超次元科学研究部《チカケン》ーテストの前日ー赤点回避編

フカダタクヤ

超次元科学研究部ーテストの前日ー赤点回避編(脚本)

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〇理科室
  超次元科学研究部、通称《チカケン》
  学園一の天才「九龍真理」と学園一のバカ「衛士村斗真」を
  中心に設立された部活動である

〇理科室
九龍 真理「諸君、明日はいよいよ期末試験当日だ」
九龍 真理「この試験で赤点を取った者は 来週から始まる学園祭準備期間に 補習に出席しなければならない」
九龍 真理「チカケンの人員を補習に奪われることは 学園祭での活動費ぼろ儲け計画の大きな 妨げとなる」
九龍 真理「明日の期末試験で、だれ一人として赤点を 取ることは許されない」
相沢 新人「そうは言っても、お嬢」
相沢 新人「衛士村は前回の試験で全科目赤点だったんだぜ?」
相沢 新人「赤点を取らないなんて不可能だ」
衛士村 斗真「真理ちゃん、申し訳ない」
九龍 真理「ふっ、相沢」
九龍 真理「私が斗真のバカを計算していないとでも 思ったか?」
九龍 真理「不可能を可能にしてこその超次元科学だ」
九龍 真理「試験まであと1日」
九龍 真理「なんとしても赤点を回避するぞ」
衛士村 斗真「真理ちゃん」
九龍 真理「ということで、斗真 まずは私が作った特製カプセルを飲め」
衛士村 斗真「うん、わかった」
相沢 新人「よくそんな怪しい薬品を躊躇なく飲めるな」
九龍 真理「失礼だな、相沢」
九龍 真理「このカプセルは記憶力の上昇に効果のある 成分を私が独自に配合したものだ」
九龍 真理「これを飲むことで学習効率が向上することはマウスを使った実験で既に証明済み」
相沢 新人「さすが、お嬢」
九龍 真理「ただし、人体にどのような影響があるかは まだわからない」
九龍 真理「今回はいい治験データが取れそうだ」
相沢 新人「危ない!  衛士村、はやく吐き出せ!」
衛士村 斗真「相沢、僕を舐めるな」
衛士村 斗真「幼稚園の頃から真理ちゃんの実験台を務めてきたんだ」
衛士村 斗真「今更こんなカプセルで体調は崩さない」
相沢 新人「そうか、幼馴染み《実験台》はすげぇな」
九龍 真理「カプセルを飲んだら準備は完了だ」
九龍 真理「これより試験対策を開始する」
衛士村 斗真「おう」

〇教室
相沢 新人「それで、試験対策するのになんで教科書も持たずに教室に移動してきたんだ?」
九龍 真理「よくぞ、聞いたな相沢」
九龍 真理「それはこの「相対座標自動転写ペン」 略して「シャーペン」の実験を行うためだ」
相沢 新人「シャーペン?」
九龍 真理「薬の効果で記憶力を上げたとしても、数学などの暗記以外が求められる科目で斗真が赤点を回避することは困難だろう」
九龍 真理「そこで、この「シャーペン」の出番だ」
九龍 真理「まずは2人ともこの「シャーペン」と紙を持って机に座ってみろ」
衛士村 斗真「了解!」
九龍 真理「準備ができたら相沢、紙に何か書いてくれ」
相沢 新人「おっけー」
相沢 新人「『あいうえお』っと」
衛士村 斗真「おぉ、すごい」
衛士村 斗真「手が勝手に動くぞ」
九龍 真理「ふははは これが「相対座標自動転写ペン」だ!」
九龍 真理「「シャーペン」は机とペンの相対的な座標を認識し、信号を送ることで、もう一方のペンの持ち主に同じ文字を書かせることが可能!」
九龍 真理「これで相沢の解答を斗真がコピーすれば 全科目赤点を回避することができるぞ」
九龍 真理「ふははは」
先生「九龍、このペンは没収だ」
九龍 真理「な、先生! いつの間に!?」
先生「あのな、俺が作業している教室に お前たちが入り込んできたんだろ」
先生「何かに没頭したら、周りが見えなくなる ところがお前の悪い癖だぞ」
先生「これは職員室で預かっておくからな」
九龍 真理「まずい、こうなったら職員室に忍び込んで 試験問題を入手するしか・・・・・・」
衛士村 斗真「真理ちゃん、それはダメだ!」
衛士村 斗真「試験とは、試験用紙が配られてから試験時間が終わるまでに自分たちが準備してきた成果を試験用紙に解答するもの」
衛士村 斗真「事前に試験問題を手に入れるなんて 結果のわかっている実験と同じじゃないか」
衛士村 斗真「そんなの超次元科学じゃない」
九龍 真理「斗真」
衛士村 斗真「sinやcosがわからなくたっていい」
衛士村 斗真「悔いを残さない試験勉強をしようよ」
九龍 真理「斗真」
九龍 真理「sin,cos知ってたのか」
衛士村 斗真「今回は英語の勉強がんばったからね」
九龍 真理「sin,cosは数学の範囲だ」
九龍 真理「ええい、こうなったら試験まで 残り18時間死ぬ気で暗記するぞ」
九龍 真理「追加のカプセルを飲め」
衛士村 斗真「おう!」

〇教室
  試験終了後
先生「それじゃあ、試験返すぞ」
先生「衛士村」
衛士村 斗真「はい」
先生「今回は、いつもより書けてたじゃないか」
先生「試験中に暗記した内容を大声で叫んで退場になってなかったら、10点は取れてたぞ」
衛士村 斗真「すみません 薬の副作用が出てしまいました」
先生「く、薬?」
先生「まぁ、補習がんばれよ」
先生「次、九龍」
九龍 真理「ふん、待ちくたびれたぞ」
先生「九龍、この解答用紙にびっしり書き込まれた意味不明な式はなんだ?」
九龍 真理「ふははは」
九龍 真理「試験中に相対性理論を超える新たな理論 「超次元相対性理論」を思いついてな」
九龍 真理「紙がなかったので、メモ用紙として使わせてもらったのだよ」
先生「解答用紙に必要ない式を書くな!」
先生「お前も補習だ」
先生「以上、赤点だった者は明日からの補習に 必ず出席するように」
相沢 新人「結局、全科目赤点じゃなかったのは 俺だけか」
衛士村 斗真「すまない、真理ちゃん 俺のせいで学園祭活動費ぼろ儲け計画が」
九龍 真理「気にするな、斗真」
九龍 真理「活動費は今回の「記憶力向上カプセル」を 製品化すればなんとかなりそうだ」
相沢 新人「それにお嬢が俺たちに赤点を取ってほしくなかったのは、学園祭準備期間に一人で過ごすのが寂しかったからだからな」
九龍 真理「な、何を言っている」
相沢 新人「なんだかんだ言って 俺たちのこと大好きなんだから」
九龍 真理「ほ、ほう」
九龍 真理「私が貴様らのことを好きとは、おもしろい 仮説だな」
九龍 真理「まぁ、たしかに心理学における単純接触効果を考えれば」
九龍 真理「毎日会っている貴様らに他の個体よりも 愛着を感じることはあり得なくないがな」
衛士村 斗真「俺も、真理ちゃんのことが大好きだ〜!」
  その後、超次元科学部が販売を始めた
  「記憶力向上カプセル」は学校中で
  大ヒットを収め
  次の試験で補習となったのは衛士村斗真と
  九龍真理の2名のみだった
  完

コメント

  • お嬢も結局補修ですか…笑
    天才と馬鹿は紙一重…。どうしても何かに熱中しちゃうのですね!そんな二人(三人)だからこそ相性が良いのかもしれません!

  • カプセルで記憶力が上がるのっていいですね。
    私も欲しいです。笑
    おバカなマッドサイエンティストってかわいいです。
    どこか抜けてる人って魅力的ですよね。

  • 真理さんの天才だけどおバカな愛すべきキャラが素敵です☺️
    真理さんに盲目な斗真くんと、意外と一番真人間な相沢くんとの掛け合いが絶妙なバランスで楽しかったです!
    他にもいろんな発明品でいろんな騒動が巻き起こるのかも??と想像してしまいます😃

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