エピソード10(脚本)
〇音楽室
「♪〜♫〜♬〜」
北条先輩「ほらそこ!!! テンポが遅れてる!!! やり直し!!!」
「はいっ!」
北条先輩「やる気あるの?!!!? もうすぐコンクールなのよ!!! しっかりやって!!!」
「は〜い・・・」
♬〜♬〜
〇音楽室
ななみ「はぁ・・・もうこんな時間。」
まち「最近、部活がつらくて・・・。 本当はクラリネットが、やりたかったのに、トロンボーン担当になってしまったもショックで・・・」
ななみ「しょうがないよね。 たくさん部員いるし。 コンクール選抜メンバーに選ばれたのはいいけど、練習時間が長くて大変すぎる」
北条先輩「貴方達、もっと練習しなさい。 では、さようなら。 また明日の朝練よろしくね」
「はーい・・・」
タッタッタッ
ななみ「あーあ」
〇公園のベンチ
ななみ「こんなに真っ暗だよ。 しかもまた、朝から練習でしょ。 もう辞めちゃおうかな・・・。」
まち「うん・・・もう辞めたいかも・・・。 明日言おうか・・・」
タッタッタッ
北条先輩(いま、辞めたいって言ってた!? 嘘でしょ!? 本当なら、もっと、厳しいのに・・・)
北条先輩「私なんかは、もっと厳しい練習してきたのに・・・」
北条先輩「なんで、みんな そんなにやる気がないのかしら。 困ったわ・・・」
謎マッチョ「やぁ。何かお困りかい?」
北条先輩「わっビックリした」
北条先輩「ナ、なんでもないです」
謎マッチョ「困ってるように見えたけどな。 話だけでも聞こうじゃないか。 話すだけならタダだぞ」
北条先輩「なにかしないわよね・・・ まぁいいわ」
北条先輩「私、吹奏楽部の部長なんだけど。 みんな練習ちっとも真面目にしてくれないの。 コンクールまで、わずかなのに もうバラバラ」
謎マッチョ「大会まで近いのか。 わかるぞ、その焦り。 選手権大会が近いと、ワタシの筋肉も緊張してしまうからな!!!」
北条先輩「マッチョの大会とは違うけど・・・ ともかく、やる気にさせる方法は、ないのかしら。 今から辞められて補充も間に合わないし」
謎マッチョ「よし、じゃあ その相談にのろう」
ひょい
お姫様抱っこで連れて行った
北条先輩「えっ、ちょっと〜あれ〜」
北条先輩(お姫様抱っこ、初めてなんだけど。 なんかちょっと、心地よい・・・)
〇奇妙な屋台
謎マッチョ「・・・と、いうわけで、マスター。 連れてきました」
北条先輩「ちょっと〜なんなのよ〜 何をするつもりなの?」
謎マッチョ「手荒なマネをして、すまなかった」
北条先輩「ワタシ誘拐されちゃったワケ!?」
北条先輩(ちょっと、抱っこが気持ち良かったのは、 イワナイけど)
謎マッチョ「困ってるように見えたからさ・・・ スマナイ」
店主「困らせて、スミマセンね。 ではこれをお詫びに差し上げるわ」
北条先輩「これ食べるの?」
北条先輩(断ったらなにされるんだろう 怖いし。 一口だけなら・・・)
モグモグモグモグモグモグ
北条先輩「あら、美味しい。 なんだか、気分がふわふわしてきた。 なんなのこれ・・・」
北条先輩「それにお菓子・・・? これを、みんなに食べさせるの? 懐柔作戦ってこと?」
店主「それと・・・ 本命はこっちよ」
北条先輩「これは・・・指揮棒? ウチの部室にもあるけど」
店主「まぁ騙されたと思って、これを使ってみて」
北条先輩「ふーん。 他に方法もないし、 じゃあ、騙されてみるか」
北条先輩「えいっ 1.2.3.4」
北条先輩「なんの素材なの? 軽くて振りやすいわね。 なんだか、できるような気になってきたわ。ありがと。 もう帰るね」
〇中庭
北条先輩「みなさ〜ん」
(きょうこそ、 辞めるっていうんだ)
まち「先輩、あのー」
北条先輩「いつも頑張ってるアナタ達に、これをお配りするわ」
「お菓子?先輩が?」
北条先輩「ええ。 今まで、厳しくしすぎて、 ごめんなさいね。 コンクールが近いからと、焦ってしまったわ」
北条先輩「わたし、このコンクールが終わったら、 海外留学することが決まっているの」
北条先輩「辛いのはわかっているわ。 でもコンクールまで、でも、 一緒に頑張ってくれないかしら。 その後は自由に考えてくれていいわ」
北条先輩「最後のコンクール、 どうか楽しい思い出を、一緒に作ってくれないかしら」
「先輩・・・ わかりました。一緒に頑張って コンクール入賞しましょう!!!」
北条先輩「ありがとう。 では、練習はじめましょう。 楽しく、演奏しましょう」
サッ
♫〜♫〜♫〜
〇森の中
♫〜〜♫〜
「にゃーん」
パチパチパチパチパチパチパチ
謎マッチョ「演奏、素晴らしかった」
北条先輩「よかったわ。 素敵な練習場を貸していただいて、 ありがとうございます」
ななみ「私達も演奏の楽しさを思い出しました。 ありがとう」
まち「それに、こんなに練習したんだもの。 賞を必ずとってやる!!! って思うようになったし」
北条先輩「本番は明日よ。 気合い入れて頑張りましょう!!」
「はい!!!」
謎マッチョ「がんばれよ!!! マッスル!!!」
「にゃーんにゃーん」
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指揮棒のビジュアルww
そして、ナチュラルに表れる謎マッチョマンwith猫様、笑えてきますね。ハートフルな物語に挿し込まれる細かなツボに吹いてしまいました