長女は家族を養いたい~凍死から始まるお仕事冒険記~

灰色サレナ

思いもよらない襲撃(脚本)

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灰色サレナ

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〇けもの道
  夜の帳が落ち切って、さあ眠ろうかと弥生達が寝る準備を整えていた時に襲撃は起こった。
エキドナ・アルカーノ「・・・・・・釈然《しゃくぜん》としないねぇ」
  エキドナはぞんざいに左手で魔狼《まろう》を殴りつける。
  何の構えもない、ただ単に彼らが飛び込んでくるのに合わせて振っただけだ。
  たったそれだけで・・・ごきん、と魔狼の首があらぬ方向に折れ曲がり、明らかな即死である。
エキドナ・アルカーノ「探す手間は省けてるけど・・・・・・ちょっと多くないかねぇ。君ら」
魔狼「ウゥオゥゥゥ!!」
魔狼「グルゥゥ」
  見える限りには15、6匹ほどの魔狼にエキドナは取り囲まれていた。
エキドナ・アルカーノ「弥生たちに向かわなかったのだけは評価するけどねぇ」
  あまり離れるとカバーが間に合わない事を考慮して、エキドナは野営地から数十メートルほどの開けた草場で魔狼を駆逐していた。
エキドナ・アルカーノ「人間相手なら良い線行くんだけどねぇ」
  軽やかに脚を|翻《ひるがえ》しエキドナの蹴りが空気を抉る。
エキドナ・アルカーノ「観客無しだから手早くいくよっ!」
  後ろから迫る魔狼の頭に突き刺さる踵《かかと》は勢いをそのままに、魔狼の頭を地面とサンドイッチにする。
  その威力はハンマーで殴りつけたかのように脳症や目玉を散乱させた。
エキドナ・アルカーノ「最近派手に君らを間引きしたから引けないのは分かるけどねぇ・・・・・・」
  ――ぐしゃり
エキドナ・アルカーノ「全滅するまでやるかい?」
  とびかかってきた魔狼をひらりと躱してエキドナは背骨の辺りを握り・・・・・・いや、抉った。
  エキドナは手の中に残った背骨の一部を見せつけるように軽々と握力で砕きつつ、言葉が通じないのは承知で問いかける。
  そのパフォーマンスを受けて残り数匹となった魔狼がひるむ様子をエキドナは見逃さなかった。しかし、同時に疑問も沸く。
エキドナ・アルカーノ(なぜ退かないのかねぇ?)
  これだけ数を減らされてエキドナ自身へは傷一つ付けられず、同族の血でその身を染める相手に恐怖位は感じているはず。
  魔狼に生存本能とやらがあるのであればとっくに逃げていてもおかしくはない。
エキドナ・アルカーノ「これは誘われたのかなぁ??」
  この魔狼は囮だったのかとエキドナは疑い半分に知覚を広げる。
  本気でやれば半径50メートル位どうということもない。
エキドナ・アルカーノ「君等で最後の様だねぇ。 本気で運が悪かっただけかな?」
  念入りに探査したがエキドナが補足できたのは相変わらずテントの中でおとなしくしている弥生達。
エキドナ・アルカーノ「まあいいや、君等の生態には興味が無いからさぁ」
エキドナ・アルカーノ「駆除してさっさと水浴びしたいんだよね・・・おねーさんは、生臭くてしょうがないよ」
  さく・・・と、赤い露に染まる草を踏み。
エキドナ・アルカーノ「しかも毒があって食べれないとか残念肉だし」
  エキドナが嗤う、普段は見せない捕食者の眼で魔狼を睥睨し
エキドナ・アルカーノ「何よりタイミングが悪いよ? 昼間だったら追い返す程度で済ませてもよかったのにさぁ」
  足を竦ませ魔狼は後ずさる、本能的な命令からしっぽを巻いて逃げたい。
  普段なら狩りに失敗した時などはそんなこともある。
  だが、エキドナから発せられる殺意に身体がいうことを聞かない。
エキドナ・アルカーノ「弥生達からは見えないだろうから・・・気を使わなくていい事だけは感謝するよ」

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