深川シンデレラ

ぽむ

深川シンデレラ参上(脚本)

深川シンデレラ

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深川シンデレラ
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〇荒れた公園
ようこ「キャハハハ でさー」
  ♬〜
  
  防災無線から音楽が流れてきた。
なおと「あっ僕もう帰る時間。 じゃあまた、明日ね」
ようこ「うん、またね、バイバーイ」
  タッタッタッ
ようこ「みんな、帰ってっちゃった」
  ワタシはヨウコ。
  両親は共働きだから、
  いつも家では一人ぼっち。
ようこ「もう四年生だから、もう今年から 学童卒業して通えないし。 友達は塾とか忙しいし。 つまんないな」
  だから、いつもこの公園にいた。
  お気に入り。
  
  でも、ここには、あんまり近づくなって
  大人はいう。
ようこ「ここは危ないからって。 みんな言う。 そんなことないのに」
  いまは昭和。
  
  まだ、
  ギャルもスマホも携帯ゲームもない、
  アナログ時代。
  家庭用テレビゲームや自転車は、
  ワタシじゃ
  高くて買えないから。
  お金持ちしかもってないし。
  遊ぶことといえば、
  
  駄菓子屋か
  ゲームセンターや
  スーパーの屋上遊園地で遊ぶか、
  公園で遊ぶくらい。
  居場所を求めて、
  子どもたちはさまよっていた。
  
  お金を持ってない
  ワタシの居場所は、
  ココの公園だっただけ。
  ぐー。
  
  お腹の虫が鳴った。
ようこ「お腹すいた・・・」
カオリ「やー!ヨウコまた来たよー!」
ようこ「あっ、カオリお姉ちゃん!!! こんにちはー」
カオリ「ほら、バイト先でもらってきた お菓子あるよ。 食べな!」
ようこ「わーい!ありがとう!!! お姉ちゃん大好き!!!」
  キキー。バタン。
  
  公園に似合わない
  一台の高級車が止まった。
  カッカッカッ
ハナ「やぁ。 もう来てたのかい?」
ようこ「ハナさん!!! こ、こんにちは!」
ハナ「ヨウコちゃんはカワイイねぇ」
  ハナはヨウコの頭を撫でた。
ハナ「はい、ワタシもお菓子あげるよ」
ようこ(メッチャ高そうなお菓子・・・)
ようこ「ありがとうございます」
ハナ「本当にヨウコちゃんは礼儀正しくていいね。ワタシはそういうの、好きよ。 礼儀は大事だもの」
カオリ「やぁ、ハナ。 相変わらずだね」
ハナ「じぃやが、ひとりで行かせてくれないもんだからさ、仕方なく車で来たよ」
ハナ「キョウコはまだ?」
カオリ「もうすぐ来るんじゃない?」
  「おまたせーーーー!」
キョウコ「ごめーーーーん 待たせてホントごめんね。 弟の世話が手間取ってしまって」
カオリ「しょうがないよね キョウコのところは 兄弟たくさんいるから」
ハナ「うちトコで預かろか?」
キョウコ「いい、いい、 きょうはウチにママいるから」
ハナ「じゃ、行こうか。 ヨウコちゃん、バイバイねー♡」
ようこ「ありがとうございましたー! バイバーイ」
ようこ(お姉ちゃん達、 いつもココで待ち合わせしてる)
ようこ(なんのチームか、わからないけど。 みんな綺麗だしカッコいいし。 ダンスのチームとかなのかな?)
アニ「おい、おまえ」
ようこ「あっ八百屋の息子のマサやん」
アニ「ようー元気しとるか?」
ようこ「うん、まぁ元気だよ」
ようこ(このひと、ものっそい 強面だけど、 わりと、優しいんだよなぁ)
オト「アニキー なにしてんの?」
アニ「おう、弟よ。 そうそう、 カオリ見いへんかった?」
ようこ「カオリ姉ちゃんなら、 もう行っちゃったよ」
アニ「そっか。 俺等も行こか」
ようこ「どこ行くの?」
アニ「ええもん見れるで。 ついてきな」

〇川に架かる橋の下
オト「アニキー そろそろですよ」
アニ「あぁ、よう見ときー」
ようこ(人が集まってきた。 何が始まるんだろう?)
  パラリラパラリラ〜♪
  パラリラパラリラ〜♪
オト「メッチャ集まってきた。 ゾクゾクするぅ〜」
ようこ(あっ、あれは・・・)
  お姉ちゃん達・・・
  パラリラパラリラ〜
  
  たくさんのバイクが集結している。
  
  ブロロロロロー
  キキー。
つよし「待たせたな。 準備はいいか?」
カオリ「あぁ、いつでもいいぜ。 準備はできてる」
つよし「野郎ども!準備はととのった! やっちまえ!」
  わーーーーーー
  
  バイクに乗ってた奴らが、周囲を取り囲み
  一斉に襲いかかってきた。
カオリ「フッ」
ザコ「うわーーー」
カオリ「剣道五段の腕前、 なめんなよ!!!」
キョウコ「今度はワタシね。 えいっ」
ザコ「ぐわーーーーーーー!!!」
キョウコ「こう見えて、中国拳法の達人なんだからね!!!」
ハナ「今度はワタシかしら。 久々で腕がなるわ」
ザコ「ぎゃーーーーー!!!」
ハナ「花火使いのハナよ。 火の扱いなら任せなさい」
ようこ「す、すごい強い・・・ あんなに人がいるのに、 三人で、どんどん倒してく・・・」
アニ「あぁ、さすがは、 深川シンデレラだ」
ようこ「深川シンデレラ?」
オト「そう、伝説のチームさ」
アニ「俺等も彼女たちに負け、強さに惚れて 傘下に入ったのさ。 姉さんたちは最強さ」
ようこ「深川シンデレラ・・・」
  それがワタシの
  伝説を目の当たりにした
  初めて、だった。

〇東京全景
  そう・・・彼女たちは人知れず、
  街のために秩序を乱す奴らと戦う
  伝説のチーム。
  
  深川シンデレラ。
  その正体は、誰も知らない。
  
  実際に戦った者たち以外は・・・
  そして、戦った者たちは、
  みな敗者になり、
  
  彼女たちの傘下になるという・・・

〇荒れた公園
ようこ「お姉ちゃん達、 カッコよかったし、 凄かったな・・・」
ようこ「あんなに凄い人たちって 知らなかったよ」
アニ「でも、誰にも言っちゃダメだぜ。 俺らの秘密だからな」
ようこ「どうして?」
オト「言うと、この街から、 消されちゃうんだ・・・ 怖いだろう。、」
ようこ「そうなんだ」
ようこ(なんか知られたらいけない事情でもあるんかな?)
アニ「敵が「深川シンデレラ」の正体を暴こうと、必死で探りを入れてくるからさ」
アニ「深川シンデレラがトップだから、 倒せば、覇権を握れると思っているんだろう。 チーム名で女だと噂され、侮ってる奴も多いしな」
アニ「今回の決闘も、仲介役に頼んで、 場所を決めてもらったんだぜ」
アニ「な、つよし兄貴」
つよし「あぁ」
ようこ「あっアナタ。 最初に真ん中にいたひと! 敵のボスかと思ってたよ」
つよし「違う違う、俺は仲介役。 戦いたい奴に頼まれてるだけ。 俺も彼女たちの仲間だよ」
つよし「だって、俺も負けた奴の一人だからさ・・・」
ようこ「そうなんだ。 でもなんでワタシに そんなに大事なこと 教えてくれるの?」
つよし「ヨウコちゃんが、彼女たちに可愛がられてるのを俺は知ってるよ。 だから、ヨウコちゃんには話していいかなと思ったんだ」
アニ「ヨウコちゃんは見た目とかで、 差別しないもんな」
ようこ「うん、だってみんなのこと 昔から知ってるし」
つよし「でさ、 今回も彼女たちの圧勝だったから、 またチームメンバーが増えたよ。 ザコばっかり増えて統率が大変でさ・・・」
アニ「ヨウコちゃんも、なにかあったら 言うんだぞ」
ようこ「うん、わかったわ」

〇教室の教壇
マイ「きのう、河川敷で乱闘騒ぎがあったらしいです。 危ないので、公園や河川敷には 近づかないように。 いいですね!?」
なおと「はーい」
ようこ(お姉ちゃん達が悪い奴らから、 守ってくれてて、危なくないのに・・・)
なおと「怖いね・・・ヨウコちゃん」
ようこ「・・・」
ようこ(でも言わないって約束したもんね)

〇廃墟と化した学校
  ここ深川ブロックには
  深川一中〜八中まであり、
  特に三、五、八中の強い猛者が集まり
  三五八連合としてチームを組んでいた。
  老朽化した学校を根城とし、
  彼らは深川シンデレラの行方を追っていた。
  どうにかして、仲間にしたい、と。
ケント「俺等はかなり強い。 この辺は、もう相当支配した。 深川シンデレラを除いてな」
アキト「北側のチームが襲ってくる心配もありますぜ」
ケント「深川地区を強くするには、奴らをどうしても手に入れたい」
たけし「この間の乱闘で〜 イサミのチームも傘下になったようで〜 勢力拡大してる〜」
アキト「相当強いんだな」
ケント「シンデレラとは戦いたくない 俺等も相当被害が出るだろうし 勢力を弱めたくないからな」
ケント「それより、同盟を組んで 北側や西側の奴らに対抗して 勢力を拡大したい。 都内、いずれ全国制覇はオレたちのものだ」
アキト「さっすがケント。 理想の規模が違うぜ」
たけし「オレたちは〜 賢いケントについていくだけ〜」
ケント「よし、交渉だ」

〇荒れた公園
ようこ「キャハハ」
ようこ「スプレーで落書き、 楽しいなぁー」
オト「楽しそうっすねぇ アニキ」
アニ「これだけ、 大きいキャンバスがあるんだもんな。 ハナお嬢の私有地だから、誰も文句は言えないしな」
ハナ「フフ、カーワイイ」
オト「ここ一帯が、お嬢の持ち物ですもんね・・・」
アニ「ココの治安を守る、て意味でも お嬢自らが仕切っていて すげえなって思うよ」
オト「お大臣様のお嬢ですもんな・・・ そりゃ強いや」
ハナ「だから、友達も近寄ってくれなくて。 強くなきゃいけないって育ったし。 キョウコとカオリは、 ワタシの大事な仲間なの」
ハナ「ヨウコちゃんもね。 ウフフ・・・」
「お嬢・・・」
ケント「やぁ、君たち? 「つよし」ってやつを知らないか?」
アニ「アンタ誰だ?」
ケント「知ってそうだから、 聞いてみただけだよ。 僕はケント。 三五八連合の頭さ。」
オト「あ、あの深川最狂って言われる・・・ 戦ったやつが全員病院送りにされるって有名な・・・」
ケント「そんなこと言ってるの? 参ったな・・・ 手加減してるんだよ俺等も」
ケント「ところで、 「深川シンデレラ」とコンタクトを取りたくて、「つよし」って奴を探しているんだ」
  はっ
アニ「アンタも・・・戦うのかい?」
ケント「いや、話し合いをしたいんだよ。 同盟を結びたいと思って」
ケント「最近、北側や西側のチームから メンバーがやられる事件が増えててさ・・・ こちらに遠征してるらしいんだよ」
ケント「お互いに深川最強なら、 同盟を結んでこの地区を 守っていたほうがいいかなって」
オト「アニキ・・・」
アニ「その話が本当なら、 紹介してやってもいいぜ 本気で戦う気がないのならな。 あと手土産くらいの礼儀、 気が効かないとな」
ケント「そんなの当たり前じゃないか。 ほらよっ」
  バサッ
ケント「ほらよ、駄賃だ。 案内してくれよ」
アニ「しゃーねーな、俺についてきな」
  タッタッタッ
ハナ「・・・」

〇シックなバー
アニ「兄貴、連れてきましたぜ」
ケント「お前が、「つよし」か」
つよし「あぁ、コイツから話は、聞いてるぜ。 アンタ、かなり強いんだってな」
ケント「まぁな。 しかし、俺等は「深川シンデレラ」とやり合う気はない。 それだけは、言っておく」
ケント「穏便に話そうぜ」
つよし「まぁ、一杯どうだ? ここのは美味いのばかりだぜ」
ケント「酔える麦茶か」
つよし「そうだな」
ケント「じゃあ、これで一杯もらうぜ」
  バサッ
つよし「金か。 随分と羽振りがいいんだな」
ケント「倒した奴らから随分と 召し上げたからな」
つよし「なるほど・・・」
  カラン。
  氷の音が店内に鳴り響く。
つよし「日時はこちらから指定する。 連絡先を教えろ」
ケント「わかった。ありがとな」
  バタン
オト「あれ・・・信用できるんですかい? アニキ・・・」
カオリ「カウンター裏で聞いてたわよ〜」
アニ「!?カオリさん! いたんですかい!?」
ハナ「だって横で聞いてたから〜 先回りしちゃった」
カオリ「何を企んでるか知らないけど、 今の状況下は、 手を結んでいて損はないように思う。 被害は最小限にしたいしな」
つよし「そうだな。 じゃあ、会見場をセッティングしておくよ」

〇神社の出店
  ドンドンドンドン
カオリ「うっふー リンゴ飴〜」
ハナ「もう〜カオリはいつでも オコチャマなんだから〜」
カオリ「そりゃ、江戸っ子だもの、 祭りの血が騒ぐわよぉ〜 ねぇキョウコ〜」

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コメント

  • あいうえお作文みたいな愛死美絵無の説明している間に敵に殴られそうだけど、みんないい人ばかりで良かった。さすがにお嬢のハナは金のかかりそうな花火使いなんですね。どうやって相手を倒すのか見てみたい。

  • とても素敵な女性たちですね。深川シンデレラというネーミングも彼女達の活動にとてもマッチしていていると思いました。ようこちゃんをはじめ、子供たちにとっても憧れの存在ですね。

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