エピソード1(脚本)
〇謁見の間
〇謁見の間
〇謁見の間
〇謁見の間
〇謁見の間
「ヒギャアーー!」
〇謁見の間
〇ダイニング
新平「僕の名前は平沢新平 どこにでもいる小学生」
新平「父親も母親もどこにでもいる両親で 僕たちはどこにでもいる普通の家族」
新平「最近変わったことといえば父さんが リモート勤務でずっと家にいるって事かな?」
〇一軒家
〇一軒家
ある朝
〇飾りの多い玄関
「オハヨウゴザイマース 隣ニ引ッ越シテ来ましたバーミューレンデス」
ベリックス「オハヨウゴザイマース」
雄平「これはどうも! おはようございます!」
恵子「おはようございます」
新平「おはようございます」
ラザロ「昨日、オ隣ニ引ッ越シテキマシタ オ隣ドウシオ付キ合イヨロシクオ願イシマス」
ラザロ「私ハ ラザロ・バーミューレンデス」
ミリアス「私ハ ミリアス・バーミューレンデス」
ミリアス「コチラ、引ッ越シ蕎麦デス オ受ケ取リ下サイ」
アリス「私ハ アリス・バーミューレンデス! ヨロシク!」
ベリックス「僕ハベリックスデス!」
恵子「とてもご丁寧に」
雄平「私は平沢雄平です 妻の恵子と息子の新平です」
新平「よろしくお願いします」
ラザロ「新平サンハオイクツデスカ?」
新平「じ、十二歳です」
ミリアス「アラ、アリスト同ジ歳デスネ!」
ラザロ「ジャア新平サン アリスノ友達ニナッテアゲタクダサイ」
アリス「ヨロシク!」
〇一軒家
朝、突然現れたバーミューレンさん家族
丁寧な挨拶の後、たくさんお喋りをした
〇飾りの多い玄関
ラザロ「長々オジマシマシタ 今後共ヨロシクオ願イシマース」
恵子「突然だったけど良い人達だったね」
雄平「そうだな アリュードの大使館にお勤めか」
恵子「心平には突然お友達ができたね」
雄平「そうだな、かわいい友達が」
新平「父さん、引っ越しの蕎麦って?」
恵子「引っ越し蕎麦よ」
新平「引っ越し蕎麦?」
恵子「昔は、お引っ越しの時に 引っ越し先の近所に蕎麦を配って挨拶したの」
雄平「最近は近所付き合いがなくなって その習慣も無くなったな」
三郷「おはようございます バーミューレン家の使用人です」
恵子「あらどうも」
新平(使用人?)
三郷「先程は、当主のラザロ様に 丁寧に接していただき感謝いたします」
恵子「いえいえ」
三郷「しかし──」
三郷「ラザロ様は、小国アリュードといえど 現国王の弟、王位継承権第二位なのです!」
三郷「さらに現国王は子供がなく アリス様は次の王妃とされる方です!」
三郷「当主ラザロは世間知らずの人間です! その点お気遣い願います!!️」
新平「は、はい!」
〇ダイニング
雄平「じゃ、ラザロさんは国王の弟か 大使館勤務じゃなく、大使館で、、」
雄平「国王の弟ってどんな仕事をするのかな?」
恵子「あのかわいい召使いさん まだ子供よね?」
雄平「そうだな」
新平「・・・・。」
恵子「新平、なにぼーっとしてるの! もう学校よ!」
新平「あ、そうか」
〇一軒家
新平「行ってきまーす」
〇住宅街の道
ベリックス「新平サン オハヨウコザイマス」
新平「おはよー」
ベリックス「新平サン 野球スルデスカ?」
新平「リトルリーグでね」
ベリックス「スゴイ! 甲子園目指シテイルデスネ! 尊敬シマス!」
新平(うーん 甲子園は無理かな)
ベリックス「僕野球シタイノニ、皆サッカーバカリデス」
新平「そうなんだ、じゃ今日そこで野球する?」
ベリックス「ホントデスカ? アリカトウゴザイマス!」
ベリックス「楽シミニシマス!」
新平「じゃ、4時に河原のグラウンドで」
ベリックス「ハイ!」
〇土手
夕方、僕はベリックスと野球をした。
「投ゲマース!」
「おー! 来い!」
「内角低メニストレートデス!」
「アー! マタレフトニ! リベリオ走ッテ!」
「ハイー! ベリックス様!」
〇一軒家
その夜
〇学生の一人部屋
〇女の子の二人部屋
ベリックス「新平サン! 今日ハアリガトウゴザイマシタ!」
ベリックス「マタ明日モ野球シテクダサイ!」
〇学生の一人部屋
新平「明日は塾だから無理かな 土曜日の朝10時はどう?」
〇女の子の二人部屋
ベリックス「ワカリマシタ! 土曜日10時デ!」
アリス「ベリックスト遊ンデクレテアリガトウ」
ベリックス「ジャア、新平サン! オヤスミナサイ!」
〇学生の一人部屋
新平「おやすみー」
新平「・・・・。」
新平(アリスさんカーテン閉めないんだ。。)
〇女の子の二人部屋
〇学生の一人部屋
新平「・・・・。」
新平「はい?」
「お嬢様は次の王妃と目されている人で! 世間知らずです!」
「お気遣い願います!」
新平「はっ、はい」
新平「なんで、電話番号知っているんだろ・・」
〇おしゃれな居間
三郷「・・・・。」
〇住宅街の道
「新平サン オハヨウゴザイマス!」
新平「お・・おはよう」
アリス「実ハ、今日カラ私モ学校ニ行クンデス! トテモ楽シミデス!」
新平「そうなんだ ・・君も?」
三郷「私は警護の為」
新平「そ・・そうなんだ。。」
〇教室
先生「皆、転校生のアリスさんと 三郷さんだ、仲良くしてやってくれ」
アリス「ヨロシクオ願イシマース」
女の子B「よろしくー」
〇教室
数学の授業
〇教室
国語の授業
アリスさんは日本の国語が苦手なようだ
〇教室
英語の授業
〇教室
昼の休憩時間
〇音楽室
音楽の授業
アリスさんはピアノを弾いた
〇学校脇の道
アリス「学校ハ楽シイデスネ! 明日ハ理科ッテナニヲスルンデショウネ!」
三郷「アリス様楽しみですね」
アリス「アレ? アレハナンデショウ?」
〇ゲームセンター
新平「クレーンゲームさ」
アリス「クレーンゲーム?」
新平「こうやって遊ぶんだ」
新平「はい アリスさんプレゼント」
アリス「カワイイ! アリガトウゴザイマス」
アリス「デモ、チョット大キイネ」
新平「じゃ、ベリックスにあげればいいよ」
アリス「男ノ子ニ、ヌイグルミ?」
新平「叩いたり、枕にしたり 男の子でも遊ぶよ」
アリス「ソウナンデスネ」
新平「アリスさんは、ままごととかした?」
アリス「ママゴト?」
新平「あれ?、ままごとってよく考えたら 変な日本語だなぁ」
三郷「ままごと(MAMAごと)ですからね」
アリス「MAMAゴト?」
新平「お母さんごっこ お人形さんごっこ?、かな?」
新平「人形をお父さんにして 家族ごっこをするんだよ」
アリス「人形ニ役目ヲ与エルンデスカ?」
新平「そう人形をお父さんにさ」
アリス「アッ、私オ姫様ゴッコシタコトアリマス」
新平「お姫様ごっこ?」
三郷「ままごとはどうやら日本的みたいですね」
新平「そうなんだ 外国の人って違うんだ」
アリス「コノ前モベリックスガ私ヲオ姫様ニシテ 木ノ指輪ヲプレゼントシテクレタンデス」
アリス「「オ姫様、僕ハオ金ノナイ貧乏人デスガ アナタト結婚シタイ」ッテ言ッテ」
(どんな本読んだんだろう?)
新平「でもそれはアリスさんが可愛いから そう言ったのかもね」
アリス「ソレモアルカモネ」
新平(外国の人って感覚違うんだな)
〇ゲームセンター
新平「あれ?、どうしたんだろう?」
〇ゲームセンター
女性「ふふ 何も起きていませんよ」
〇ゲームセンター
新平「なんだあれは!」
三郷「アリス様、私の後ろに!」
〇ゲームセンター
〇黒背景
〇ゲームセンター
〇ゲームセンター
〇ゲームセンター
〇ゲームセンター
新平「やった!」
三郷「くっ・・」
魔獣「ふふふ」
三郷「ううっ・・」
新平「うわあああー!」
魔獣「くっ!」
魔獣「ギャアアア!!️」
新平「き・消えた・・」
〇ゲームセンター
三郷「ありがとう・・」
三郷「あなたのおかげでアリス様を狙う魔獣を 倒せた・・」
新平「・・・・。」
〇ゲームセンター
〇大きな木のある校舎
〇事務所
三郷「実は私とアリス様は学校を退学したく お伺いに来ました」
先生「そうか、残念だな」
三郷「アリス様の警備上の問題です」
先生「そうか ラザロさんにはようく頼まれたのだが・・」
三郷「ラザロ様が?!️」
先生「そうだよ 引っ越し蕎麦を持参でね」
〇事務所
ラザロ「ソレデハ娘ト三郷ノ入学ヲオ願イシマス」
先生「わかりました」
先生「あれ? 三郷さんは小学校に通った事がないのですね」
ラザロ「アノ子ハ事情ガアッテ、使用人ノ子供トシテ 今マデ家庭教師ガ勉強ヲ教エテイマシタ」
先生「そうですか」
ラザロ「デモソロソロ学校ニ通ワセテヤリタイノデス 他ノ子供ト同ジヨウニ」
ラザロ「楽シイコト、一人デハデキナイコトヲ知リ タクサンノ友達ヲ作ッテホシイ」
ラザロ「ソウ思ッタノデス」
ラザロ「願ワクバ、将来──」
ラザロ「歳ノ近イ学生タチガ旅立ッテイク姿ヲ見テ 自ラ旅立ツ心ヲ持ッテクレレバトモ」
〇事務所
先生「少し考えてみて」
三郷「はい・・」
〇学校脇の道
三郷「・・・・。」
〇幼稚園
『あじさい園』
リベリオ「ラザロ様、ココニ誘拐サレタ子供ガ 一時的ニ預ケラレテイルソウデス!」
子供「オジサン、僕ヲドウスル気ナノ・・」
ラザロ「私ハ国王ノ弟ダ 君ヲオ母サンノ所ニ届ケル為ニキタンダ」
〇住宅街の道
「お姉さん! 『あじさい園』にいた三郷さんですか!?」
三郷「あなたたちは・・?」
明日真「僕! 三郷さんの弟です!」
飛鳥「私も三郷さんの妹です!」
三郷「えっ!」
三郷「・・・・。」
三郷「あなたたち、いくつ? 私のお母さんを知っているの?」
明日真「知らない! 僕六歳!」
飛鳥「私も六歳! お母さん知らない!」
三郷「あなたたち双子なの?」
明日真「違うよ! 僕と飛鳥は兄妹だ!」
三郷「・・・・。」
ミリアス「ドウシタノ三郷?」
三郷「いえ、なんでも」
明日真「おばさん! 僕と妹は『あじさい園』の! 三郷さんの兄妹なんです!」
〇幼稚園
杏子「おじさん・・」
杏子「わたしあの子の妹なの・・」
杏子「わたしも連れて行って・・」
杏子「お願い・・」
〇住宅街の道
三郷「ミリアス様・・」
三郷「この子たちは・・」
三郷「嘘を・・」
ミリアス「・・・・。」
三郷「・・・・。」
「うわーーーん! うわーわーん! 嘘ついてないよー!!️」
ミリアス「事情ガアルヨウネ」
ミリアス「アナタ達、三郷ノ兄妹デショ? 家ニイラッシャイ」
飛鳥「ほんと?」
ミリアス「エエ本当ヨ」
明日真「ありがとうおばさん・・」
三郷「ミリアス様・・」
ミリアス「杏子、難シイ事ハ後デ考エマショウ」
ミリアス「今ハ笑イマショウ」
〇一軒家
〇学生の一人部屋
〇女の子の二人部屋
「新平さん! 明日私たちも野球に行くよ!」
ベリックス「心平サンオ弁当持ッテ来テクダサイネー!」
〇学生の一人部屋
新平「ええ!?」
新平「一体なにが・・」
恵子「わかりましたー」
新平「母さん、なんで僕の部屋に・・」
雄平「お前が楽しそうだからだよ」
〇女の子の二人部屋
〇貴族の応接間
END
コメディ色の強いファンタジーと言う印象でしたが、気づいた時には続きが気になってしまいました。
まるで平凡な家族に、とんでもなく変わった家族が交わっていく様子が興味深かったです!あじさいの国・・とても訳ありみたいですが、子供たちの為に最善を尽くしてほしいですね。
新平がアリスやベリックスのペースにどんどん巻き込まれて仲良くなっていく様子がほほえましい。お父さんのラザロも国王の弟なのにあちこちに引っ越し蕎麦を持参する気さくな人柄でいい感じですね。これから魔獣と対決する三郷の戦いぶりも楽しみです。