タイムマシン・ハウス ~歴史を守る簡単なお仕事です~

本間 ミライ

タイムパトロール一家のお仕事~本能寺の編~(脚本)

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〇日本庭園
  天正十年 六月二日 本能寺
???「お困りのようね」
ミアセラ「織田信長さん」

〇黒

〇大きな木のある校舎

〇教室
日本史の吉田「紫式部のこの歌の意味」
日本史の吉田「時守、分かるか?」
時守 明日香「私!?」
時守 明日香「えっと」
時守 明日香「悪口ですかね?」
時守 明日香「あの人 めっちゃ毒舌だったんで」
日本史の吉田「あの人?」
時守 明日香「でも、人の悪口を書く分」
時守 明日香「自分の悪口もめちゃ書いてましたけど」
時守 明日香「結構ウジウジしてて 可愛い所あるんですよ」
時守 明日香「あの人!」
日本史の吉田「お前」
日本史の吉田「まるで知り合いみたいだな」
時守 明日香「あっ」
時守 明日香「いやその、母が友達で・・」
日本史の吉田「紫式部と?」
時守 明日香「あっ今のはその」
日本史の吉田「でもよく勉強してるな!」
日本史の吉田「感心感心」
時守 明日香「あはは」

〇通学路
坂本 涼子「紫式部と友達ってマジウケる!」
時守 明日香「そ、その話は」
近藤 恵「本当なの?」
坂本 涼子「んなワケねーじゃん」
時守 明日香「そうそう」
坂本 涼子「でも明日香の母親なら言うかもね」
坂本 涼子「喋り方変だし、やたら髪長いし」
坂本 涼子「めっちゃ平安貴族みたいでさ」
時守 明日香「・・」
坂本 涼子「てか明日香の家族みんな変だよね」
坂本 涼子「お父さんなんかさー」
時守 明日香「や、やめてー」
近藤 恵「なんか楽しそう! 一度会ってみたいかも」
坂本 涼子「今度遊び行こうぜ! 変人ばっかで面白いよ」
時守 明日香(変人)
時守 明日香(それだけなら良いんだけどね)
坂本 涼子「そうだ このままカラオケ行こうよ」
近藤 恵「良いね!」
坂本 涼子「明日香も行くっしょ?」
時守 明日香「あ、うん!行く行く!」
  お忙しい所、失礼します
  お仕事が入りましたので
  至急、ご帰還頂きたく存じます
  祖父より
時守 明日香(またご丁寧に)
時守 明日香「あ、ごめん! ちょっとバイト入ったみたい」
時守 明日香「あとで合流するから 場所決まったら教えて!」
坂本 涼子「あとでって」
近藤 恵「何時間歌えば良いんだろね」

〇一戸建て

〇おしゃれなリビングダイニング
時守 明日香「ただいま」
時守 明日香「って何この煙」
時守 明日香「・・」
アヒト「オカエリ」
アヒト「アスカ、肉、クウ?」
時守 明日香「お父さん」
時守 明日香「直火はやめてって いつも言ってるじゃん」
時守 明日香「やるならせめて庭で」
時子「よう戻ったの」
時守 明日香「あ、お母さん」
時子「頼んでいた 山田いこく先生の新刊は買って来たかの?」
時子「中世の男色文化を描いた ろまんす小説なのじゃが」
時守 明日香「あのさ 普通娘にそう言うの頼まないって」
時子「仕方なかろう! この時代の書物は面白いのじゃから!」
時子「異世界転生、同性愛 えすえふにみすてりー・・」
時子「何でもありじゃ!」
時守 明日香「はいはい」
おとよ「時子!このすっとこどっこい!」
時子「げっ、母上」
おとよ「いつになったら この時代に順応するんだい!」
おとよ「本ばっかり読んで!」
時子「は、母上だって 着物姿ではないか!」
おとよ「私はアンタと違って テーピーオーわきまえてんだよ!」
おとよ「べらぼうめい!」
時子「笑止」
時子「何でもかたかなにすれば良いと 思っておるのが浅いのではないか?」
おとよ「なにぃ!?」
時守 明日香(まあ英語だけどね)
おとよ「よし!こうなったら 丁半で白黒つけようじゃないか!」
おとよ「どっちが 時代に馴染んでるかどうか!」
時子「望むところじゃ!」
時子「じゃが」
時子「勝負は百人一首にせよ!」
時守 明日香(はぁ)
ジョン・トキモリ「お帰りなさい明日香さん」
プーちゃん「わん!」
時守 明日香「お爺ちゃん、プーちゃん」
時守 明日香「ただいま」
ジョン・トキモリ「お忙しい所、申し訳ありませんね」
時守 明日香「まあ仕事だしね」
時守 明日香「今回はどこ行くの?」
ジョン・トキモリ「天正10年6月2日です」
時守 明日香「天正10年!」
時守 明日香「っていつ?」
ジョン・トキモリ「ちょうど戦国時代です」
ジョン・トキモリ「あの有名な本能寺の変に 立ち会うことになります」
時守 明日香「へー」
ジョン・トキモリ「相変わらず 反応が薄いですね」
時守 明日香「ごめん 歴史あんま興味無くて」
ジョン・トキモリ「まあそれくらいの方が 良いのかもしれませんね」
ジョン・トキモリ「では皆さん揃った事ですし 今回のミッションを説明しましょうか」
  見ての通り私の家族は変わってる
  それもそのはず
  皆この時代の人ではないのだから

〇黒
  父は縄文時代から
  母は平安時代から
  祖母は江戸時代から
  そして祖父は未来から
  様々な時代を巡り、
  私たち時守家を築いた
  ペットのプーちゃんも
  未来のロボットだ

〇一戸建て
  そしてこの家は
  まるごとタイムマシンになっていて
  私たち時守家の仕事は
  タイムパトロールだ
  今回は
  あの本能寺に行くみたいだけど・・

〇おしゃれなリビングダイニング
おとよ「あの信長様に会えるのかい!」
おとよ「武家生まれの私としちゃ楽しみだねぇ」
時子「信長か よくらのべにも出てくるの」
時子「妖怪だったり、魔王だったり おなごだったり・・」
時子「実際どうなんじゃ?」
アヒト「ドウブツ、何いる?」
時守 明日香「普通に鹿とか猪じゃない?」
時守 明日香「あ、勝手にいなくならないでね」
ジョン・トキモリ「あくまで仕事なので はしゃぎ過ぎないようにして下さいね」
ジョン・トキモリ「では行きますよ」

〇一戸建て

〇古民家の居間
ジョン・トキモリ「はい 戦国時代に到着です」
プーちゃん(馬ver)「わん!」
ジョン・トキモリ「TPOシステムも 無事作動してますね」
  ※TPOシステムとは、時代に合わせて
  隊員の服装が変わる機能
  タイムマシンハウスも
  時代に合わせた内装・外装に変化するのだ
時子「父上!我らは変わっておらぬぞ!」
ジョン・トキモリ「その格好で問題無いのでしょう」
時子「なんじゃ 今回はこすぷれ無しか」
ジョン・トキモリ「では仕事に参りましょう」

〇城下町
時守 明日香「この煙、本能寺からじゃない?」
時守 明日香「もう本能寺の変 始めてるんじゃ・・」
おとよ「ちょっとアンタ! これじゃあ信長様に会えないじゃないか!」
ジョン・トキモリ「すみません 最近ちょっと調子悪いみたいで」
ジョン・トキモリ「もう少し早めの筈だったんですが」
時子「ん?誰かこっちに来るみたいじゃぞ」
アヒト「肉?」
ジョン・トキモリ「あれは!」
明智光秀「くっ!ここまでか!?」
ジョン・トキモリ「光秀さん 屈んで下さい!」
ジョン・トキモリ「ケガはないですか?」
明智光秀「お主 まさかトキモリ殿か!?」
ジョン・トキモリ「お久しぶりです」
明智光秀「随分老けたのぉ」
ジョン・トキモリ「それより このロボット兵一体何処から?」
ジョン・トキモリ「本能寺で何かあったのですか?」
明智光秀「あぁそうじゃ」
明智光秀「奇っ怪な女と 変なマスクをした二人の男が現れて」
ジョン・トキモリ(またあの三人組ですか)
明智光秀「とにかく!詳しい話は後にします故、 急いで本能寺へ!」
明智光秀「敵は本能寺にあり!」
時守 明日香「何か聞いたことある!」
おとよ「あれが明智光秀かい いい男じゃないか!」
アヒト「ハラヘッタ」
時子「漫画でも読みたいの」

〇日本庭園
ミアセラ「だから 助けてあげるって言ってるじゃない!」
織田信長「要らぬ!」
織田信長「ワシは表舞台からは消えるのだ」
織田信長「とっくに話はついておる」
ミアセラ「強情な人ね」
戦闘員B「ミアセラさま」
戦闘員A「またタイムパトロールの連中が!」
ジョン・トキモリ「今日こそ 大人しく捕まって下さいね~」
明智光秀「信長様 今お助けしますぞ!」
ミアセラ「あーもう!信長が頑固だから 来ちゃったじゃない!」
ミアセラ「仕方ない」
ミアセラ「やっちまうよ!」
「了!」
時子「!」
アヒト「トキコ、マモル!」
時子「我が君・・」
明智光秀「くっ!」
おとよ「アンタ達、何やってんだい!」
明智光秀「あのような鉄の怪物 どうしたら・・」
おとよ「このすっとこどっこい!」
おとよ「アンタ達 侍だろ!」
おとよ「侍なら しっかり主君守んな!」
明智光秀「そうだ 私は信長様の家臣」
「うおぉぉ!」
ジョン・トキモリ「さあ追い詰めましたよ」
ミアセラ「あんたもしつこいねぇ」
ジョン・トキモリ「お互い様ですよ」
ミアセラ「でも今日の私はいつもと違うわよ」
ミアセラ「新兵器を持ってきたからね」
ミアセラ「さあやっちまいな!」
ジョン・トキモリ「明日香さん」
時守 明日香「あ、うん」
時守 明日香「プーちゃんおいで」
プーちゃん(戦闘モード)「わん!」
時守 明日香「あんまり暴れすぎちゃダメだよ?」
プーちゃん(戦闘モード)「ウー、わん!」
ミアセラ「呆気ない」
ミアセラ「ア、アンタ達!覚えてなさいよ!」
時守 明日香「逃げ足はや!」
ジョン・トキモリ「ですね」

〇森の中
明智光秀「どう言うおつもりですか! 本当に死ぬつもりだったなど!」
明智光秀「秀吉殿とも よく話し合ったではありませぬか!」
織田信長「・・」
織田信長「天下布武の為とは言え 多くの命を奪ったワシじゃ」
織田信長「地獄の業火に焼かれるのも 悪くないと思うてな」
明智光秀「演出とは言え 本当に討ち取ってしまったら」
明智光秀「皆に会わせる顔がございませぬ!」
明智光秀「生きてくだされ!信長様!」
織田信長「光秀・・」
織田信長「わかった」
織田信長「その代わり」
織田信長「天下を頼んだぞ!」
織田信長「サルにもそう伝えてくれ」
明智光秀「信長様」
明智光秀「この明智光秀、必ずや天下・・いえ その礎となりましょう!」
おとよ「まさか本能寺の変が 計画された事だったなんてねぇ」
ジョン・トキモリ「私も驚きです」
時守 明日香「よく分かんないけどさ」
時守 明日香「みんな超仲良しってことで良いの?」
ジョン・トキモリ「ええ そう言う解釈で良いと思いますよ」
織田信長「トキモリよ 久しいな」
織田信長「お主も老けたのぉ」
ジョン・トキモリ「殿の方こそ」
時守 明日香「織田さんとも知り合いなの?」
ジョン・トキモリ「ええ若い頃お世話になりました」
時守 明日香「顔ひろ!」
おとよ「なあアンタ 少し観光しても良いかねぇ?」
おとよ「戦国時代には一度来てみたかったんだよ」
ジョン・トキモリ「構いませんよ」
ジョン・トキモリ「あ、でも」
おとよ「目立たないように!だろ? わかってるさ」
時子「我は帰って漫画読みたいんじゃが」
アヒト「肉!?」
時守 明日香「あ、ちょっとお父さん!」
時守 明日香「ごめんお爺ちゃん お父さん追いかけて来るね!」
ジョン・トキモリ「あ、はい」
織田信長「トキモリよ」
織田信長「お主の言っていた野望は どうやら叶ったようだの」
織田信長「家族を築きたいと言っていた野望が」
ジョン・トキモリ「はい!」
織田信長「しかし困った」
織田信長「ワシはあそこで死ぬつもりだったからの」
織田信長「この先どうしたら・・」
ジョン・トキモリ「では殿 こう言うのはいかがでしょう?」

〇おしゃれなリビングダイニング
時守 明日香「連れてきて良かったの?」
ジョン・トキモリ「えぇ、問題ございません」
ジョン・トキモリ「彼はあそこで死んだことになってますから」
ジョン・トキモリ「それに上には許可を頂きましたし」
ジョン・トキモリ「良い転居先(時代)が 見つかるまでの間ですから」
時守 明日香「結構緩いよね タイムパトロールも」
織田信長「おい!娘!一体どうなってる?」
時守 明日香「ん?どうしたんですか?」
織田信長「このえすえぬえす? と言う物をやってみたのだが」
織田信長「ワシへの侮辱が止まらんぞ!」
時守 明日香「あーこっちでも炎上しちゃってるんだ」
  続く?

コメント

  • 予選通過おめでとうございます!!
    さすがの力作ですね 🤗
    迫力もあって歴史の裏事情が感じられて、楽しかったです😆

  • タイムトラベルものだと緊迫した展開が多いですが、緩~いタイムパトロールというのは新しく、ほっこりしますね^^
    みんなが知ってる本能寺の変が題材というのも、お話のフォーマットが分かりやすく伝わってきました!
    私だったらどこの時代に描くだろうか…人類が生まれる前の恐竜の時代とかにするかもしれません。笑

  • TPOシステムが便利すぎる笑

    実際どうだったか見てみたい過去の物事いっぱいありますからね。個人的にはスパルタの戦士達とかみてみたい。

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