校則大戦

中村朔

第1話「校則違反、ダメ、絶対!」(脚本)

校則大戦

中村朔

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〇お嬢様学校
  黒崎学園、通称・黒学
  厳しい校風で知られる私立進学校
  厳格な校則で校内の秩序を保っているため
  良家のお嬢様が数多く在籍する
天王寺修徳「今日から俺も黒学生か・・・」
菅原筋太「中学開校以来のバカと言われたお前が 黒学に受かるとはな!」
天王寺修徳「脳筋のお前が受かったのがびっくりだよ」
菅原筋太「筋肉占いが絶好調だったからな!」

〇動物
  『菅原筋太(すがわらきんた)』
  筋肉の痙攣回数でテストの回答を占う
  筋肉占いを得意とする筋肉バカ
  成績は底辺

〇お嬢様学校
三上大和「二人ともE判定から合格って すごいですよ〜」
天王寺修徳「大和もE判定だったろ。よく合格したな」
三上大和「ギリギリだったと思います~。 試験時間があと10時間くらいあったら もっと解けたんですけど」
天王寺修徳「そんなゆとりな入試があるか」

〇果物
  『三上大和(みかみやまと)』
  頭は悪くないが、思考がスローすぎて
  テストが時間内に終わらないスローバカ
  成績は底辺

〇お嬢様学校
菅原筋太「中学じゃ3バカと言われた俺たちが 揃って合格とは奇跡だな!」
天王寺修徳「受かっちまえばこっちのもんだ」
天王寺修徳「これで黒学のお嬢様たちと キャッキャウフフの学園生活を送れるぜ!」
菅原筋太「さすがエロバカ」

〇ハート
  そして俺
  『天王寺修徳(てんのうじしゅうとく)』
  ・・・・・・エロバカ!?
  成績は底辺

〇お嬢様学校
「・・・・・・」
(みんなよく受かったな・・・)
天王寺修徳「まあ、採点ミスかもしんないけど、 せっかく受かったんだから 高校生活エンジョイしようぜ!」
菅原筋太「そうだな!」
三上大和「あっ、オリエンテーション始まりますよ。 急ぎましょう〜」
???「・・・あれが今の黒学生か。 やはり先代のやり方は手ぬるかった」
???「喜んでいられるのも今のうちだ」

〇手
???「お前らカスはこの私が・・・ 駆逐してやる!」

〇体育館の舞台
菅原筋太「噂通りお嬢様ばっかりだな!」
天王寺修徳「今話しかけるな。 顔とボディーラインを記憶してる」
樋口ユウナ「相変わらず下世話なことに 頭使ってるわね・・・」
樋口ユウナ「あんた記憶力『だけ』はいいんだから、 ちょっとはその力を勉強に活かしなさいよ」
天王寺修徳「なんだ、お前も受かったのか」
樋口ユウナ「いや、あんたが受かったほうが びっくりなんだけど・・・」

〇パチパチ
  『樋口ユウナ(ひぐちゆうな)』
  幼稚園からの腐れ縁。何故か俺に
  つっかかって来るめんどくさいやつ
  性格はさておき頭はいい

〇体育館の舞台
樋口ユウナ「この学校、今年から校長が変わって 厳しくなるって噂よ」
樋口ユウナ「素行不良で退学にならないように 気をつけるのね!」
天王寺修徳「お前こそ、お嬢様に混ざってると 粗暴なの目立つぞ。 俺の心配より自分の心配しろって」
樋口ユウナ「は、はぁっ!? し、心配なんてしてないっての!」
樋口ユウナ「あんたがいないとバカにする相手が いないってそれだけなんだからねっ!」
三上大和「相変わらずだだ漏れだね〜。 ユウナちゃんの恋心」
菅原筋太「本人にだけ伝わらないとは不憫だな!」
教師「ただいまより新入生オリエンテーションを 行います。まずは校長先生の挨拶」
校長「校長の黒崎だ!」
天王寺修徳「あれが噂の新校長か。 生徒だけじゃなく校長も美人だな」
四条「スカート短けーぞー。ヒュ〜!」
放送「学生番号596番、アウトー」
四条「俺?」
校長「校則第79条、校長に下世話な野次を 飛ばすべからず・・・校則違反で退学だ!」
放送「学生番号61番、アウトー」
校長「校則第19条、就学時間内のスマホは禁止! 退学だ!」
放送「学生番号79番、アウトー」
校長「校則第27条、学内でのナンパは禁止! 退学だ!」
校長「風紀委員、連れて行け!」
「い、嫌だ〜!」
教師「暗子先生、初日からそんな」
放送「教師番号18番、アウトー」
校長「校則第99条、校長を名前で呼ぶな! 退職だ!」
天王寺修徳「おい教師まで首切られたぞ」
校長「お前らに言っておく。 この学園では校則が絶対だ」
校長「校則を守れぬ者に黒学生たる資格はない! 違反者は即刻退学だ!」
天王寺修徳「・・・なんだあの暴君は」
校長「そこのエロそうな顔したお前」
天王寺修徳「俺?」
樋口ユウナ「自覚してんじゃないわよ・・・」
校長「フン、お前は例の7人の1人だな」
天王寺修徳「7人?」
校長「いいか、この学園はこの国を背負って立つ 人材を育てるために設立された」
校長「だが先代の校長がヌルかったせいで 黒学生にふさわしくないバカが増えた」
天王寺修徳「くっ、 人を名指しでバカ呼ばわりしやがって!」
樋口ユウナ「名指ししてないし・・・ てか真っ先に反応してんじゃないわよ」
校長「私の使命は学園の復興だ!」
校長「よって黒学にふさわしくないと 判断した者は容赦なく退学とする。 その基準が校則だ!」
天王寺修徳「・・・ちょっと待ってくださいよ校長」
校長「ほう、何だ?」
天王寺修徳「そうやって校則でガチガチに 固めることが教育ですか?」
天王寺修徳「もっと自由な空気の中でこそ 育つ心があるんじゃないですか!」
樋口ユウナ「たまに真面目なこと言うんだから・・・」
天王寺修徳「そんなに校則でがんじがらめに されちゃうと・・・」
天王寺修徳「お嬢様たちとキャッキャウフフ できないじゃないですか!!!!」
校長「そういった不埒な輩から 生徒を守るための校則だ」
天王寺修徳「ぐうの音もでません」
樋口ユウナ「感心するんじゃなかった・・・」
校長「だが優れた人材には 相応の設備を提供するぞ」
校長「寮の個室、無料の学食とかな」
天王寺修徳「まじで?」
校長「全員ではない。 生徒は入学試験の成績によって SSR、SR、R、Nに分類される」
天王寺修徳「ソシャゲかよ」
校長「SSRの7名、通称神セブンには 最高の設備が供与されるが、 ランクダウンするごとに扱いは厳しくなる」
天王寺修徳「神セブン・・・悪くないな」
樋口ユウナ「まさか入った気でいるんじゃ ないでしょうね・・・?」
天王寺修徳「だってさっき俺のこと 7人の1人って言ってたじゃん」
校長「フン、自分の目で確かめろ。 ランクを発表する。電光掲示板に注目!」
樋口ユウナ「あ、私SSRだ! やった!」
天王寺修徳「俺の名前がないぞ?」
樋口ユウナ「あんたがSSRのわけないでしょ」
天王寺修徳「ていうかSRにもRにもNにも ないんですけど」
菅原筋太「俺もいないな!」
三上大和「ボクもです〜」
樋口ユウナ「あんたたち 実は受かってないんじゃない・・・?」
天王寺修徳「あのー、名前ないんですけど」
校長「そこに名前のない7名は・・・」
校長「はっきり言う、 お前らは黒学に不要な存在だ!」
天王寺修徳「なんてこと言うの!?」
校長「お前らは他ランクへの悪影響を考え、 Kランクとして独立させた」
天王寺修徳「Kって何のK?」
校長「カスだ! 言うなればお前ら7人はカスセブン」
天王寺修徳「教育者の台詞じゃないよね!?」
校長「カスに時間を使うのは無駄だ。 オリエンテーションを続ける」
校長「本校には100項目の校則がある。 それに違反したものは、 先程見たように即刻退学だ」
校長「さらに風紀の是正のため、 既存の校則とは別に毎日校則を追加する!」
天王寺修徳「校則の追加って、そんなのあり!?」
校長「そうしないと、お前らのような輩は すぐに校則の抜け道を探すからな」
天王寺修徳「まるで俺たちのせいって 言われてるみたいだが」
樋口ユウナ「そう言われてんのよ・・・」
校長「SSRは追加なし、SR以下は毎日1つだ!」
校長「そうそう、Kランクには私の気分によって さらに10個追加する」
天王寺修徳「嫌がらせじゃん!?」
校長「この後は各ランクごとに分かれて オリエンテーションだ! 以上、解散!」
菅原筋太「とんでもないことになったな!」
三上大和「なんか目の敵にされてますね〜」
天王寺修徳「俺ら以外のカスセブンって どんな奴がいるんだ?」
一ノ瀬「よう、エロバカ」
天王寺修徳「お前は一中の一ノ瀬!」
二宮「俺を忘れてもらっちゃ困るぜ」
天王寺修徳「二中の二宮!」
三田「おいおい、俺抜きで始めんなよ」
天王寺修徳「三中の三田!」
樋口ユウナ「知り合い?」
菅原筋太「各中学の底辺だな!」
三上大和「底辺同士の交流があるんですよ〜」
樋口ユウナ「そ、そうなんだ」
天王寺修徳「底辺と言えば四中の四条がいないが、 入学してないのか」
一ノ瀬「さっき校長に口笛を吹いて 退学になったのが四条だ」
二宮「ふっ、カス7の面汚しめ」
三田「やつはカス7の中でも最弱」
天王寺修徳「もうカス6だけどね」
樋口ユウナ「もっと減りそうな予感・・・」

〇グラウンドの隅
天王寺修徳「なんでKランクの教室だけ 校庭の隅っこにあるんだ」

〇教室
天王寺修徳「・・・ていうか1人減ってない?」
一ノ瀬「三田はさっき 女子更衣室を覗いて退学になった」
天王寺修徳「初日から2人脱落か・・・」
  ピンポンパンポーン
放送「校長の黒崎だ! 午後に学力試験を行う。 新入生は13時に講義堂に集合!」
菅原筋太「講義堂ってどこだ?」
三上大和「本校舎の奥の大きな部屋ですね〜」
放送「理由なく試験を受けなかった者は 校則違反で退学とする!」
天王寺修徳「出たよ・・・さっさと行こうぜ」
放送「そうそう、 Kランクの本日の追加校則を発表する」
放送「Kランクは・・・本日1日、 本校舎への立ち入りを禁止する!」
天王寺修徳「うおーーーいっ!?」
天王寺修徳「どうやって試験受けろっつーんだよ!」
  ──2話へ続く

次のエピソード:第2話「本校舎を攻略せよ! 風雲・黒崎学園」

コメント

  • 初コメントです❤️
    ヒロインの幼馴染のコが可愛いです❤️
    あと、私的には
    あの目の隠れた
    (ギリギリ陰キャと間違えられそうだけど)
    頭の良い
    スローモーなコが良いで〜す❤️

  • 痛快でわかりやすいなあと思いました

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