エピソード1 「友」(脚本)
〇教室
ガラテア(♪)
女教師の「ルージュ」に連れてこられたのは3年4組の教室だ
すると、ルージュは猫のキーホルダーは誰のものなのか右手でぶら下げながら全員に問う
ガラテア「〜♪」
ガラテアは手を後ろで重ねて、猫ちゃんが無事に戻るようワクワクしながら待っている
乾「あ?知るかよ、んなもん・・・そこの感情がねえつまらん女が落としたんじゃないのか?」
突然、右奥の席から手前に数えて2番目の不良が机に足を置きながら大声でそう言った
ガラテアのワクワクしていた気持ちは一瞬にして打ち砕かれてしまう
乾「おい、てめーのだろ?答えろ言っとくけどよ俺らのグループは女なんかにも容赦しねーからな」
”生まれつき”言葉が話せないのをルージュ以外知らないため、どうするべきかわからず焦ってしまう
乾「ちっ・・・てめーのとこに今から行ってやる逃げんなよ」
彼の暴走をルージュが止めようと右手を掴むが、不良は怒りに任せてその手を振り払う
恐怖で足がガクガクしているところに不良が拳を握り振り上げる
乾「オラあっ!」
神宮「やめろや、女の子に触ろうとしてんじゃねえぞ」
乾「げ、げっ!?神宮!居たのかよ!」
神宮「お前はもう喋んないでいい!!一生黙って地面に這いつくばってろ」
乾「ちっ・・・くそが!!いつかてめーらボコボコにしてやるからな!」
神宮「ごめんね、怖かったよな・・・ほら」
彼女が渡してくれたのはあの「猫のキーホルダー」だ
神宮「これ、あたしのなんだけど特別にあげる!君もキーホルダー探しに協力してくれたクチだろうから」
ガラテアはそのキーホルダーを両手で大事に包み込み目をキラキラと輝かせる
神宮「喜んでくれてよかった!辛くなったらこれ見るかあたしに頼っていいからな」
深くお辞儀をしてまたマジマジとそのキーホルダーを見つめる
神宮((ピュアな子でかわいいなあ・・・))
神宮「あ、ごめん!!みんな驚かせちゃったよな」
周りは少し困惑気味ではあるが、大丈夫だと言う
神宮「うん!ありがと!」
二人が出会って早々なかよくなって空気もさきほどよりも和らいだので、ルージュがガラテアの紹介を始める
言葉が発せない子だというのをみんなに伝えたのちに今度は生徒みんなへお辞儀をする
「よろしくね!」と、みんな快く迎え入れてくれた
一部を除いて・・・
そして、それからすべてのクラスに挨拶しに回ったあと一人で美術室に置いたままのドレスを取りに戻る
だが・・・そこにいたのは・・・
なぜか、神宮がガラテアのドレスを鼻と口を覆うようにして香りを堪能していた
神宮「ガラテア・・・ガラテア・・・!」
不思議な行動に思わず引いてしまう
神宮「ガラテアの匂い・・・・・・やっぱり見た目通りいい香りぃ」
一つ後ろに足を引こうとしたら、そのまま後ろへ倒れてしまい音を立ててしまう
神宮「だ、だだだだだ誰かいるの!?」
急いで隠れるため立ちあがろうとした、その瞬間に見つかってしまう
神宮「が、ガラテアちゃ・・・・・・んだったの?てことは全部・・・」
目を閉じて何か考え込む神宮に謝罪をすべきと思いあたふたする
神宮「ふふっ焦らなくていいんだよ言ってなかったよね・・・実はあたしね・・・女の子同士だとどうしてもドキドキしちゃう人なの」
神宮「あははっ!困惑してるねまあ無理もないよ〜こういう人もいるんだなーぐらいで心に留めておいてくれるだけであたしは充分よ」
神宮「あ、ごめんねドレス返すね!嫌だったら洗って返すよ」
首を横に振り美術室に入り、ロッカーを開けるとドアに体を隠したまま着替え始める
神宮「ね、ねえガラテアちゃんもう帰っちゃうの?」
すると、ガラテアは右手だけをドアの陰から出しピースを作る
神宮「帰っちゃう・・・てことでいいのかな・・・だったらさあたしも一緒に帰るよ一人じゃ危ないだろうから」
神宮「あ、ごめん気にしないで!冗談だよ〜たしかにこれからもあたしは授業あるもんね」
神宮((いつかガラテアちゃんと一緒に帰ってみたいな・・・))
この学校に馴染むその日までは叶わないかもしれない、そんな儚い気持ちをはせる
ガラテア「〜♪」
神宮「ガラテアちゃんご機嫌だね」
神宮「ふふっ、ノリノリになっててかわいい〜」
やっぱりこの服の方が落ち着くのか着替え終わったのと同時に近くの椅子に座り込む
神宮「(ドレス・・・!!?や、やばいめちゃめちゃかわいい!)」
神宮「(ほんとにお人形さんみたいだ・・・!きれいすぎるううぅ!)」
神宮「(ああ〜、尊っ)」
神宮「(やばすぎる・・・ガラテアちゃんまじでかわいい)」
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