。
ユキト「はぁ、はぁ、はぁ、」
定食屋の女将「どうしたんだい、そんなに 息を切らして」
トン
定食屋の女将「ハイ、お茶のんで落ち着いて」
ゴクゴク。
ユキト「ふう」
ユキト「明かりがついてたんで、 つい飛び込んでしまったよ。 ありがとうおばちゃん。 僕はトンデモナイことを・・・」
定食屋の女将「おばちゃんに、話してみい」
ユキト「最近、お袋と父さんが、 孫が見たいから 早く結婚しろとうるさくてね。」
ユキト「今度、見合いさせるって 言われていたんだけど、 僕には、好きな人がいたんだ」
定食屋の女将「それで?」
ユキト「僕、焦ってたのかな・・・。 なんか急に言いたくなって、 準備もなしに、イキナリ プロポーズしちゃったんだ」
定食屋の女将「そりゃ大変だ。 で、返事は?」
ユキト「聞かないで、飛び出して来ちゃったよ・・・」
定食屋の女将「そりゃだめだよ。 ちゃんと、 相手の気持ちを聞かにゃ」
ユキト「そう・・・ですよね。 ちゃんと改めて、伝えることにします。 僕が逃げてしまった」
ユキト「おばちゃん、ありがとう。 行ってきます」
ガラガラ ピシャン
定食屋の女将「やれやれ。」
〇ケーキ屋
ユキト「パティシエさん! ・・・あれ、いない」
ユキト「どこにいったんだろう・・・」
〇奇妙な屋台
店主「でね〜」
パティシエさん「よかった〜いた〜」
店主「あら、パティシエさん?」
パティシエさん「試作品、作ってきたよ〜」
峰山先生「こんばんは〜」
店主「あら、先生方、いらっしゃい」
謎マッチョ「あっ峰山先生!」
パティシエさん「えっ、知り合い?」
謎マッチョ「皆さん、学校のマッチョ部の顧問なんですよ〜 僕はコーチをしていまして」
パティシエさん(なんか マッチョさんが嬉しそう・・・ それに、キレイな人。)
店主「きょうは賑やかね〜 ちょうどよかったわ、 パティシエさんが試作品を作ってきてくれたの。みんなで食べまショ」
パティシエさん「て、店主〜 恥ずかしいです〜」
店主「さ、いただきまーす」
「いただきまーす」
モグモグモグモグモグモグ
謎マッチョ「峰山先生!!!」
峰山先生「はい?」
謎マッチョ「わ、ワタシは、 峰山先生のことが好きなんです」
細川先生「僕もです。峰山先生!」
「付き合ってください!!!」
峰山先生「とても嬉しいのですが・・・」
峰山先生「先生・・・ワタシは・・・ いま誰とも、お付き合いする気がないのです・・・」
峰山先生「ごめんなさい!」
謎マッチョ「ちょっと、走り込んで来ます・・・」
細川先生「僕も・・・」
峰山先生「ごめんなさい・・・」
パティシエさん「やっぱり。 秘密のスパイスの効果なのでしょ? 告白したくなるっていう・・・」
店主「サア どうでしょう」
パティシエさん「店主さんも食べたでしょ? 効果はないのかしら・・・?」
パティシエさん「よし私も・・・」
パティシエさん「モグモグ ゴクリ」
パティシエさん「言うわ!!! 私!!! 店主さんが大好きです!!!」
店主「ありがとうございます。」
パティシエさん「じゃあ・・・ ワタシと・・・」
店主「でもワタシには 将来を誓ったヒトがいるのです・・・」
パティシエさん「えっワタシ、振られた?」
パティシエさん「ううっ、うぁー、えーん」
タッタッタッ
店主「お相手は眠っていて、 起きてはくれませんけどね・・・」
〇奇妙な屋台
ユキト「はぁ・・・」
店主「アラ、どうしたの?」
ユキト「ここによく、パティシエさんが来ると聞いたから。店にはいなかったし。 伝えたいことがあって」
店主「パティシエさんを探しに来たのね? いまお店に、戻っていったわよ」
ユキト「そうですか。 僕は今度お見合いすることになっていて。 パティシエさんに伝えないと・・・」
ユキト「一緒に家に来てもらわないと、 僕はお見合いをすることになってしまうんです。」
店主「アナタはどうしたいの?」
ユキト「僕はもちろん、彼女と結婚したいんです。 彼女が商店街に来た時から、ずっと好きだったんですから。」
ユキト「でも、実家の呉服屋のために、 いまのお店を辞めろとも言えないし。 僕は諦めるしか、ないんでしょうか・・・」
店主「うーん、そうねぇ・・・ じゃあこれを差し上げるわ。」
ユキト「指輪と、ペアのブレスレット。 プロポーズしろってことでしょうか?」
店主「サア。 それを決めるのは、アナタよ」
ユキト「・・・そうですね。 ありがとうございます」
ユキト「もう一度、お店に戻ってみます」
〇ケーキ屋
パティシエさん「えーん」
ユキト「あっ帰ってきた。 待っていたんですよ。 泣いているのですか? どうしたんですか?」
パティシエさん「呉服屋さん・・・」
ユキト「さっきはイキナリの告白で スミマセンでした。 きちんとしたところで 言うべきでしたよね」
パティシエさん「いいの。 ワタシいま振られた、ばかりだから」
ユキト「えっ。どういうことですか?」
パティシエさん「さっきの試食品、 実はワタシの好きな人に 食べてもらいたくて、作ってたんです」
パティシエさん「このケーキ、実は食べると、 「告白したくなるケーキ」だったんです。 アナタにも迷惑かけてしまいましたね ごめんなさい。」
ユキト「そうだったんですか、 だから僕はアナタにあんなことを・・・」
パティシエさん「そう、ケーキの効果なので 気にしないでください」
ユキト「でも、僕の気持ちは本物です。 勇気があったら、ケーキの力を借りなくても、伝えていたはずですから」
パティシエさん「呉服屋さん・・・」
ユキト「改めて僕にチャンスをくれませんか?」
パティシエさん「・・・」
〇ケーキ屋
パティシエさん「お気持ちは嬉しいのですが、 まだワタシの気持ちは すぐには切り替えられなさそうです・・・」
ユキト「では、気晴らしに、 海でも行きませんか?」
ユキト(ここで諦めるわけには、いかない。 好きでもない人と結婚するくらいなら)
ユキト(きちんと告白してから、 振られるんだ。 僕には時間がない・・・)
パティシエさん「海?」
ユキト「そうですよ。 気分転換をしたら 元気が出るかもしれません」
ユキト「きょうはお疲れのようなので・・・ 明日、車で迎えに来ます。 ドライブしましょう」
パティシエさん「明日は、お店がお休みなので、 仕込みの終わった午後からでしたら、 いいですよ」
ユキト「じゃあ、13時に車で迎えに来ますね」
パティシエさん「はい」
ユキト(その時に、例のモノを渡そう)
〇車内
ドゥルルル ドッドッドッ
パティシエさん「スミマセンおまたせしました」
ユキト(可愛いな・・・)
ユキト「行きましょうか。 さ、横に乗って。」
〇海辺
ザザーン
ユキト「お天気でよかったですね」
パティシエさん「海は、子どもの頃いらいかしら 子どもの頃を思い出すわ」
パティシエさん「子どもの頃のワタシは シェフの父と二人で海外で暮らしていて、 その時に飼ってた犬のジョンと 近くの海をよく散歩してたわ」
ユキト「海外暮らしが、長かったんですね」
パティシエさん「ええ、父が亡くなるまでは・・・ 亡くなった後、母方の親戚に引き取られて日本へ来たの。でも辛かったわ」
パティシエさん「そんな時にワタシに希望を与えてくれたのは、お菓子だったのね。 ワタシの店の開店より大昔、 商店街にあったパティスリー」
パティシエさん「そこのご主人が可愛がってくれて。 悲しいことがあると、 ワタシは、いつもそこでケーキを食べてた」
パティシエさん「昔からパパのお手伝いもしてたし 料理は元々得意で、 一緒に手伝ったりもしたの。 それで作るのも大好きになった」
パティシエさん「きっと、雰囲気がとても似てるのね。 パパに。 だから好きなのかも。。、」
ユキト「美味しかったですよね、あの店のケーキ。僕も家族と食べてましたよ。 雑誌にも載って有名でした」
ユキト「たしか、ご主人が病気で亡くなられて、 お店を閉めたんでしたっけ」
パティシエさん「そうなの。 私の好きな人は みんないなくなってしまう・・・」
ユキト「スミマセン 悲しい思いをさせて」
パティシエさん「いいの。だからワタシは必死で あの味に近づこうとしてたの。 ワタシの好きな人が戻って来るような気がして。」
パティシエさん「作ってるときは シアワセになるんだもん。。 だから、きっとケーキはワタシの人生なのね」
ユキト「パティシエさん・・・」
〇ホテルのレストラン
マッチョボディ「どうぞお食事です。ごゆっくり。」
ユキト「さ、食事しましょうか」
パティシエさん「素敵なレストランね。」
ユキト「昔から家族と来るレストランなのですよ」
モグモグ
ユキト「アナタに、お願いがあるのです」
ユキト「僕は家族に、今度の日曜に お見合いをするように言われていまして。 断るために、 僕の恋人の振りをお願いできませんか?」
パティシエさん「えっ、ワタシ?」
ユキト「その時だけでもいいんです。 断れなくて・・・」
ユキト「その代わりの報酬は、お支払いします。 アナタは苦労してらっしゃる。 もっと楽に生きていいと思うんです」
パティシエさん「苦労?苦労なんかじゃないわ。 ワタシのためにやっていることなんだもの」
ユキト「僕は、人生を選んだことなどなかった。 いつも親のいいなりで。 アナタが素敵に見えたのは その自立心なのかもしれない。」
ユキト「言われるまま、呉服屋を継ぎ、 言われるまま、嫁をもらう・・・ そんなの嫌だと思ってしまったんだ」
ユキト「僕も自由に生きたい・・・」
パティシエさん「わかったわ、協力する」
ユキト「ありがとう。 これを・・・」
ユキト「これを、身につけてほしいんだ。 婚約者の証として」
パティシエさん「わかったわ」
ドキドキドキ
パティシエさん(なにかしら、急にドキドキしてきた・・・)
パティシエさん(よく見ると横顔が、 少し、父に似てるかも・・・ カッコいい・・・)
ユキト「僕も、同じブレスレットをつけるよ」
(なんとなく、シアワセ・・・)
〇屋敷の大広間
パティシエさん「ふう、結納の儀式って 大変なのね・・・」
ユキト「スミマセン、形だけとはいえ、 大事に付き合わせてしまって」
パティシエさん「いいのよ。 ワタシには身内がいないし、 申し訳ないくらいよ。」
パティシエさん「普通は両家の、ってやるんでしょ」
ユキト「いいんですよ、形だけですから。 気にしないでください」
ユキト「母さん。 約束通り、連れてきたでしょう?」
呉服屋の母「えぇ可愛いお嬢さんだこと。。 よく捕まえてきたわね、この朴念仁が」
呉服屋の爺「健康そうだし、いいコが産めそうな尻をしているな。わっはっは。」
パティシエさん(えっなに?、この 嫌味の強い女性とセクハラおやじ・・・)
ユキト「父と母がスミマセン。 いつも、あの調子なのです。」
パティシエさん「大変なのですね、わかりました。」
パティシエさん「はじめまして、商店街でパティシエをしているマリカと申します」
ワタシは三つ指をついて、お辞儀した。
呉服屋の母「そう、礼儀はなっているようね。 こちらこそ、ふつつかな息子をお願いします」
呉服屋の母「伝統あるこの家を守るのは 代々の努力あってこそなのです」
呉服屋の母「アナタにもこの家に入ってもらうのですから、キチンとしてもらわないと困ります」
呉服屋の爺「うむ。 まぁ、まずは結納の儀式も終わったし」
呉服屋の爺「パティシエなんて仕事は さっさと辞めて、 家で礼儀作法やら、しきたりを 修行してもらわないとな」
パティシエさん「それはできません。 パティシエは、ワタシの生涯の仕事ですから。仕事は、続けます!」
呉服屋の爺「なんじゃと!!!」
呉服屋の母「許しませんよ!」
ユキト「母さん、 僕はあなた達の言いなりには、 ならない!」
ユキト「どうしてもと言うなら、 僕が出ていきます!!! 行こうか、マリカさん」
呉服屋の母「こら!!! 待ちなさい!!!」
〇公園のベンチ
ユキト「ハァハァハァ」
パティシエさん「ハァハァハァ ・・・これで良かったのですか?」
ユキト「あんな家・・・ 潰れてしまえばいいんです。 それより・・・」
ぎゅううううぅ。
強い力で抱きしめられた。
パティシエさん「ゆ、ユキトさん?」
ユキト「マリカさん、僕と・・・ 本当に結婚してください! 僕はあなた以外考えられないのです」
パティシエさん「ユキトさん・・・」
ユキト「やっと僕はジブンの意志で、 自分の気持ちを伝えられたんだ。 もう離したくない・・・」
ぎゅううううぅ
パティシエさん(温かい・・・ 力強くて・・・パパみたい)
ユキト「僕はアナタと一緒にいたい。 もう寂しい思いをさせたくないんだ。 僕はいなくなったり、しないから」
パティシエさん「えーん ユキトさーん」
ぎゅううううぅ
〇奇妙な屋台
店主「・・・それで、イマはどうしてるの?」
パティシエさん「ウチで一緒にケーキ作ってます。」
ユキト「僕が住み込みで、弟子入りさせてもらいました」
店主「あらそう〜 良かったわねえ〜 頑張って〜」
パティシエさん「店主さん、いろいろありがとう。 ワタシ頑張るからね」
パティシエさん(好きだったけど いまはユキトさん一筋だもん)
ユキト「僕はいま、シアワセなんです。 好きな人と好きなケーキに囲まれてて」
店主「よかったわねぇ〜」
〇大きな箪笥のある和室
呉服屋の母「はーあ」
呉服屋の母「まったく、ユキトさんたら。 あれから帰ってこないのよ、 どうしましょう」
呉服屋の爺「ガッハッハ。 ワシラもまだまだ若い。 跡継ぎなど、またいくらでも 作ればいいだろう? ガッハッハ」
呉服屋の母「もう〜旦那様ったら・・・」
ドレス姿の女「ねぇ〜んオジサマ〜 お嫁にしてくれるって 約束でしょ〜 まだなの〜」
呉服屋の母「誰この女!」
呉服屋の爺「行きつけの・・・オネエチャン・・・」
呉服屋の母「あなた帰りなさい!!! ワタシがこの家の女将よ!!!」
ドレス姿の女「エー こわ~い」
呉服屋の母「まったくもう!」
呉服屋の母(はーぁ、 ユキトさんとお嫁さん、 いいコだったのに 認めてあげたら良かったなぁ・・・)
〇ケーキ屋
スヤァ
パティシエさん「・・・」
パティシエさん「はっ!」
パティシエさん「ワタシ、 いま寝ちゃってた・・・」
シーン
誰もいない。
いつものお店。
ん・・・もしかして
パティシエさん「もしかして・・・いままでの・・・全部」
パティシエさん「夢?」
夢オチ?
パティシエさん「まさか・・・」
パティシエさん「そんな・・・」
カラララン
ドアが開いた。
ユキト「ただいま」
パティシエさん「きゃっ。 ユキトさん」
ユキト「驚かせてスミマセン」
パティシエさん「え?え?え?」
パティシエさん「夢?現実?どっち?」
〇海辺
おわり
これまでのキャラもたくさん登場の賑やかな回、そして告白ラッシュという微笑ましいストーリーにニヤニヤしてしまいました。さてめでたしめでたし、からの夢オチ!?に驚きました!
最後の夢オチが本当でもそうでなくても、パテイシエさんとユキトさんが結びつく過程がとても素敵で読者としてはいい夢みせてもらった気分です!
見覚えのある峰山先生たちの突然の登場にびっくりしました。作品を跨いで出演するんですね。ハッピーエンドと思いきや最後にまさかの夢オチなのか?現実なのか?タイトルの「夢見る」はどちらの「夢」なのか、解釈は読者次第です!ということかな。