第2話「本校舎を攻略せよ! 風雲・黒崎学園」(脚本)
〇中庭
菅原筋太「ダメだ! どこにも抜け道なんてないぞ!」
天王寺修徳「くそっ、ダメなのか・・・」
三上大和「やっぱり本校舎を通らないと 講義堂には入れないみたいですね〜」
天王寺修徳「校長め、まるで嫌がらせ みたいなことしやがって!」
三上大和「はっきり嫌がらせですね〜」
天王寺修徳「ようし、こうなったら・・・」
「こうなったら?」
天王寺修徳「女子更衣室に突撃だ!!」
樋口ユウナ「あんたねぇ、頭バグってんの!?」
天王寺修徳「・・・どうしてここにいんだよ」
樋口ユウナ「それは・・・校長の放送を聞いて、 心配になって・・・」
樋口ユウナ「は、はぁ!? 誰が心配してるって!?」
天王寺修徳「言ってない! 俺は言ってない!」
三上大和「自分で言いましたね・・・」
樋口ユウナ「ちょ、ちょっとからかいに来ただけよ!」
樋口ユウナ「それよりあんた、退学の瀬戸際だってのに なに考えてんの!?」
天王寺修徳「や、どう考えてももうダメっぽいし、 どうせならその前にいい思いしよう かな〜なんて・・・」
樋口ユウナ「足りなかった? げんこつ」
天王寺修徳「あ、冗談です。足りてます」
樋口ユウナ「でも、校舎に入れないなんて ひどいわね・・・」
樋口ユウナ「何かアイデアあるの?」
天王寺修徳「さっきからそれを考えてるんだけど・・・ あー、もう無理!」
天王寺修徳「どう考えたって、無理〜!!」
???「諦めが早いな」
天王寺修徳「誰だ!?」
???「・・・・・・」
天王寺修徳「・・・ホントに誰?」
用務員「私はこの学園の用務員だ」
天王寺修徳「・・・用務員さんが何の用です?」
用務員「この学園のルールは理不尽だが、 必ずどこかに突破口があるはずだ」
用務員「じゃないと規則ではなく、 ただの嫌がらせになってしまうからな」
天王寺修徳「どう考えてもただの嫌がらせ だと思うんですけど・・・」
樋口ユウナ「・・・用務員さんなのに 学園のことに詳しいですね?」
用務員「誰よりも近くから この学園を見ているからね」
用務員「もっと頭を働かせたまえ。 この学園で諦めるということは、 退学を受け入れるということだ」
天王寺修徳「だけどさ! 本校舎に入れないと 試験受けるのムリじゃん!」
用務員「通れるのは校舎の中だけじゃないだろう?」
天王寺修徳「は?」
用務員「あとは君たちの能力次第だ」
天王寺修徳「まさか・・・壁でもよじ登れって 言うんじゃないだろうな?」
樋口ユウナ「ありえないでしょ・・・」
用務員「おっと、しまった」
パサバサーッ
天王寺修徳「これ・・・校舎の壁の写真?」
樋口ユウナ「!」
用務員「本校舎の壁の掃除をしなくちゃ いけないんだ。私は用務員だからな」
用務員「さ、写真を返してくれたまえ」
用務員「では失礼」
天王寺修徳「変な用務員さん・・・」
樋口ユウナ「あの用務員さん、 誰かに似てたような・・・」
樋口ユウナ「あ、それよりさっき一瞬だけ 写真落としたじゃない、あの人」
樋口ユウナ「校舎の壁に変なのあったんだけど、 あれってボルダリングの握るやつ?」
三上大和「僕も見ました〜。 確かにボルダリングのホールドでしたね〜」
菅原筋太「校舎の壁にか?」
天王寺修徳「まさか校舎の中を通れないなら 外を通れってことじゃ・・・」
樋口ユウナ「でも、ボルダリングって ルート間違えると登れないじゃない」
樋口ユウナ「ちゃんと正しいルートを選ばないと」
菅原筋太「そうだな! 途中で行き詰まったら落ちるしかないな!」
樋口ユウナ「ルートを決めようにも、一瞬だったから ホールドの場所なんて憶えてないし・・・」
天王寺修徳「ふふふ、ここ、俺の出番じゃない?」
樋口ユウナ「用務員さん、あの写真もう1回 見せてくれないかしら・・・」
天王寺修徳「聞いてよ! 頼ってよ! 俺、一度見たものは 絶対忘れないんだからさ!」
樋口ユウナ「えっ? あんたの記憶力って エロいこと以外も憶えられるの!?」
天王寺修徳「まあエロに使うことが多いけど・・・」
天王寺修徳「ホールドってあのカラフルな 岩みたいなやつのことだろ? バッチリ全部憶えてるぜ!」
菅原筋太「おお、さすが瞬間記憶能力だな!」
樋口ユウナ「ホールドの位置、このメモに書いて! 全部! 正確に!」
天王寺修徳「ええと、確か・・・」
菅原筋太「・・・なるほど、 ちゃんとルートがあるな!」
樋口ユウナ「校舎を登って、屋上を抜けて、 反対側の壁を降りれば・・・」
樋口ユウナ「講義堂にたどり着けるわよ!」
天王寺修徳「簡単に言うけど落ちたら死ぬよね? 本校舎4階建てだよ?」
三上大和「ルートの下には池があるから 落ちても死なないみたいですね〜」
天王寺修徳「SASUKEかよ!」
菅原筋太「そう言われると燃えてきたな!」
菅原筋太「どうやら、退学を避けるにはこの壁を 攻略しなくちゃいけないみたいだぞ!」
天王寺修徳「やるか・・・こんなところで 学園生活を終えるわけにはいかないし」
三上大和「登るしかないですね〜!」
天王寺修徳「よし、いくぜ! 俺たちの学園生活は まだ始まったばっかりだ!」
樋口ユウナ「待って! それ死亡フラグ!!」
〇体育館の屋上
天王寺修徳「とか言ったけど・・・こえー!!」
三上大和「次は、ええと・・・右側のグリーンです〜」
天王寺修徳「こえー!! こえー!!」
菅原筋太「下を見るな! 次のポイントを見ろ! 足は横向きにして壁にくっつけろ!」
天王寺修徳「運動ゴトになると心強いな・・・ でもそんなこと言われたってこえー!」
一ノ瀬「わあああああ!」
菅原筋太「一中の一ノ瀬ェ!」
天王寺修徳「そう言えば俺たち以外にもいたな、 Kランク」
一ノ瀬「俺はもうだめだ・・・置いていってくれ」
天王寺修徳「大丈夫だ! 放送が聞こえてこないってことは、 池に落ちても退学じゃないってことだろ?」
天王寺修徳「何度落ちてもいい、登ってこい!」
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面白いですね〜❤️
謎の用務員の正体は‥
ズバり、校長の双子の妹‥
姉の暴挙を止める為に登場‥
と、予想してみました❣️
(当たるかな⁉️)
あと、校長の手下の
忍者少年登場でこれからどうなるのかな⁉️